”「習得」(i+1の仮説) ←に対して質問です。
僕は今留学中です。聞こえるもの、見るもの全てが英語です。そこで、この項目を見て少し落ち込みました。なぜなら、たぶん僕は英語のレベルが低いレベルだからです。たぶん2割~4割以下といったところです。高校でも下のレベルです。それでも英語が好きだし、日本の教育に楽しさを感じなかったので強制的な空間を求め、一年間のホームステイという選択をしました。まだ始まったばかりであまり聞き取れず、喋れず四苦八苦の毎日ですが、楽しくてなんとか過ごしています。”
A.私の回答
私が言いたいのは海外に行って暮らせばそれだけで英語ができるようになると思うのは甘いということです。海外に行くこと自体はとてもいいことです。大切なのはそれを有効に生かすことです。
海外やフィニックスのような英語の環境にいていいことは生きるためには英語しかコミュニケーションの手段がないということで必死になることです。 「あまり聞き取れず、喋れず四苦八苦の毎日」というのが大切です。必死な分だけ集中して聞き、またカタコトでも英語を話そうとしますからコミュニケーション能力を高めるのには有効です。
1年間のホームスティはけして無駄ではありません。大切なのはそれを有効に生かすということです。
]]>現在、話すための英文法を、これだけを徹底的に覚えており、ほぼ9割方覚えられました。 さらにこれを完璧にし、英会話入門の暗記を始めようと思っております。
目標として、タイム、エコノミスト等の雑誌がすらすら読め、英語ですらすら思いど うりに話せるようになりたいと思っております。現在TOEIC740点です。
そこでなんですが、大変情けない話なんですが英会話入門の暗記と英会話、又は、ビ ジネス英語の暗記をしようか、それとも、 英会話入門の暗記と、茅ヶ崎の時事英語教本の応用編(2000語じゃない例文の 載っている方)を丸ごと覚えてしまってジャパンタイムズを読もうかどうか迷っております。
本当は、これくらい全部やるのが、当然なのかもしれませんが。 あまり、いろいろと手を出すよりご指摘のとうり 同じ本を繰り返し何度も暗記したほうが良いと思いますのでどちらか片方ぐらいが自分の限界かと思います。 本当にお忙しい所、大変あつかましいですが アドバイスの方お願いいたします。
A.このホームページができてからあまり時間がたっていないのにもう「話すための英文法」をほとんど覚え終わっているということは相当勉強されていると思います。
次に覚えるものは自分が興味を持てるものをやればいいと思いますが、タイムやエコノミストが読めるようになりたいのであれば、茅ヶ崎方式の方をおすすめいたします。 英語を覚えるということは英語の学習の基本になることですから、これからもコツコツと続けていって下さい。
そのほかに英語を読んだり、聞いたり、書いたり、話したりということをいろいろとやってみてください。 要するに脳というコンピューターに英語という言語をいろいろな形で何度も通してやることが大切です。そのうち脳の中の英語の回路がだんだん増えてきます。
資格試験を目標にするのもいいと思います。もしも英検準一級にまだ合格されていないのであればまずこれを目標に勉強すると良いでしょう。またTOEICは800点を皮切りに900点がとれるまでがんばってみてください。
]]>実は、私は通訳者になりたくて、英語を勉強 しようかと思っております。 と申しましても、現在31歳という年齢で、「いったい何年勉強すれば通訳者として仕事ができるように なるのだろうか?それが達成できないのであれば、学校に通うのは無駄なのでは?」 と考えてしまい、なかなか第一歩が踏み出せません。 もし、学校に通うとしても、週2日が限界なのですが、 実際に、初心者からはじめて、何年くらいで通訳者並みの英語力が身につくものなのでしょうか?
