15)5-15. ドラマメソッド(11): Talk and Listen(2)
前回Talk and Listenの基本形について説明しましたので、今回はその応用形について説明します。
1.hard of hearing
これは相手が話しかけてきたことを必ず聞き返して、2度言ってもらう練習です。hard of hearingというのは「英語で耳が遠い」ということを意味します。
例えば前回の例でFatherがDaughterにHow about this boy?と話しかけてきた時に、Daughterは必ずpardon?とかWhat did you say?とか言ってFatherに同じことを2度言ってもらうようにします。
逆にDaughterが I don't like a man who works hard とFatherに話しかける時はFatherが聞き返し、Daughterが同じことを2度言います。
2度目に話すときは相手にはっきりわかるように自然に声も大きくなると思います。相手に伝えたいという気持ちが強まるからです。
この練習はキャッチボールにたとえれば、確実に相手にボールをなげる練習をするのに似ています。 また自分のセリフを脚本を見ないで何度も話しますからこの練習をしているうちに自然にセリフを覚えられるのも良いところです。
2.Repetition
これは相手が話しかけてきたことを主語を変えてくりかえす(repeat)する練習です。
例えばMotherがDaughterにI don't understand what you say. と話しかけると、DaughterはYou don't understnand what I say.と主語を変えてくりかえします。
くりかえす時はもちろん脚本を見てはいけません。相手の話している英語をよく聞いてくりかえします。
相手の言っていることがわからなけらば、くりかえして言えるまで何度でもゆっくり、短く区切って言ってもらいます。
この練習の良いところはくりかえすために相手のセリフを集中して聞きますから聞き取りの練習になるところです。また相手のセリフを完全に理解してから次の自分のセリフを話すのでコミュニケーションを確実にすることができます。
こればいわばキャッチボールにたとえれば確実にボールをキャッチするための練習です。
Talk & Listenの基本形とこの2つの応用形を練習しているうちに生徒は脚本を見ないで何度も自分のセリフを話し、相手のセリフを聞きますから自然に脚本の英語を覚えてしまいます。そしてそれぞれの生徒に自分のセリフをバラバラに覚えさせるよりも、はるかに楽しく、自然に英語を覚えることができます。
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