mrphnx: 2007年5月アーカイブ

 Q.2 赤ちゃんが言葉を覚える際の順序は聞く→話す→読む→書くの順番で、大人が外国語を学ぶ際もやはりこの順番に行なうのが一番効率的ということはないでしょうか? 日本の英語教育はいきなり第三段階から始めるため、後で僕のような苦労を強いられるような気がします。

A.2 おっしゃっている通り「聞く」「話す」をまずやるべきだという教授法は多数あります。こうした教授法の方が主流といっていいとおもいます。  

例としては日本の英語教授法に大きな影響を与えたパーマーのOral Method。これは私も属している語学教育研究所で多数の大学、高校、中学の英語の先生方によって教育現場への応用が研究されています。私は21世紀の日本の英語教育を変えていくのはこうした真摯な努力をされている先生方だと思います。

それから日本語をいっさい使わせないDirect Method。これはベルリッツで使われているので、ベルリッツメソッドとも呼ばれています。

私が筑波大付属中学の教育実習で使ったAudio Lingual Method, Graded Direct Methodもそうです。私は中学の英語の授業を英語だけで教えました。

Total Physical Responseは幼児が話せるようになる前に母親の指示に的確に反応できることに注目した教授法で学習者に教師の指示にしたがって動作をしていくことにより英語を身につけさせようという手法です。

実際のところ新しい教授法のほとんどは聞く、話すをやってから書く、話すに入ります。それは前にも言ったように「言語の本質は音」だからです。

私個人の意見としては学習の順番として聞けて話せるようになってから初めて書く読むを始める必要はないと思います。読む、書く、聞く、話すは同時に勉強してもかまいません。  しかし強調したいのは言語とはつづりの前に音があって、これこそが大切だということです。

英語を覚えるとは「正しい英語の音を覚える」ということです。最初に覚える時にいいかげんな音で覚えると、正しい音を聞いてもその音に反応できなくなります。すなわち聴き取れないということになります。また間違った音で話すことになりますから相手に通じなくなります。これがいわゆる「ゆがんだ」英語です。 覚える時にはテープまたはCDなどの音の教材を聞いて、それと同じように発音できるように覚えていかなければダメなのです。 「言葉は文字ではなく音が主人公だということ」は語学学習の基本中の基本です。

フィニックス英語学院で教えられている
100%英語漬け教育法の詳しい説明

みなさんこんにちわ。ミスターフィニックスの英語学習相談室を運営している稲垣弘道と申します。

このサイトは日本で英語をマスターするためのコツを説明し、みなさんの英語学習に役立てていただくために英語学習法について詳しく説明するために開設いているものです。何年も英語を勉強しているのにいっこうに上達できないのはわけがあります。このサイトを読んでいただければその理由がおわかりいただけると思います。
英語は正しい勉強法で勉強すればどんな方でも上達します。ここに書かれていることは応用言語学で長年研究されてきた理論をもとにと日本において30年以上実践して効果を上げてきた究極の英語上達法です。第1章から第5章までは総論。第5章以降は各論にあたります。左の項目をクリックするとそれぞれのページが表示されます。

ここに書いてある内容についてはフィニックス英語学院の1日英語漬け体験合宿で実際に体験したり説明を受けることができます。メソッドに興味をもたれたら是非一度週末1日英語漬け合宿に参加してみてください。100%英語漬け法の楽しさが実感できると思います。

英語の学び方について質問がある方は私までメールでお問い合わせください。できる限り早くお返事いたします。


メールは question@mr-phoenix.com までおよせください。

稲垣様

 初めてメールを差し上げます。小生、現在、オーストラリアで日本語教育にたずさわっているものですが、もともと、故松本亨先生のNHK英会話の放送がきっかけで、英語に興味を持つようになり、地球の果てオーストラリアにまできてしまいました。松本亨先生のご著書の主なものは、今でも、ときどき読み返し、また、新鮮な気持ちで外国語としての日本語教育を見直したり、英語の勉強を怠けている自分にハッパをかけたりしています。

最近、ふと、松本先生の書かれたものが、まだ、販売されているのだろうかと、インターネットでさがしていたのですが、偶然、フィニックス英語学院のホームページが見つかり、その前身が松本亨英語学校であることを知りました。松本先生の英語習得の哲学がそのまま受け継がれ、実行されているのを知り、ぜひ、メールを差し上げたく思った次第です。

小生が英会話放送を聞き始めたころは、まだ、テープレコーダーには、手の届かないころで、録音しておいて、あとで繰り返し、というわけにはいかない昔のことです。それでも、(そのおかげでと言った方があたっているかもしれませんが)、必死になって勉強したことを覚えています。あのころの熱情を持って、英語の勉強を続けていたら、今ごろは、すごい英語力が身についているのにと後悔するのですが、そこは、人間の弱さ、あるところまで、達してしまうと、手を抜いてしまうのが常のようです。