本人の努力次第であることは解っているのですが、平均的にみて、どの程度の時間が必要なのかを知りたいと思い、メールさせて頂きました。 非常にくだらなく、英語学習には関係のない質問で申し訳ありませんが、ご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。
A.通訳になる為にはどのくらいの英語力が必要かという質問だと思います。ここで言う通訳というのは、いわゆる逐語通訳や同時通訳のことだと考えます。(通訳ガイドというのはまた別の仕事です)
私は通訳ではありませんから、お金の取れる通訳をやれと言われてもできません。しかし、通訳になる為の訓練を受けたことがありますから通訳になるためにはどの程度の英語力が必要かということは想像できます。
英語の資格試験で言えば最低英検1級、TOEICは900点以上、TOEFLは600点以上は確実に必要だと思います。このくらいの英語力があって初めて通訳になるためのスタートラインに立てると考えていただいて結構です。
さらにその上で通訳になる為の特殊な訓練が必要です。逐次通訳の場合にはメモのとり方が大切です。通訳はとにかくお客さんの話していることを一語一句正確に訳さなければならないのですから大変です。
お客さんの話していることを全部を書き取るなどということは時間が足りなくてとてもできませんから自分なりに工夫した記号や略字を使うのですが、それでも数字や固有名詞は書き取らなくてはなりません。私の先生はメモをとる練習のしすぎで腱鞘炎になったと言っていました。
自然科学、社会科学、医学、コンピューターなどの各分野を勉強し、かなり細かいところまで専門的な知識を持ち、これを英語と日本語できちんと説明できなくてはいけません。普通の日本人が持っている程度の知識では全然足りません。
英語の勉強だけでなく、日本語での幅広い、かなり細かな専門的な勉強も大切なのです。 訳した日本語や英語は正しくなければなりません。英文和訳の場合は少なくとも訳した日本語が正しいことはわかりますが和文英訳の場合は訳した英語が間違いなく正しいと自信が持てるところまでいくのは相当の量の英語を知っていなければなりません。
英語のネイティブスピーカー、それも専門知識のあるインテリの前で専門用語を駆使して難しい概念を英語で説明しなければならないのですから冷や汗ものです。逐次の場合は聞いている人も英語と日本語の両方を聞きますから、いいかげんなことを言うとすぐバレてしまいます。
同時通訳の場合はさらに別のことを話しながら、次に訳すべきことを聞いて理解しかつそれにあたる他の言語の表現を思いつかなくてはなりません。これには相当な訓練が必要です。この込み入った作業を同時に進行させていくわけですからまさに神業と言っていいと思います。
日本語と英語では語順が違いますからさらにやっかいです。例えば日本語は最後まで聞かないとその文が否定文だということがわかりません。ところが英語は否定の言葉は文頭にきますから日本語で聞いた順番に英語に訳していくと最後まできて全く反対のことを言っていたなどということがおこりうるのです。
英語と日本語のバイリンガルだからといって通訳になれるとは限りません。鋭敏な反射能力がない人は通訳には向かないと思います。通訳は才能があって初めてできる仕事なのです。英語と日本語が両方できてその上で特殊な訓練をし、その中のほんの限られた人のみが通訳になれるというのが現実です。
プロになってからも通訳はものすごい量の勉強をします。現場に出る前は通訳をする分野に関する膨大な文献を読みこなし、特殊な語彙を覚え、何を言われても適切に訳せるよう準備をしなければなりません。
以上から通訳というのがそんなに簡単にはなれない仕事だということがおわかりいただけたかと思います。でもその難しい仕事に挑戦することはすばらしいことだと思います。その為にはまず英語力をしっかりつけなくてはなりません。
気をつけなければいけないのは通訳学校に行けば通訳になれるわけではないということです。通訳学校で学べるのは、通訳技術と先輩から教えてもらうコツのようなものだけです。英語力をつけるのは自分でやらなければならないのです。 英語力をつけるという目的のためだったら通訳学校よりフィニックスの方が良いと思います。フィニックスは英語力をつけるための学校ですから。
そして英語力をつけた上でさらに通訳に必要な特殊な技術を学ぶ為に通訳学校へ行けば良いのです。 週2日学校に通うだけの英語の勉強では20年英語の勉強をしても通訳にはなれないでしょう。
]]>もうすぐ卒論を執筆しなければいけない時期に来ていまして、インターネットでいろいろ検索していましたら、このホームページをたまたま見つけ、もしかしたらご相談にのっていただけるかと思い、メールしました。
私は卒論のテーマを、一応、H.E.パーマーを考察する方向で考えていまして、いろいろ本を読んでみると、彼が語学教育研究所の初代所長をされていたということを知り、語学教育研究所の方に連絡を取れば、何か資料を貸していただけるのではと考えていました。 もしよろしければ、どうやって語学教育研究所に連絡を取ればよいか、教えていただけないでしょうか。
また、パーマーについて詳しく書いてあるような文献がなかなか見つからないのですが、何か良い文献があれば教えていただけませんでしょうか。
私は、将来英語教師になろうと思っているのですが、教員採用の試験を受けるたびに、自分の英語力のなさに驚かされています。先生のホームページに書いてある学習方法は、非常に分かりやすく、がんばって英語を勉強しようという気になりました。これからも英語を少しでも自分の身につけられるように努力したいと思います。 お返事よろしくお願いいたします。
A.私は語研に所属していますが、時間がなくてほとんど語研の活動には参加していませんので、あまりお役にたてません。
語研の連絡先は 財団法人語学教育研究所
〒113-0033 東京都文京区本郷1-35-28 メゾンドール本郷901号室 TEL03-3818-9648 FAX03-3818-9885 です。
パーマーの著書で私のリストにのっているものをいくつかあげます。
Palmer.H.E
(1917)
The Scientific Study and Taching of Languages, London: George G.Harrap.
