131)31-05.ネイティブスピーカーは表現を覚えているのではないか?
私の意見
私はネイティブスピーカーは膨大な量の英語を覚えていて、聞いた表現が自分の覚えている表現の中にあるかどうかということで「それは言う、それは言わない」と判断しているのではないかと思います。
前回説明した"I'm sorry to be late ."がおかしいと思うのは、みんなが"I'm sorry I'm late."と言っているので「なんか変だな」と思うのではないでしょうか? 日本人にはわからない複雑な冠詞や前置詞の問題もネイティブスピーカーは何も考えずに答えられます。これなどルールで説明していたらとても説明しきれないでしょう。
私は表現やストレス、イントネーションなどで迷うことがあると、ネイティブの先生に「あなたはどういうか?」と聞くことがあるのですが、彼らは、私が質問した表現を何度も口に出して確かめています。それはあたかもその表現が自分の脳というコンピューターにどうインプットされているかどうか検索して確かめているように見えるのです。
ネイティブが文法的には説明できなくても瞬時にある表現が正しいかどうかわかるのは、過去に聞いたり、読んだりして覚えている表現にその表現が含まれているかどうかということで判断しているのではないかというのが私の仮説です。
Tさんの意見
時々お書きになったものを拝見し、教わることが多く感謝しております。 厳密に言うと「文型的」には正しいと言う事だと思います。「This is a desk.」も文型的には正しく、「文法的に」は多くの状況で間違った英語だと言えます。文型以外の他の文法要素に合わないからです。つまり殆ど誰もこう言う英語を使わない訳です。(フィニックスさんは勿論ご存知でしょうが、他の方達がどうしてもGrammar 即ちSyntaxであると言う間違った前提で話されるもので。文法と聞くと、悪しき学校文法に結び付けて考えてしまう様です)
ネイティブスピーカーは自己の作ったメンタル・ディクショナリーを引きつつそれが正しい表現かどうかを調べている訳です。所謂Lexiconで、これも勿論文法の一つです。この自分が生活上作り上げたメンタル・ディクショナリーもランダムに単に慣れで積み上げられたものではなく、ちゃんとした法に則って整理整頓がキチンと出来ている訳です。ですから瞬時に自然不自然が分かるのでしょう。
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