それでも、大学の英米学科に入り、その後、アメリカの大学院に入学、そして、オーストラリアの大学で、23年間、すべて、松本亨先生のおかげだと思っています。もし、先生の放送を聞いていなかったら、今ごろは、日本国内で技術関係の仕事をしているのではないか、と想像したりしています。(大学受験準備の途中で、専攻予定を精密工学から英語に変えてしまったのも、先生の放送の「おかげ」だと思っています。)

こちらに来てから、数年後に、日本からの留学生から松本先生が亡くなられたことを聞いて、驚きました。これから、さらにご活躍されることを当たり前のように考えていたので、ショックでした。しかし、先生の英語習得の哲学は先生のご著書を通し、また、フィニックス英語学院のようにそれを実行される方々によって、末永く、若い英語学習者たちに影響を与え続けていくものと思います。

小生の日本語教授法にも、松本先生のお考えが、無意識に、また、意図的に、少なからず取り入れられています。

三、四年前に、日本からある女子留学生が、相談に私のところにまいりました。彼女の英語を聞いて、私は、てっきり、日本国内のインターナショナルスクールかなにかの卒業生だと思い込んでいたのですが、あとで、松本亨英語学校の卒業生だと聞いてびっくりしました。

日本の英語教育は、学習教材から言っても、教授法の点でも、小生が日本にいたころに比べると、段違いに向上しているものとは思いますが、小生の大学に留学してくる日本人学生を見ている限り、まだ、もう一歩という感じを持ちます。その中で彼女の英語を聞いて、松本亨英語学校の威力に感心したものです。

フィニックス英語学院も、松本先生のお考えを踏襲されているので、大変効果的な英語教育をされているものと思います。

大学に勤めていて、こんなことを言うと、大学の偉い先生方にお叱りを受けるかもしれませんが、大学の外国語授業は、一般の外国語学校のように授業の方法や内容に柔軟性を持たせることが非常にむずかしく、稲垣先生もご存知のように、大学の英米学科、英文科を出ても、自由に英語を話したり、読んだりできないのが普通のように考えられています。

小生は、時々、気のあった同僚には、大学で本当に効果的な外国語教育は無理だよ、と率直に話します。これは、日本でも、外国でも同じだと思います。予算の関係から最近では、会話の時間に20人以上も詰め込むことがあり、いくらがんばっても、本当の意味でのコミュニケーションというものは成立しがたいのではないかと思います。

もちろん、いろいろ工夫し、学生中心の学習に持っていく努力はしていますが、どうしても大きな制約にぶつかります。その点、フィニックスのような制度が取れるところでは、効果的な学習環境を整えることが可能なような気がします。

 今後も稲垣先生の教え子たちが、すばらしい英語を駆使して、国内外で活躍されるものと信じております。また、フィニックス英語学院の今後のますますのご発展を願っております。

加藤英司

私の先輩にあたるような方にはげましのお便りをいただいて感激しております。松本亨先生の意思を継いだ良い英語教育のためにがんばりたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。

英語を正しい音声で覚えてあり英語とイメージが結びついていれば英語で理解することは可能ですが、自分で話したり書いたりするとなると理解するレベルよりもさらに深いレベルの学習が必要です。

みなさんは語彙には受容語彙(passive vocabulary) と 使用語彙(active vocabulary)があることをご存知でしょうか? 受容語彙は、聞いたり、読んだりするとわかる表現のことです。 使用語彙は、話したり、書いたりする時に使える表現を言います。

受容語彙は使用語彙より多いのが普通です。これは母国語である日本語の場合にもあてはまりますが、外国語の場合はこの差が母国語より開いてしまうことが多いです。

日本には「英語は聞いたり、読んだりすることはかなりできるようになったのに話したり、書いたりしようと思うとなかなか出てこない。」という方がたくさんいます。なぜでしょうか?それは受容語彙を使用語彙にするための深い勉強を怠っているからです。

この章では受容語彙を使用語彙にするためにはさらにどんな学習をしなければならにのかを説明します。

私達の学校で教えている学習法は松本亨先生の「英語で考える」という学習法です。「英語で考える」と聞くと「哲学とか科学とか難しいことを英語で考えること」のように何か非常に難しいことのように誤解される方が多いので、まず私の考える「英語で考える」の定義を説明します。

私の「英語で考える」の定義

1.聞いたり、読んだりした英語を(日本語に訳さずに)イメージや概念として直接理解する。

2.話す時や、書く時は(日本語で考えたことを英語に訳するのではなく)話したいこと書きたいことを直接英語で思いついてそのまま表現する。

すなわち「英語で直接理解し表現する」ということが「英語で考える」ということなのです。 これはそんなに難しいことではありません。

皆さんだってdogと聞けば、犬と訳さなくたって犬をイメージすることはできるでしょう。「おはようございます」を考えてから英語に訳さなくたって直接”Good morning”という英語を思いつくことはできると思います。「英語で考える」とはすべての英語に関してこれと同じことができるようになることを言うのです。

この章ではまず英語で直接意味を理解するためにはどうしたらよいかを考えてみたいと思います。

これからラジオ英語講座を使って英語力をつけていく方法をシリーズで紹介していきます。私は英語学校で英語を教えていますが、ここで紹介することは私の生徒さんたちに実際にやってもらっていることです。同じようにやれば、どなたでもこの番組一本で使える英語力を身につけることができます。