(1924)
Memorandum on Problems of English Teaching in the Light of a New Theory, Tokyo: IRET, Kaitakusha. (語学教育研究所編、1924、『英語教授法事典』開拓社)
A Grammar of Spolen English, Cambridge: W.Heffer
(1925)
English through Actions, Tokyo: IRET, Kaitakusha
(1933)
Second Interim Report on English Collocations. (Reprinted, 1966, Tokyo: Kaitakusha)
(1938)
A Grammar of English Words, London: Longmans.
(1939) A Grammar of Spoken English, Cambridge: W.Heffer & Sons
]]>つまり、話すための英文法に書いてある日本語の文章を見る、あるいは日本語(読む、あるいは聞く)→イメージ化 →(発想や概念==英語)→英語(話す、あるいは書く)という行為である、と理解してよろしいでしょうか。確か、國弘正雄先生も、著書の中で、通訳するという行為は、このような> 行為である、と述べられていたと思います。
もし、わたしのこのような理解が正しいとすれば、話すための英文法に書いてある日本語の文章を読んで、それを直ちに英語で言うという勉強方法を、「英語で考える」ための練習として実効あるものにするためには、常に、日本語(読む、あるいは聞く)→イメージ化というプロセスを経なければならないはずです。しかし、これは容易な事ではないと思います。
私の回答
私は国広先生の「英語の話し方」新版を読みましたが、国広先生と私の考えはほぼ同じです。違いがあるとすれば、国広先生はひたすら音読して自然に覚えるのに対し、私は意識して英語を覚えようとするところだと思います。
I さんの質問
私は、法律の条文を暗記する方法として、一つ一つの文言をイメージ化して結びつける方法が良いときき、実行してみたことがあるのですが、条文の文言を一つ一つイメージ化するのは非常に困難な作業でした。特に、「権利が消滅する」、「質権を設定する」等のように、法律的な状態の変化等の抽象的な概念をイメージ化するのは困難でした。
私自身は、難しい言葉は、その言葉として記憶しているとしか説明がつきません。大脳生理学的に言うと、右脳記憶ではなく左脳記憶とでも言うのでしょうか。
私の回答
英語にはイメージ(絵)にしやすいものと、しにくいものがあります。目でみれるもの動作などはすぐイメージにできますが、抽象的な概念はイメージにしにくいのです。しかし、抽象的なものも日本語としては自分なりにこんなものだという概念になっていると思います。
「質権を設定する」の意味することは絵にはならなくても日本語ではどんなことを意味するかはわかっていると思います。法律などはもともとが外国語でそれを日本語に訳しただけですから英語にもほぼ同じ概念はあるのです。ですから法律などは日本語で概念として理解しているものを英語ではどういうのかというやり方で覚えてしまうのがてっとり速いと思います。
その車に質権を設定する establish the right of the pledge on the car. と覚えれば他の場面でも使えるでしょう。
I さんの質問
ちょっと脱線してしまいましたが、私が、話すための英文法に書いてある日本語の文章を見る、あるいは誰かに読んでもらって、直ちに英語でスラスラ言う練習方法に対して危惧しているのは、次のような点です。
まず、話すための英文法に書いてある日本語の文章というのは、市川先生が書かれた文章であって、もちろん私自身が考えた文章ではない訳です。しかも、イメージ化が困難な場合には、それらの文章を、そのままそれらの文章として記憶して、英語と結びつける作業を行うことになるのではないでしょうか。
それよりも、話すための英文法に書いてある日本語によって一通りの意味を理解した後は、例えばアメリカ口語教本にあるようにイラストを見ながら英文を変形させる、という練習方法の方が、英語で考えるという練習には有益なような気がするのです。 話すための英文法に書いてある日本語の文章を見る、あるいは誰かに読んでもらって、直ちに英語でスラスラ言うという訓練は、通訳になる人の練習にはいいと思うのですが、英語で考えるという練習にはどうなのでしょうか。
