09)5-9. ドラマメソッド(6):行為の目的
リアリティのあるアクティングをする為に「役作り」と同じくらい大切なのが、自分が演ずる役がやろうとしている「行為の目的」を明確にすることです。この「行為の目的」は英語ではpurpose, objective, intention, goalなどといろいろな名称で呼ばれますが、要するにドラマの状況の中で「自分は何をしようとしているのか?」ということです。
私達は脚本を読む時に、自分の演ずる役の個々のセリフや、動きにとらわれがちです。しかしセリフや動きをバラバラに考えるのではなく「そうした行為を全体として見ると、いったい自分は何をしようとしているのか」ということを考えることこそ重要なのです。そしてアクトする時はとにかく「自分の目的を実現しよう」とすることを考えて演じれば、個々のセリフや動きは自然に明確な意味を持ってきます。
英会話の学習についても、英語の個々の表現を覚えることも大切ですが、同時に「そうした表現を組み合わせて何を実現しようとしているか」という言葉の裏側にある機能(Function)を考えることも大切です。 「相手をおだてて何かをやってもらう」「相手の注意をそらして自分の間違いをごまかす」などの「行為の目的」によって自然にどんな言葉をどんな調子でどんな身振りや目つきで話すのかが決まってくるのです。
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