まず放送をテープやMDに録音します。確実に録音するためにはタイマーを使ったほうがいいでしょう。 次に録音した放送のスキットの部分を聞いて、テキストを見ないで書き取っていきます。わからないところはテープを止めて巻き戻して何度か聴きなおします。それでもよくわからないところは自分なりに聞こえたように書いておきます。

 次にテキストを開いて、自分の書き取ったものを赤ペンで直してきます。どんなところが聞き取れなかったをメモをとっておきます。 テキストを見るわかるのに、耳で聞くと聞き取れなかったところや、 L と R の聞き分けができていないところ、またスペリングを間違って覚えていたところなどいろいろ気がつくと思います。

ディクテーションする目的は自分が今まで間違って覚えていた英語の音声に気付くことです。日本では英語の音声をきちんと覚えるということをやらせていないので多くの人は英語を間違った音声で覚えています。結果として正しい英語の音声を聞いても聞き取れないのです。

テープだけ聞くとなんと言っているかわからないのに、テキストを開いて答えを見ると「なんだこんな簡単なことを言っていたのか」と思うことが結構あると思います。それは今までまちがって英語を覚えていた証拠です。聞いた英語が正しい英語ですから今度はその正しい英語のほうをもう一度覚え直さないといけません。

余裕があればスキットだけでなく講師の先生とアシスタントの外国人の方の会話なども書きとってみるといいでしょう。次のメーリングリストでは参加者の方が毎日この会話部分のディクテーションを投稿してお互いにそのディクテーションをチェッックしています。みなさんも参加してみてください。

メーリングリスト「NHK英語会話をみんなでディクテーションしよう」

今日から国際化時代の英語学習というテーマで国際化時代にはどのような英語力が必要とされていてそうして英語力を身につけるためにはどのような勉強方法をとったらよいかということを考えます。

私は旧来の英語学習と国際化時代の英語学習では要求される英語力が違い、国際化時代には違った英語学習が必要だと考えています。

旧来の英語学習は外国の文化や先進の考えを理解し吸収することが目的でした。したがって大切なことは外国の文献を正確に日本語に訳すことだったと思うのです。しかし現代のように国際化が進み、英語が国や民族を超えたコミュニケーションの道具として使われるようになってくると違った勉強法が必要になっていると思うのです。

私は今までやられてきた英語を分析し日本語に訳して理解し、日本語で考えたことを英文法で英語に訳して話したり、書いたりするやりかたでは不都合な点がでてきていると思います。それは旧来の方法では国際化時代に要求される英語力はつかないと思うからです。

私は国際化時代の英語学習には大切なことが2つあると思います。

1.スムーズな発信

2.速読速解・聞いた英語を英語のまま理解する力

それぞれについて私の考えを述べます。

35-01. 音読とリピーティングの違い 以前このホームページで「音読の効果」を考えてみましたので、今回は音読とよく似たリピーティングの効果について考えてみたいと思います。

ここで言うリピーティングとは相手が話す英語、またはテープやCDなどを音声教材をよく聞いて何も見ないでそれと同じように口に出して言ってみる勉強方法を言います。

今日はまず音読とリピーティングを比較して同じところを違うところを考えてみたいと思います。

音読とリピーティングが似ている点は共に「発声器官を使って声を出すところ」と「日本語に訳すひまがない」ところです。したがってこうした点においては音読と同じような効果を上げることができます。これらについては「音読の効果」の章をご覧下さい。

違うところは音読は活字を見て頭の中に記憶されているその音声を再現するのに対し、リピーティングの場合は耳から聞いた音を直接再現するところです。 こうした違いはどのような学習効果をもたらすのでしょうか?

私はフィニックス英語学院TOEIC対策のクラスを教えています。そこでこのページでは、私が教えているTOEICの得点を上げるテクニックをこれからパートごとに紹介していきたいと思います。フィニックスの生徒さんは約一週間後にTOEICのテストがありますから、このメールマガジンをよく読んで、練習をつんでおくようにしてください。

 今日はTOEIC全体に言えることを総論として説明します。まずTOEIC全体に関して言えることはこの試験では「英語を英語のまま理解する力」が問われているということです。

言いかえれば「英語を日本に訳して理解しようとしてはなかなか高得点をとれるようにはならない」ということになります。それは英語を日本に訳すと時間がかかるからです。

TOEICは問題量が多く、短時間のうちに答えなければなりませんから日本語に訳して理解している暇はありません。

リスニングに関しては、英語を日本語に訳して理解していては前の文を訳しているうちに次の文が耳から入ってきてしまい、混乱して何がなんだかわからなくなってしまいます。

リーディングに関しては日本語に訳して読むのでは時間がなくて最後まで読みきれないでしょう。

つまりTOEICのリスニングで高得点を上げる為には、英語を聞いたらその意味するところがすぐにわかるようになるような勉強方法=フィニックス方式の学習法をとらなければいけないということです。