私の回答
英語の勉強は英語を覚えることですから、日本語をいっさい使わずに会話のスキットやエッセイ、新聞の記事、物語等を英語で覚えていってももちろんいいわけです。英語の意味を英語の定義で覚えることもいいでしょう。
イメージできるものは、アメリカ口語演習のように絵をみて変形練習するのもいいと思います。トータルフィジカルリスポンスのように動作と英語を組み合わせる方法もあります。したがって日本語をいっさいはさまずに英語を覚えていくということももちろん可能です。
一方では「英語で考える」ためには英語はすべて英語で理解すべきであるから、日本語は一切排するべきであるという考え方もあります。 しかし、なにもそこまで厳密にすべてを英語だけでつみあげていかなくても、日本語で知っている知識や概念をある程度使って英語を覚えていうというのも悪いことではないのではないかというのは私の意見です。
松本亨先生も「これを英語で何というか」とか「英作全集」などで日本語を英語でなんというかというやり方を使っていますから、すべて英語だけで理解せよと主張されているわけでもないと思います。 最初は日本語とくっつけて英語を覚えていても、覚えてしまった英語は1人歩きを始めます。
私も話すための英文法で覚えた構文を無意識で使うことがありますが、日本語はもう全くでてきません。英文が定着してしまって自分のものになっているからです。日本語と英語をあわせて覚えても英語のまま理解したり、英語で直接表現できるようになれますからあまり心配されないことです。
]]>Misterは、「英語を書くほうが話すことよりやさしいと思っている人は英文法を使って日本語から英語に訳して話したり、書いたりしている人です。訳すと時間がかかるので、考える時間がとれる「書く」の方がとっさに話さなければならない「話す」よりも楽に感じるのです。」「これは間違った方法です。その都度日本語で考えて作って英語を話したり書いたりしているのでは時間がかかりすぎますし、変な英語になってしまう可能性があります。英語は正しい表現を覚えておいてそれを応用しながら話したり、書いたりしなければいけません。その方が安全だし、確実だからです。」と仰っています。
更に、「私のおすすめの英語教材」の中の「2.必ずものになる話すための英文法」のところで、 「決して日本語から英語に訳すのではありません。日本語を見たらそれに対応する英語がすぐにスラスラ言えるようになるまで完全に覚えます。」と仰っています。
しかし、この「日本語を見たらそれに対応する英語がすぐにスラスラ言える」ということと、「その都度日本語で考えて作って英語を話す」ということの区別がつかないのです。 私は、「日本語を見たらそれに対応する英語がすぐにスラスラ言える」というのも、結局は、「その都度日本語で考えて作って英語を話す」ということを高速に行っているだけのような気がするのです。これらはどのように違うのですか。もう少し、詳しく説明して頂けないでしょうか。
私の回答
「日本語で考えて英語で話す」ということは 発想や概念==日本語→(翻訳)→英語 と考え翻訳の部分を練習するということです。発想==日本語の部分はもうできていますから、翻訳の部分を練習しましょうという方法です。
これに対して「英語で直接発想する」ということは 発想や概念==英語 をダイレクトに結びつけることです。発想や概念と英語は結びつきがないか、結びつきが弱いですから、何度も英語をくりかえして覚えてその結びつきを強いものにしてやる必要があります。
方法としては発想や概念が明確になものを英語でどういうかを何度も声を出してくりかえして覚えるということです。 私は発想自体は日本語でも英語でもなくイメージのようなものでやっていると思います。違いはそれを言葉で表現しようとしたときに一度日本語にして英語に訳して表現するかそれとも英語でどう言うかをすでに知っていてそのまま表現するかの違いです。
話すための英文法を勉強する時に大切なのは「英文の例文を覚える」というところです。本当は日本語の部分はなくてもよいのです。ただ英語と結びつける概念が不明確だと「発想や概念==英語」の結びつきが弱まりますから、いちおう英文の意味は大体こういうことだということをわかっておくために日本語の助けを借りるにすぎません。
ですから概念がはっきりしているものに関しては日本語は必要ありません。本当は日本語を一切はさまずに概念自体を英語で理解できたほうがのぞましいのです。英英辞典を使いなさいということはそういう意味です。
