12)5-12. ドラマメソッド(9):脚本のセリフでは感情がおきにくい
前回、感情はコミュニケーションによって起きるというお話しをしました。簡単そうですがこれが意外に難しいのです。なぜなら脚本の役を演じる場合はセリフが決まってしまっているのでコミュニケーションが新鮮なものになりにくいからです。
脚本のセリフを言う時と比べると即興劇の場合ははるかに感情は起きやすくなります。相手が何を言うかわからないのですから、相手の言った内容や話し方によって私達はいろいろな感情を持ちます。自分でも好きなことが言えますから言葉に自然に感情が入ります。それが相手に次の感情を引き起こします。
しかし脚本を使う場合は相手の言うことは初めからわかっています。知っているものを聞いても、意外性がとぼしいですから感情がおきにくいのです。
また自分のセリフも決まってしまっているので感情が入りません。そこには本当のコミュニケーションが成立しずらいのです。
私のやった演技法は最初はずっと即興ばかりでした。即興の中で自由自在に感情が感じられるようになって初めて脚本を使って練習します。そして脚本を使う時は特別なやり方を使います。そしてこのやり方こそが「脚本のセリフを使って即興劇のような本当のコミュニケーションをする」技術なわけです。
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