103)3. 英語インプット方法: 2007年6月アーカイブ

Q. 興味深いご意見をどうも。確かに、日本人と英会話の練習をするとブロークンイングリッシュになる訳ではない。しかし、これには条件があります。

1インストラクターの日本人が完全な英語の発音ができる。

2インストラクターの日本人がアメリカかイギリスでトレーニングを受けた、十分な技能のあるSpeech Therapist (英語発音の矯正を行う人)である。

1の条件については、英語学習者がネイティブスピーカに理解不可能な誤った発音をした場合、的確に指摘する必要があるためです。間違った発音、イントネーション、リズムを覚え込むのは学習の妨げになると思います。

2の条件があるため、(発音矯正の知識を持たない)アメリカ人と年中話す機会がある人も、英会話が下手である場合があるのです。

 

A. おっしゃることはその通りです。英語のインプットは発音、表現ともにできるだけ正確にやらなければなりません。

まず英語を聞いて覚える時はテープやCD等のネイティブスピーカーの発音を聞いてそれをできるかぎり正確に再現できるように何度も口で発音しながら覚えていかねばなりません。いいかげんな発音で覚えると英語が聞き取れなくなりますし、話しても通じなくなります。

自分では正しい発音だと思っていても間違っている場合もありますから、覚えた英語をチェックしてもらわなければなりません。

チェックしてもらうのは苦労して正しい英語の発音を身につけた日本人インストラクターか音声学の知識もあり日本人の発音の弱点も熟知したネイティブスピーカーがベストです。

日本語も話せない、音声学の知識もないネイティブスピーカーでは的確な指導はできません。 彼らは日本人がなぜ正しく発音できないかがわからないからです。

発音はネイティブスピーカーとさえ話していれば自然によくなるというものではありません。集中してネイティブスピーカーの英語を聞き、何度も声に出して練習し、その結果をインストラクターに矯正してもらいさらに練習をつむといった努力の中だけでよくなっていくものです。

私の使っている教材に「話すための英文法」(市橋敬三著、研究者出版)という本があります。内容は文法項目ごとに並んだ英語の文を暗記していくものです。この本の「はしがき」の部分に「どうやったら英語で考え、話せるようになるか」を書いた部分があるのでそこの部分を引用させていただきます。

英語で考え、話せるようになるための秘訣 (1)英文法を知識としてでなく自由自在に使えるようにせよ 最も効果的な方法はたくさんの例文をインプットすることである。

ただこれを手当り次第にやるのではなく、英文法にそった例文をインプットするのが効果的である。 英文法は中学、高校、大学で十分やったがいまだに英語で考えたり話したりすることはできないと、反論する人も多いであろう。しかし皆さんは読解のために英文法を知識として学んだにすぎず、例文を暗記してインプットしていないのだ。したがって頭に英語の構造、発想が根付いていないのである。

(2)英文法の例文暗記の効用 数学をやるのに小学校で習う九九は不可欠である。九九を暗記していなければ9を9回たさなければならない。しかし9を9回たしたりすると時間もかかり、たしまちがえることもある。九九は数学の基礎である。英文法の全項目の例文は算数の九九に相当する。したがって暗記が不可欠なのである。

暗記していないと、いろいろ考えて文を組み立てなければならない。しかしこんなことをしていたら時間もかかり、組み立てる際にミスを犯す。 英文法の例文を暗記すると、英語の構造、発想が身につき、一度完全にやると一生忘れないものである。

皆さんのなかに九九を復習した人はいないであろう。かように暗記は長持ちするのである。英語も同じで、暗記しておけばいざ英語を話さなければならないときに、頭に日本語ではなく英語で文を浮かんでくるようになるのだ。

ただここでひとつ注意したいことは、暗記そのものを最終目的にしないことで、暗記した文を使い、見るもの、聞くものを英語で考え、自問自答したり、友人と英語で話したりして使おうとしてみることである。