日本の学校教育でやられているような英文和訳のような勉強ではTOEICのリスニングで高得点をあげることはできません。

関連項目 「9.資格試験対策についてのアドバイス」の章の「1.英検とTOEICの勉強方法の違い」をご覧下さい。

日本の構想報告書

I さんの問題提起

 皆さんご承知のように、1月20日に総理官邸から『21世紀日本の構想報告書』が発表され、そのなかに、「長期的には英語を第二公用語とすることの国民的論議が必要。」との一文が盛り込まれましたjことは新聞などご存知だろうと思います。

その詳細は http://www.kantei.go.jp/jp/21century/index.html でネット化されておりますが、このトピを盛り上げるためにも、一応、この報告書の内容を採録させていただき、議論のネタにしていただきたいと思います。

報告書では、まず、「Ⅱ.変革強いる世界の潮流」という項目のなかで、グローバル・リテラシー(国際対話能力)の確立が不可欠であるとの状況認識を示し、具体的には『情報を自在に入手し、理解し、意思を明確に表明できる「世界へアクセスする能力」「世界と対話できる能力」が不可欠。

基本は、コンピュータやインターネットといった情報技術と、国際共通語としての英語を使いこなせること。』としております。 で、具体的提言である「Ⅳ. 21世紀日本のフロンティア」のなかで英語教育に関する言及はつぎのようなものです。

【グローバル・リテラシー(国際対話能力)を確立する】

 ★社会人になるまでに日本人全員が実用英語を使いこなせるようにするという具体的目標を設定し、修得レベル別のクラス編成、教員の客観的な評価や研修の充実、外国人教員の拡充、英語授業の外国語学校への委託などが必要。また、国、地方自治体などの公的機関の刊行物やホームページなどは和英両語での作成を義務付ける。

★長期的には英語を第二公用語とすることの国民的論議が必要。

★また、21世紀の世界に生きるための国内基盤としても、グローバリゼーションへの対応すべく、英語やインターネットを日常的に使用し、優れた外国人を多く日本に迎え、国内多様性を形成すべきである。

このような提言を作成するまでの議論においては、第1分科会「世界に生きる日本」第2回会合議において、“今日、世界の趨勢は「言語が一つになりつつある。」という状況認識が出席者から述べられ、”グローバリゼーションを今後の世界の基調と捉え、その中での日本を考えていく上において、今後の日本外交の足腰ともいうべき、情報の発信・収集能力が話題となり、特に外国語教育の在り方について議論がなされた”そうです。

【状況認識】

21世紀の世界におけるコミュニケーションの手段は、確実に英語になりつつある。デ・ファクトで英語が世界語になりつつある。すでに世界の子供の三分の二は何らかの形でバイリンガル環境に育っており、21世紀のいずれかの時点では、英語が半永久的なグローバル言語となる可能性が非常に高い。

インターネットの普及によって、「聞く話す」能力のみならず、もう一度「読み書き能力」をつける必要も出てきている。日本が今後どう対処していくかは非常に重要な問題である。

【討議内容】

 (1) アジア各国で大変な勢いで英語教育が普及しつつある、日本政府の政策としてバイリンガル教育を考えるべきである。
(2) 1億2千万の人口がおり日本の中だけで相当程度やりとりが完結しうる、また、日本語は外来語も簡単に導入できる便利な言葉である、といった要素を考えると、国民全体の英語能力の向上はなかなか難しい面もある。
(3) 日本語能力の向上も同時に重要である。
(4) バブル時代に蓄えた資産は大きく、帰国子女も以前に比べると大変多い。こうした資産を活用すべく、うまくシステム化することが必要である。
(5) 国会議員の中にも英語の上手な人が増えており、また、和合調整型の政治家を尊しとするという政治風土も変わりつつある。状況は着実に変わっていっているのではないか。
(6) 英語教育以外の外国語教育として、人口比から考えても、アジアでは中国語も重要である。

以上の報告書の内容をふまえて英語公用語化することについての私の意見を展開します。

英語を教える先生の中には「英会話力とは翻訳力であり、会話ができるようになる為には英文法で文をすばやく作ることがうまくなることが大切である」と主張される方がいます。

こうした先生は「英語は書けなければ話せない。英文法をしっかり学んで日本語を英語に訳す練習をたくさんしなさい。それを素早くできるようになれば英語は話せるようになる」とおっしゃいます。

またこの立場をとられる方の多くは「きまり文句を覚えるのは応用がきかないから無駄である。暗記では英語は話せるようにならない」と主張されます。

しかし私はこの翻訳法は英語を話せるようになる学習法としては得策ではないと思うのです。以下その理由を述べます。

Q. 英語力を効率よくのばすにはどうしたらいいですか?

A. これは英語学習者の方によく聞かれる質問です。私はこの質問には「自分の弱いところを勉強するようにしてください」と答えています。 英語ができるようになるためには、語彙、発音、文法、読解、聞き取りなどいろいろなことができなければなりません。みなさんも会話はできるけれども文法が不得意だとか、読解はできるけれども聞き取りがダメとか得意な分野と不得意の分野がきっとあると思います。効率よく英語力をのばすのであればそのうち自分の不得意なこと(弱いところ)に時間をかけて勉強するのが一番いいのです。