日本語から英語に訳す方法と英語で直接発想する方法のもうひとつの違いは日本語から英語に訳すという方法は「単語を文法で組み立てて英語にするという方法」をとりますが、英語で直接発想する方法は「例文をたくさん覚えておいてその一部のみを入れ替えたり、多少変化させて英語を話したり書いたりする」ということです。
翻訳法はバラバラの単語を覚えそれを文法の知識で組み合わせて文を作るのに対し、英語で直接発想する方法はまるごと英語をセットで大量に覚えてそれを多少変化させて表現します。
このセットでというのが大切です。単語レベルのものを文法でいちいち作っていくのでは作業が複雑になり時間がかかりますが、ある程度の長さのものをセットで覚えておけば英文を作る作業はずっと簡単になります。したがって「速く処理ができる=とっさに話せる」し、使われている表現をそのまま覚えていますから間違いもずっと少なくなるのです。
理解のために文法を理解したり、日本語での意味を知っておくことは概念を理解するために有効ですが、それだけで満足しては英語はいつまでたっても上達しません。理解したあとに英語をしっかり覚える(発想や概念と英語を結びつける)努力をしないと英語のまま理解できるようにもならないし、英語で直接言いたいことを表現できるようにもなりません。
]]>したがってなんとか英語を使う機会を作らなければいけません。英語で日記をつけるとか、英語のチャットに参加するとか、友達と英語で話をするとか、とにかく自分で工夫して、英語をアウトプットする機会を確保しなければいけません。
私達の学校は校内を日本語禁止にして英語しか話せないようにしています。それは英語を使う場を確保するにはこの方法が一番良いからです。ですから生徒さん達は英語を話すことに慣れているので受容語彙と使用語彙のギャップが少ないのです。
一度どこかで使ったものは、次の機会にも使えますから、いろいろな英語を使う機会を多くもてばもつほど、使える英語の表現も増えていきます。
]]>
日本の英語教育は訳ばかりやらせて英語をまともに覚えさせていないので、ほとんどの英語はうろ覚えの状態です。自信を持って正しいと確信して使える表現など数えるほどしかありません。これでは英語で表現しようと思ってもできるわけがありません。
英語を大量に聞いたり,読んだりしていくと英語に慣れますから受容語彙を増やすことはできます。しかし、使用語彙として使えるようになるには、そうしたあいまいなレベルの記憶では十分ではありません。
適切な表現がとっさに口をついて出てくる為には、その英語を完全に暗記していつでも使えるようになっていなければなりません。私は「石につまずいても出てくる表現」などと言っています。
完全に暗記したってなかなか使えるようになれないのですから、うろ覚えの表現などというのは使えるわけがないのです。 英語がなかなかでてこない人はこうした「きちんと英語を覚えていく訓練」が足りないことが多いです。
]]>「文章の意味が直接英語でわかる」ためには背景知識が大切です。人間は文を聞いたり読んだりすると新しい情報が自分が今まで持っていた背景知識のどの部分にあたるかを考えながら理解します。
この背景知識の重要性については認知心理学は次のような説明をしています。人間の記憶には短期記憶と長期記憶の2つのレベルのものがあると考えられています。そして人間が聞いたり、読んだりした情報は一旦短期記憶の中に入ります、次に長期記憶としてすでに記憶されている知識(背景知識)の中から短期記憶に入ってきた情報を理解するのに役立ちそうな知識(スキーマ)を持ってきて入ってきた情報を再構築しながら内容を理解するというのです。そして理解したことをもとにさらに次にどんな情報が入ってくるかを予測し、それによって次の情報処理をすすめようとします。
入って来た情報に関する背景知識がないと情報を再構築できないので、文章全体の言っていることが理解できずわからなくなります。逆に背景知識のあるものを聞いたり、読んだりすると多少わからないことがあっても背景知識で補いながら理解することができるので内容がよくわかるのです。
日本の英語のニュースは理解できるのに、アメリカのCNNは理解できなかったり、イギリス文学やアメリカ文学が難しいのは英語の問題より背景知識がないことが原因のことが多いです。