例文をよく暗記している人は英語で自問自答することは問題ない、暗記した例文をそっくりそのままは使えなくとも、暗記してあれば、暗記してある文の一部を自分が言いたいことと置き換えて自分の意思表示をする応用能力が養われるからである。 (以上引用)

Q.こんにちわー(^-^) 私も英会話を勉強しています。

はじめのうちは、私も頭の中で(英語->日本語)(日本語->英語)をやってましたよ。でも、だんだんとそうしなくても大丈夫になってきました。

私の通う英会話学校に、張り紙がしてあって「英語の勉強はコップに少しずつ水が溜まっていくようなもので、その時は上達があまりわからないが、ある時少しずつ溜まった水がコップから溢れ出す。がんばって3年くらいはコツコツいきましょう」みたいなことが書かれていました。なーるほどーと思っていたのですが、なんと!3年たった頃、何だか自分の英語がちょっと上達してるな、と感じたのです。

A.私も同じコップの例を出して英語のインプットの大切さを説明しています。私の場合コップにはひびが入っていて,そこから水がもれていると言っています。つまり英語のインプットを怠っていると中の水はどんどん減っていってしまう(忘れてしまう)というわけです。

もれるよりも多くの水を入れていけばコップの中の水は次第に増えていって使える英語の量はだんだん増えていきます。 でもインプットをおこたっていると少しづつ英語はもれて忘れていってしまいます。だからインプットはたえず行っていないとコップには水はなかなかたまりません。

もうひとつ私がよく例に出すのは「英語の上達は髪の毛がのびるのと同じだ」ということです。みなさんおそらく毎日髪の毛がのびていることなど気づかないと思います。でも3ヶ月もすると髪の毛がボサボサになって、床屋や、美容院に行かなくてと思いますよね。 英語の勉強もこれと同じです。

毎日勉強しても自分の中に英語が溜まってきていることはなかなか自覚できないものです。でもコツコツ続けていると、ある日急に英語がわかるような気がするのです。

この英語力の向上が自覚できない時期のことを英語では学習のプラトー(plateau:台地という意味)と呼んでいます。 英語ができるようにならない人はこのプラトーの時期ががまんできない人です。勉強してもなかなかできるようにならないので、途中でやめてしまうのです。するとせっかくある程度頭の中にたまってきた英語を忘れてしまいます。そしてまた、忘れたころに英語の勉強を始めるのです。これはとても能率が悪い勉強方法です。

英語ができるようになるコツはとにかく続けることです。「継続は力なり(Continuity is Power)」という「ことわざ」がありますが、言語の学習においては特に大切なことです。

私は松本亨先生のテープ教材で上で説明したことをやらされました。松本亨先生の教材はドラマ性のあるストーリーになっていて覚えるのがとても楽しかったです。残念ながら状況や英語が現代にマッチしないので今では絶版になってしまいましたが。

今の学校の生徒さんには他のいろいろな教材を使ってもらっています。Family Album USAという教材はネイティブスピーカーが自然な調子で話しているので会話の中に英語の音の崩れがでているのでネイティブスピーカーの英語を聞き取るのに非常に効果があります。

またいろいろな文型を使った英語が話せるようになる為に役にたつのが「話すための英文法」「魔法の英文法」シリーズ(市橋敬三著)です。全部暗記すればかなり難しい文型を会話の中で使うことができるようになります。

覚える教材は正しい英語で書かれていて、音声付きのものであれば何でもかまいません。自分のレベルにあっていて、興味が持てるものを選べばいいと思います。

関連項目 私のおすすめの英語教材 スピーキングをのばす為の教材(インプット用)

それでは具体的にどのように英語を暗記していったらよいかを説明します。これは私を教えてくれた先生方が40年ほど前に松本亨先生のNHKラジオ英会話を使って勉強していた方法で、私もこれと同じ方法で英語を暗記してきました。