なぜ得意な分野と不得意な分野がでてきてしまうかというと人によって好きなことと嫌いなことがあるからです。文法が好きな人は文法の細かいことまでこだわりますし、会話が好きな人は会話の練習ばかりしています。その結果好きなことは得意になるわけです。一方自分が苦手としていること、あまり興味のないことはほとんどやりませんからその分野はますます不得意になります。文法がいやだと思って勉強しないでいるといつまでたっても文法に対する苦手意識は消えませんし、会話だけやっている人はTOEICなどのスコアも頭打ちになってしまいます。

英語というのはそれぞれの分野がおたがいに密接にかかわっています。複雑な会話をできるようになるためには文法の知識は不可欠ですし、語彙がなければリスニングもできるよういなりません。英語力がなかなかのびない方は自分が不得意になっている分野が全体の英語力の足をひっぱってしまっていることが多いです。

ですから効率よく英語力をのばしたければ、自分の弱いところから逃げずにそこを徹底的に勉強して苦手意識をなくすことが大切です。

Q. 新聞雑誌などの前面広告で「聞き流すだけで英語が口をついてでてくる」という教材がありますが、本当にそんなことは可能なんでしょうか?

A. 「この聞き流すだけで英語を吸収する方法」は言語学ではAcquisiton「習得」と言います。子供は皆この「習得」で言語を吸収しますから、原理的には可能です。 ではどんな時に習得はおこるのでしょうか?

クラッシェンという人が説明しています。 習得は現在の自分の英語力よりも少しだけ難しいものを聞いたり、読んだりするときにおこります。現在の英語力を i とすると i+1 のものを聞いたり、読んだりしたときにおこるわけです。

今の英語力以下のものを聞いていても新たな習得はないし、今の英語力よりもずっと難しい i+2以上のものを聞いたり、読んだりしても意味がわかりませんから、習得はおきません。

例えば私はヒンズー語がわかりませんが、ヒンズー語のテープを1000時間聞いたってまだわからないでしょう。なぜならそのテープは私にとって i +2 以上であり、私の耳はヒンズー語の音を雑音としてとらえ、言語として理解できないからです。

関連項目 2.「習得」(i+1の仮説)

声をだして教科書を読むといいと聞き中学の教科書を購入、 読んで テープを聞き始めました。2か月ぐらい 一日15分ー30分しています。中一から始めて今中三の本。なんとなく英語を読んだりするのが楽になった気がするのですが どなたか 音読してるかたいらしたらアドバイス ご意見を!

私は音読の一番いいところは音読している間は日本語に訳せないので英語のまま理解しようとするところにあると思います。

日本人は学校教育の中で英語を日本語に訳すことばかりやっているので、英語を読むということは日本語に訳して理解することだと誤解しています。 訳読法とはいわば中国語を漢文にして理解するのと似ています。

漢文はもともと中国語ですから中国語として頭から中国語の発音で読んで、そのまま理解していけます。それを日本人は日本語にして漢文として理解しているのです。

中国語と日本語では語順が違いますからレ点とか一二点とかをつけて返し読みをしないと読めません。英語も日本語と語順が違いますから訳して理解しようとするとやはり返し読みをしないと読めないのです。

でも音読していると訳読はできません。英語を声に出しながら日本語に訳すということは難しいからです。結果として、音読している時は英語を英語のまま理解するということになります。

Q.私は英語がうまくなりたいと思い、英会話スクールに通ったり、NHKTV、ラジオを利用したりしながら勉強しましたが、一向に上達しません。意志が弱いのか頭が悪いのか覚えたものもすぐ忘れてしまったりします。来年からは英語の専門学校に行くか、アメリカに行こうか迷っていますが、どなたかアドバイスして頂けませんか。

専門学校はとても高く、しかもどこがいいか分かりませんのでまたまたお金を無駄にすることになるか怖いです。留学はやはりお金はかかるが効果は高いと思いますが、若くもないのに海外にいくのも不安なので。。。でも本当に英語うまくなりたいです。どうか、教えてください。

 

A.英語はある程度集中的に勉強しないとなかなか上達しません。週1、2回英会話スクールに通ったり、テレビやラジオの放送を聞き流したりしている程度では全然量が足りません。そこである程度集中して勉強するために全日制の専門学校へ行ったり、留学を考えているのだと思います。

ここで注意しなければいけないのは日本で学ぼうと留学しようと、英語は自分で勉強しなければできるようにならないということです。最近英語学校に行ったり、留学すれば英語はすぐできるようになるのではないかと思っている人が非常に多いのですが、これは誤解です。「他力本願では英語はできるようになりません」で書いたように英語は努力なしにはできるようにはならないのです。

しかし、自分一人で勉強するよりも、良い全日制の英語学校に行ったり、留学すれば英語学習に有利なことも確かです。お金と時間の効率を考えながら日本での勉強と海外留学をうまく組み合わせて英語力をのばしていくのが賢いやり方だと思います。