]]>「文の意味が直接英語でわかる」ということは単純なものと複雑なものがあります。単純なのは「きまり文句」です。これは知っていればわかります。例えばWhat do you do? は「お職業は?」という意味だと知っていればこの表現を聞いた時すぐわかります。
what が疑問詞でdoは現在形で使う助動詞でといった分析をして理解しているわけではないと思います。この表現は全体で「お職業は?」という意味だと覚えているからWhat do you do? と聞いた時に意味はすぐわかるのです。
きまり文句として覚えてしまっているものは高速処理が可能です。私達が日常使う言葉のほとんどは「覚えてしまっている」というのが本当のところだろうと思います。ですからよく使う文というのはそのまま覚えてしまうと良いのです。
複雑なのは「きまり文句」以外の文です。これは無制限にありますからすべての文を全部覚えていると考えるのは合理的ではないと思います。しかし聞いた文をその都度分析して理解しているわけでもないと思います。理解するのは一瞬でできるからです。
どうやら人間のは意味を理解しながらたくさんの英語を覚えていくと脳の中に英語のの回路ができて、初めて聞いた文も理解できるようになるらしいのです。たくさんの文を覚えて、その表現を使うという試行錯誤を何度もやっているうちに英文法や語法が脳にインップットされて無意識でも新しい文が理解できたり、新しい文を作って表現できるようになるのです。
どうしてそんなことができるか脳の構造はどのようになっているのかということは言語学の対象となる謎です。チョムスキーをはじめとする言語学者達はが生成文法と呼ばれるいろいろなモデルを使って「こんな仕組みになっているのではないか」といろいろ考えていますが本当のところはまだよくわかっていません。
しかし英語の文を分析せずに理解できるようになるためには英語を何度も脳に通し、英語の文をたくさん覚えていくことが有効なことは私の経験上からも確実です。
]]>抽象的な概念はイメージがすぐ思い浮かびません。その場合でも日本語では理解していますから、最初はまず英語―日本語―概念と日本語を通して英語と概念を結びつけてもいいと思います。例えばdemocracy=民主主義という具合にです。
しかし、一旦democracy と概念を結びつけることができたら日本語の方は忘れるようにします。この日本語を忘れるというために役にたつのが英英辞典の英語の定義を覚えるという方法です。これについては「英英辞典で表現をつける方法」の章でくわしく説明してうます。
認知心理学によるとこれらイメージや概念と結びついた語彙は脳の中ではバラバラに記憶されているのではなくスキーマというカテゴリーごとに整理されて蓄積されているといわれています。例えば家族というスキーマには、mother, father, brother, sister, son, daughter, などの一連の語彙が入っています。
また接尾辞や接尾語などで整理される場合や、同意語などで整理されている場合もあります。これらスキーマは英語を理解し、表現するためにはとても重要な役割を果たします。したがって単語はバラバラに覚えるのではなくスキーマという引きだしの中にきちんとしまっておくことが理解のためにも表現のためにも必要です。
]]>よくネイティブスピーカーの後に同じようにくりかえして言うことはできるのだけど、意味がわからないという方がいますが、それは英語とイメージや概念が結びついていないためにおこることです。
くりかえして言えてもその意味がわからなければオウムと同じです。「わかる」「理解する」ことなしに言葉は意味を持たないし、使えないし、すぐ忘れてしまいます。
これまでの英語学習はこの「わかる」「理解する」ということを日本語にたよってやってきました。英語を日本語に訳してそして理解するという方法だったのです。しかしこれからは英語で理解できるようにならなければいけません。
この「人間は言語をイメージや概念としてどう理解しているのか」という問題を主にあつかっているのは認知心理学という学問です。現代の応用言語学はこの認知心理学に大きな影響を受けています。その内容はかなり複雑で「単語の意味がわかる」「文の意味がわかる」「文章の意味がわかる」の3つのレベルで違った説明が必要です。それぞれについて説明します。
]]>英語を直接理解するということは英語を日本語に訳さずに聞いた瞬間に理解できるということですが、英語を聞いて理解するにはまず英語を聞き取れなければなりません。英語を聞き取れるためにはどんなことが必要なのでしょうか?