現在ではテープやCDなど英語の音声付きの教材はいくらでも手に入りますが、40年ほど前にはオープンリールのテープもなかった時代で英語の生の音声が聞ける教材は松本亨先生のラジオ英会話くらいしかありませんでした。しかしそうした時代でも私達の先生はりっぱに英語が話せるようになっていたのです。

まずラジオを集中して聞き、イントネーション、アクセントなどを書きこみながら、ラジオの英語について同じように言えるように何度も練習します。(今では録音機がありますから、録音してテープを止めながら聞くといいでしょう)大切なのは決してテキストの文字から自分勝手な発音で覚えないことです。覚えるのは英語の音声だということを忘れないで下さい。

この後、その日のスキットをテキストを見ないでスラスラ言えるようになるまで、正しい発音で暗記します。次の日には同じようにその日のスキットを暗記してから、前の日のスキットをもう一度覚えなおします。このように常に前に覚えた英語を忘れないようにしながら次々と新しい英語を覚えていきます。1週間後にはその週のスキットが、1ヶ月後には1ヶ月分のスキットがすべてスラスラ口から出てくるようになっていなければなりません。これをとにかく1年間続けます。

半年もやっていると頭の中が英語でいっぱいになってきていることがはっきり自覚できるようになります。頭の中で英語が鳴っている感じで、電車に乗っていても、歩いていても口から英語がポロッと出てきます。そのころにはこの英語をどこかで使えるところはないかと思うようになります。

「学習」の話に入る前に「英語を話せるようになる為に暗記は必要か?」ということについて書きたいと思います。

私は「暗記は絶対必要」だと思います。なぜなら大人は「習得」(無意識のうちに自然に英語を覚える方法)だけでは十分な英語のインプットが確保できないからです。 確かに幼児は意識しなくても英語が聞けて、話せるようになっています。しかし、幼児が母国語を学ぶ場合と大人が第2外国語を学ぶ場合では2つの大きな違いがあります。

まず1つは学ぶべき言語に触れている時間です。私達は子供のころ日本語が話せるようになるまでに膨大な日本語を聞きます。毎日あびるように日本語を聞いているといってもいいと思います。そのくらいの量に触れても5歳くらいにならなければ大人と同じような日常会話ができません。それに対し、大人が英語を習うときには普段は日本語の生活をしていて時たま英語学校に行って英語にふれるだけです。1回50分のセミプライベートレッスンを一週間2回やって1年間勉強したとしても子供のころ日本語に触れていた時間に比べれば微々たるものです。インプットの為の量があまりに少なすぎるのです。

もう1つ違うのは大人と子供の言語習得能力の差です。母国語が確立してしまった大人と比べ子供は言語を自然に吸収する能力がずっとすぐれています。海外に転勤になった親は全然英語ができるようにならなかったのに、一緒に行った小学校2年の子供が2年後には英語がぺらぺらになっていたなどというのはこの言語吸収能力の差からくるものです。

ではこの差を埋めるためにどうしたらよいのでしょうか?方法はあります。「学習」(意識して努力して英語を覚える方法)を使って英語をインプットすれば良いのです。大人は幼児と違って自ら努力することができますから、自分で英語を覚えようと努力すれば、たとえ英語に触れている時間が少なくてもこれをカバーすることができます。英語の文を今日は100覚えてやろうと努力すれば幼児よりずっと早く英語を吸収することができるのです。

だから英語が早く話せるようになる為には私は絶対暗記が必要だと思います。暗記をバカにする方もいますが英語の暗記は必ず英語力向上に役にたちます。あれこれ考える前に暗記してしまえば、やればやっただけの効果はあるのです。是非努力して少しでも多くの英語を暗記して下さい。  

103)3-4. 英語は度胸

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情緒フィルターを下げる話をしてきましたが、簡単に言えば「英語は度胸」ということです。