私がおすすめするのは日本で良い英語学校に行ってある程度英語力をつけて海外の大学に正規留学する方法です。海外の語学学校に行くことはおすすめしません。

英語力が十分にないと海外の大学には入れません。そこで海外の語学学校に入学することになるのですが、ここで一緒に勉強するのは日本人を初めとする外国人の学生達です。英語力が十分でないので、英語圏にいてもうまく英語を吸収できず、結局クラスの日本人同士で日本語を話しているだけで英語は上達しなかったという例が非常に多いのです。

また語学学校の授業内容も日本の英語学校と変わりありません。フィニックスにも海外の語学学校に行っていた生徒さんがたくさんいますが、フィニックスの方が授業内容は良いといっています。 海外の語学学校で学ぶことよりフィニックスに来たほうが早く確実にあまりお金をかけずにできるようになります。そしてアメリカの大学や、大学院に入学してアメリカ人の学生と英語でいろいろな科目を勉強すればいいのです。

フィニックスにはこうした目標をもって専科生として勉強している生徒さんがたくさんおり、確実に力をつけています。そしてフィニックスで勉強してから留学した生徒さんは皆フィニックスで学んだことは留学してからも本当に役にたっていると言っています。

ただ外国に行ってみたいというあこがれに似た気持ちで留学しても英語力はつきません。日本で英語力がつかない人は海外に行っても英語力はつかないのです。

僕の息子(1歳7ヶ月)になんですけど、英語の教材どうですか?と、セールスにきます。話を聞くとさすがに営業だけあって、うまいこと言います。実際になるほどなぁと、思う所もあったんですけど、いかがなもんですかね?日本語もろくにしゃべれんのに英語はまだはやいかなっとおもうんですが。

A.最近幼児英語教育をする方が増えています。また小学校にも英語教育が導入されるようです。「発音を身につけるには子供の時が良い」など、幼児英語教育の良い点もあるのですが、同時に気をつけなければならないこともあります。それは「子供は楽しくなければ英語を学ばない」ということです。

大人は自分で「英語をできるようになろう」という意思があれば、自分で努力します。例えば毎日単語を覚えたり、テープを聴き取ったり、内容の難しい英文を読もうとします。しかし子供にこれを望むのは無理です。普段使わない言語を子供に覚えさせることはよほどうまくやらないと失敗します。子供に無理やり英語の勉強させようとすると子供は苦痛に感じ、英語が嫌いになってしまうのです。

大人に対する英語の教え方と子供に対する英語の教え方は違います。決して強制してはいけません。子供の場合は半分遊びのような中で体を動かしながら楽しく英語を学ぶのがベストです。

そうした意味で英語の幼児教育の先生は英語の先生であると同時に保育園の先生のように子供を楽しませることができなければいけません。

Q.うまく英作文を勉強するにはどうすればいいでしょうか?僕は高校生で留学志望です。一応学校で英作文の授業も選択しているのですが、内容はあまりあてにならないし、日本語を訳す授業なので役に立ちません。日常の勉強はどう進めればよいでしょうか。

A.英作文がうまくなるコツは英語の例文をたくさん暗記してそれを応用して英文を書くようにすることです。

私は「英作文」は「英借文」だと言っています。はじめから自分で英文を作るのではなく自分が知っている文を応用して書くのです。この方が間違いも少なくなりますし、自然な英語になります。

私が昔使った本としては英作文の古典的参考書にあたる「和文英訳の修業」があります。私はこの本の最初の例文の部分をひたすら暗記しました。ちょっと例文が古臭いのが欠点ですが・・・。

駿台の700選でもいいと思いますが英作文の教材としては例文が少し難しいかもしれません。

最近の高校の英作文の教科書などもよくできています。これもすべて暗記します。 いずれにしても日本語から訳して書けるようになるだけでは十分ではありません。例文をしっかり暗記して何も見なくても書けるようにしなくてはいけません。

やってみるとわかりますが、最初は英語を覚えることにものすごく時間がかかります。でもこれを続けていくと覚えるのはどんどん速くなっていきます。英文を拒否していた頭がだんだん英文を受けつけるちょうになってくるのですね。 これをやっていくと、覚えている例文が増えれば増えるほど表現力がついてくるのが実感できると思います。

英語を日本語に訳したり、日本語を英語に訳したりする練習する暇があったら一つでも多くの正しい英文を覚えるべきです。その方が英語は速く、確実にできるようになります。

関連項目 自分で作って話すと変な英語になってしまう危険があります 「自信を持って正しいと思う表現」の獲得法

フィニックスにはプロジェクトワークIIという必修の授業があって、その中で英語のスピーチをいろいろな形で練習します。これは日本人が国際社会で自己を主張するためにはスピーチをすることに慣れ、効果的なスピーチができるような練習をしておかなければならないと私達は考えているからです。

日本人は人前でスピーチをすることが苦手です。それは日本の教育ではほとんど演説ということを練習させる機会がないからです。

それに比べアメリカなどでは学校教育の中でいろいろな形でスピーチをさせることが多く、その為の練習もさかんにおこなわれています。

日本人が国際社会でなかなか理解してもらえないのもスピーチが下手だということもあるかもしれません。 私はこれから日本人が英語のスピーチをする機会はどんどん増えていくと思います。