まず英語が聞き取れるためには英語を正しい音声で覚えていなければなりません。「英語が聴き取れるということは、頭の中に記憶されている英語の音声と、耳で聞く英語の音声が一致する」ということだからです。 逆に頭に記憶されている音声が英語の正しい音声と違うと、正しい英語の音声を聞いてもわかりません。
正しい英語の音声を覚えていないと聞き取れない例として私の失敗談をひとつお話しましょう。 知人のユダヤ人がイスラエル大使館に行きたいというので、大使館に電話で問い合わせて道順を聞いていた時のことです、相手がしてくれた英語の説明の中に「タヌ」という言葉がでてきたのです。私はその意味がわからなくてWhat does a 「タヌ」mean?と聞きました。相手は「そんなことも知らねーのか」といった口調で説明してくれたのですが、tunnelのことだったんです。私は当時tunnelは「トンネル」だと思っていましたから「タヌ」と聞いても全然わからなかったんです。
「牛乳」のことを「ミルク」と覚えていると、正しい英語の音声で「ミヨコ」と聞くと何のことかわかりません。Do you have a 「ネコ」?と聞かれても何のことかわからない人はnickel(5セント硬貨のこと)を「ニッケル」と覚えている人です。
このように英語はまちがった音声で覚えると、正しい音声の英語を聞いても理解ません。話す時にも正しい音声で話さないと通じません。だから正しい音声で英語を覚えることは英語学習の基本となる最も大切なことなのです。
日本の英語教育はこの正しい音声で英語を覚えるということをないがしろにしています。英語の音声ははカタカナで代用することが多く音声記号がまともに読める人はごく少数です。これでは英語が聞き取れるわけがありません。
読めばわかるけど、聞いてわからないという場合は英語を間違った音声で覚えている場合がほとんどです。
]]>調査によると実際のコミュニケーションの70%はこうした非言語コミュニケーション要素によるものだそうです。したがって英語を理解する時も非言語コミュニケーション要素は理解を助ける重要な道具になります。文字を見ただけでは理解できないこともイラストや写真があるだけで楽にできることも多いです。
テープ教材を使うよりも、テレビやビデオを使ったほうがビジュアルなものがある分だけ理解を助けます。また会話の中で相手の話している内容を理解している時も顔の表情や視線の合わせ方などから私達はいろいろな情報を得てそれが理解を助けているのです。
初級者のうちは英語のイメージがすぐにわきませんから、特に非言語コミュニケーションから選られる情報が大切です。できる限り言語以外の助けが得られる教材を選ぶようにしましょう。
]]>たとえば赤ん坊が小さなブロックを口に入れようとします、母親はそれを見て「健ちゃん、ダメッ!」と叫びます。赤ん坊はビクッとしてブロックを口に入れようとするのをやめます。この時赤ん坊は「ダメッ」という言葉を知的に理解しているのではなく、母親の強い言葉の調子に反応して、「これはいけないことだ」と理解しているわけです。
逆に「いい子ね」とニコニコしながらやさしく話しかければ、子供はほめられていると思ってうれしくなるでしょう。これも言葉の意味を理解しているのではなくて母親の言葉の調子に反応しているわけです。
つまり人間は言葉の意味を理解する前に言葉の中の感情的に理解し、知的理解というのは感情的理解の後に来るのが普通だということです。
この感情的理解は日本の英語教育ではほとんど考慮されていないといっていいでしょう。しかし感情的理解は言語習得にとってとても大切な要素だと思います。
私が英語の音声教材を選ぶ時その教材の音声が生きているか(自然に本当の感情が入っているか)ということが1つの基準になるのはこうした理由からです。
スペリングを覚えたり、文を文法で分解して理解する前に生きた英語の音声を聞いてその音の中に意味を感じ取らなくてはならない(感情的に理解しなければならない)と思うのです。そしてその感情とともに英語を素直に覚えていけばストレスやイントネーションなども自然に覚えられ、英語を自然な調子で使えるようにもなります。
コミュニケーションでは情報を伝えるという作用とともに感情を使えるという作用もあります。日本の英語教育はあまりに言語の情報を使えるという作用のみに着目して言語を知的に理解しようとばかりしているから楽しくないのです。
コミュニケーションには感情を伝えあうという楽しさがあることを皆さんに是非知っていただきたいです。
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