フィニックスでは入学希望者の方には全員1日体験コースに参加してもらうのですが、1日英語しか使えないということで結構ビビルみたいで、中には緊張のあまり前の日眠れなかったなんて方もいらっしゃいます。 私はこの1日コースの初めに「日本人が英語を学ぶ上での一番の障害は何だと思いますか」と聞くんです。私の答えはshyness(恥ずかしさ)なんですが、私はこのshynessをなくすためにみんなcrazyになろうと言うんです。みなさん笑いますけど私は本当にそう思っているんです。

1日コースではいろいろなことをしますがその一つの課題で「英語劇を作って、先生や在校生の前で発表する」というのがあります。これは生徒が主体の活動で、劇の内容もせりふも動作も全部生徒のアイデアで作ります。もちろん作る過程は全部英語です。 毎回驚くほどおもしろいものができて参加者の皆さんに「楽しかった」と好評なんですが、この人前での発表をするとなんか今まで萎縮していたものが吹っ切れるみたいなんですね。今まで難しく考えていた英語がコミュニケーションのための道具なんだということが認識できて、英語で話すことが楽しくなってくるんです。これはつまり英語を話す度胸がついたんだと思います。

語学を学ぶ楽しさの本質はコミュニケーションの楽しさです。英語で考え、英語で感じて、英語で友達ができる。フィニックスの楽しさはここなんです。

「習得」に関するもう1つの大切な原則は情意フィルターの仮説(the Affective filter hypothesis)です。これは以前「間違えを恐れないことが大切」というタイトルで説明したことです。つまり「不安感の低い者ほど言語の習得は進む」ということです。

幼児が英語を習得していく過程では誰も幼児の間違えなどとやかく言いません。しかし大人になると自分が間違えた英語を話すとまわりから笑われたり、バカにされたりするのではないかと思い緊張します。すると情意フィルターがあがり、英語が自然に習得されるのを妨げてしまうのです。

「幼児の言語習得過程」にも書いたように幼児でも始めから正しい英語が話せたわけではないのです。何度も何度も間違えて、また正しい英語に触れる中でしだいに正しい英語が話せるようになったのです。最初から間違えずに英語を学ぼうなどというのは不可能ですし、そうしようとすることは言語習得にとってマイナスです。

日本では長い学校教育の中で間違った英語を話したり、書いたりすることが悪いことのような指導をされているので一般に情意フィルターが上がってしまっている方が非常に多いようです。

ではまず「習得」Acquisition(自然に英語を学ぶ方法)にとって大切なことを2つ説明します。

まずは[i+1の仮説]です。 これは「言語は、習得した能力のレベルより1段階高いレベルのインプットを理解することによって習得される」というものです。[i+1]の[i]は現習得段階を意味し、これより少しだけ難しい[i+1]を推測によって理解することによって[+1]の部分が習得されるということです。  つまり現習得段階よりもずっと難しい[i+2]以上のものを聞いたり、読んだりしても習得は起きないし、現習得段階以下のもの[i]だけを聞いたり、読んだりしても習得は起きないということを意味します。

よく「聞き流すだけで努力なしで英語がマスターできる」的な教材がありますが眉唾ものです。学習者にとって聞く内容が[i+2]以上の場合が多いからです。わからないものはいくら聞いてもわかるようになりません。たとえば私はロシア語がわかりませんがロシア語の会話をテープで10000回聞いてもまだわからないでしょう。習得は起きないからです。 つまり習得のための教材としては内容が8割くらいは理解できるもので、状況や言語外の情報によって残りの2割が想像がつくようなものを選びこれを大量に聞いたり、読んだりすることが大切だということです。

また英語のレベルが低い人が留学しても思ったような成果が得られないのも留学して聞いたり,読んだりする英語が難しすぎて習得が起きないからです。留学は英語のテレビや新聞、雑誌の内容が8割くらいできるようになってから行くのが最も効果的です。それ以下の場合は結局現地の語学学校に入って学習者用にやさしくしてある教材で学ぶことになるのですから、日本の英語学校に行くのと変わりはありません。「外国に行けば英語は自然にマスターできる」というのはウソです。

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