ビジネスマンの方などはこれからますます人前でビジネスプレゼンテーションをする機会が多くなるでしょう。外国に行けばバーティーやセレモニーの中でスピーチをするように言われることも多くなると思います。

また英検1級の2次試験などにもスピーチはとりいれられていますから、英検1級に合格したい方はスピーチの練習をしなくてはなりません。

スピーチは人によってスタイルがありますし、ある程度は才能が影響します。しかし、同時にスピーチをおもしろく効果的にするためのテクニックもたくさんあり、これらを学ぶことによって良いスピーカーになれることも事実です。

私は大学のESSでスピーチセクションに所属していましたから、そこでスピーチの書き方やデリバリーの方法などを学ぶことができました。その中でみなさんのお役にたてることもあるのではないかと思いこのページを作ってみました。良いスピーチの書き方と、効果的なスピーチの発表の仕方の両面からいろいろアドバイスしてみたいと思います。

プロジェクトワークは生徒主導型のクラスです。したがって英語劇制作や特別講義のクラスでは基本的に、生徒さんがクラスでどんな内容のことをやるのか決めていきます。

たとえば、英語劇制作のクラスでは「どの劇をやるか」「配役」「演技指導」「音響・照明・衣装」なども全部生徒が決めます。(使う言語はもちろん全部英語です) これらのことをスムーズに運ぶためには当然のことながら誰かグループをまとめていく人がいなければなりません。そこでグループのリーダーが必要になってくるのです。

私はフィニックスの生徒さんにはグループのリーダーになることを強くおすすめします。リーダーは他のメンバーよりも英語を話す機会が多くなります。またクラスの時間以外にも生徒同士で集まってミーティングを持つこともあるでしょうから、英語力をのばすという点でも圧倒的に有利です。

私の場合はリーダーとクラスの前に集まってクラスの時間をどう使っていくのかを話しています。グループの中に問題がある場合にはリーダー自身が問題を解決するようにいろいろなアドバイスを与えます。

「英語で問題を解決する」これがプロジェクトワークの目的の一つでもあります。リーダーは最も重い責任を負い、解決しなければならない問題も多いですから、最も多く学び人間としても成長します。「リーダーになる」こんなすばらしいチャンスをのがす手はありません。

「私はリーダーなんかしたことがないから」とか「英語がへただからリーダーなんてとてもできない」と考える生徒さんがいますが、それは違います。 誰もがはじめからリーダーシップがとれるわけではないのです。リーダーシップは学ぶものです。そして実践の中で苦労しなければ学べません。

英語力もそうです、リーダーになって英語をたくさん使うから英語ができるようになるのです。私は「リーダーになれるかどうか」は要は「リーダーとしての重い責任を負うことを受けて立てるか」という気迫の問題だと思います。

リーダーは一番苦労しますから、一番学びます。そして一番成長し、一番自信をつけます。そしてプロジェクトワークが終わった後一番感激するのはリーダーです。同じ授業料を払っているのだから、一番学べるリーダーをやった方がいいと思いませんか?

「海外に行けば英語ができるようになる。英語学校に行けば英語ができるようになる」と考える方が多いですが、こうした他力本願の考えでは英語は上達しません。

以前、英語のインプットのところでも述べましたが、英語は努力して英語を覚えたり、読んだり、聞いたりしないと十分な英語のインプットは確保できないのです。 またアウトプットにしても自分で努力して英語を使うようにしないと英語は使えるようになりません。

確かに海外に行ったり、英語学校に行ったりすれば、日本で自分だけで勉強するより環境はすぐれていると言えるでしょう。しかし、このすぐれた環境を英語の勉強のために積極的に利用しないとせっかくの環境も意味がなくなってしまいます。

教材にしてもそうです。今では昔と違い、英語を学ぶための教材はいくらでもそろっています。ラジオやテレビの講座、テープ教材やCD教材、新聞、雑誌や洋書、外国の番組を聞いたり、インターネットで英語のウエブサイトを見ることもできます。これだけ教材がそろっていて日本で英語の勉強ができないなどということはありえません。要は教材だけあってもダメなのです。教材を使って一生懸命勉強しないと英語はできるようにはなりません。

フィニックスに来たから英語ができるようになるわけではないのです。フィニックスに来て、指導方針に従って、一生懸命努力して英語を勉強するから英語ができるようになるのです。入学を希望される方にはまずこの点をよく説明させていただいています。

ドラマプレゼンテーションのクラスは英語を使ってもらうためのプロジェクトワークの一つとしてカリキュラムに組み込まれているものです。したがって脚本を書いていく場合もすべての活動も英語のみでやっていくのでなければ意味がありません。

英語で書くことが難しいのか、まず日本語で脚本を書いて英語に訳す生徒がいますが、これはおすすめできません。 まず日本語で書くと、どうしても日本語で考えることをせざるをえません。

