103)3-3. 「習得」(情意フィルターの仮説)
「習得」に関するもう1つの大切な原則は情意フィルターの仮説(the Affective filter hypothesis)です。これは以前「間違えを恐れないことが大切」というタイトルで説明したことです。つまり「不安感の低い者ほど言語の習得は進む」ということです。
幼児が英語を習得していく過程では誰も幼児の間違えなどとやかく言いません。しかし大人になると自分が間違えた英語を話すとまわりから笑われたり、バカにされたりするのではないかと思い緊張します。すると情意フィルターがあがり、英語が自然に習得されるのを妨げてしまうのです。
「幼児の言語習得過程」にも書いたように幼児でも始めから正しい英語が話せたわけではないのです。何度も何度も間違えて、また正しい英語に触れる中でしだいに正しい英語が話せるようになったのです。最初から間違えずに英語を学ぼうなどというのは不可能ですし、そうしようとすることは言語習得にとってマイナスです。
日本では長い学校教育の中で間違った英語を話したり、書いたりすることが悪いことのような指導をされているので一般に情意フィルターが上がってしまっている方が非常に多いようです。
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