英語で話したり、聞いたりすることも大切ですが、同時に英語で考え、英語で発想することも大切なことなのです。日本語で脚本を書いては「英語で発想する」という大切な部分を学ぶことができません。

また日本語で書いて、英語で訳そうとするとどうしても和英辞典を使って英語の文を作ることになりがちです。こうした英語は変な英語になることが多いのです。

なにも難しい英語を使う必要などないのです、普段自分達が使っているやさしい英語で書けば十分です。その方がはるかに生き生きした脚本を書くことができます。人の言葉でなく、自分の言葉を使ったセリフを話すためにも直接英語で脚本を書いた方がいいのです。

ですから私は脚本を書く場合も全体のあらすじを考える段階から、セリフを決めていく段階まですべて英語のみでやるように指導しています。クラス内でのディスカッションもそうですが、他のメンバーと連絡をとりあう電話連絡やEメールのやりとりもすべて英語です。

学校以外のところでミーティングする場合もすべて英語でやらなくてはいけません。 先生が居ようと居まいと自分達に厳しくなってすべて英語だけでできるかどうかが、そのグループがどれだけ学ぶかに大きくかかわってくるのです。これはフィニックスが生徒さん達に毎回口をすっぱくして言っていることです。

私は時々、大学のESSの英語劇を見に行きますが、彼らが日本語で英語劇を作っているのをみて首をひねざるをえません。

ドラマメソッドの本当の良さは劇を作っていく過程を英語でやることによって英語のコミュニケーションン能力を高めることにあるのです。日本語で英語劇を作っていくのでは、セリフが少ない脇役の役者や、照明、音響、大道具、小道具、衣装などを担当するメンバーは英語を学ぶ機会がなくなってしまいます。

劇をするのが楽しいからやっているのなら、日本語で劇をやった方がいいと思います。英語劇をやる最終的な目標は英語力を向上させることだということを忘れないでください。

ラジオ英会話講座はいろいろなレベルのものがあってとてもよいプログラムですが、一つおすすめの番組はと聞かれたときは私は遠山先生の英会話入門をご紹介しています。

英会話入門は入門と言葉がついているので、初心者用の番組のような印象を持っている方が多いようですが、私はこの番組は上級者でも十分勉強になる番組だと思います。私は英語を教える立場にいるものですが、この番組から得られることは多いです。

遠山先生はドラマ、歌、なぞなぞ、ジョークなどいろいろなもの英語教育に採り入れている大変才能のある方だと思います。 現在、「ラジオ英会話」や「やさしいビジネス英語」しか聞いていない方も偏見をもたずにこの番組を聞いていただければ、そのおもしろさをわかっていただけると思います。

Q.予告された「3.英語コンプレックスの克服法」を読むのを楽しみにしておる一人なんですが・・・。(^^;;

今、僕の姪はハイティーンなんですが、彼女が言葉を機関銃の銃弾を発射するように使いだした頃、つまり3-5歳の頃のことをよく覚えています。

そりゃ、独演会でして、今日保育園で覚えたり体験したりすることを一生懸命話すわけです。むろん語彙力も表現力も限られているのですが、その早いこと、早いこと、大変なスピードで、話したものです。

ところが、今彼女は非常に人見知りして、口数も少なくなりました。幼い頃の彼女と今の彼女の差に驚くばかりです。 幼い頃は一種の躁状態であるのでしょう。

「耳からはじめる!英会話入門」にも書いてあったようですが、子どもが言葉を覚える過程というか、そこには明らかに、言葉に対する「コンプレックス」がないのであって、そういう状態が上の姪の例でもわかりますように、言葉を使う上でかなり好ましい状態であるとしたら、積極的に英語が口から出ない人を、そういう良い状態にする方法というものは、可能だと思われますか。 
 

A.私は大学では、教育学をメインに、社会心理学、教育心理学、カウンセリング、英語学などを広く浅く学びました。その中でも興味を持って勉強したのが、「人の性格はどのように形成されるか」という点です。

また大学院ではドラマやアクティングの中で「自分の演じる役をどのように作っていくか」という「役の性格分析」をやらされました。

役者はさまざまな性格のキャラクターを演じなければなりませんから「人の性格」ということを深く理解しないと、表面的な役作りに終わってしまう危険があるからです。

性格というのは、もちろん生まれつきのものもあります。しかし同時に成長していく過程で形成されていく部分もあると思うのです。

姪御さんが幼児のころおしゃべりだったのに、今は口数が少なくなったのは成長過程でそうした変化を生んだなんらかの働きかけが外部からあったのだと思います。

人の性格にはいろいろなものが影響を与えますが、家庭環境やどのような社会文化で育ってきたかということが大きいと思います。

そこで「環境が人の性格に与える影響」と「それが言語習得に与える影響」について、私の考える仮説を少し述べてみたいと思います。

カウンセリングの手法の1つに交流分析というのがあります。人はみな自分の中に「子供(Child)」「大人(Adult)」「親(Parent)」という3つの部分を持ちこれを適宜使い分けているというのです。

「子供」は人が生まれながらに持っている天真欄満な部分です。これが出ている時は他人のことなど気にせず自分をどんどん主張し、開放していこうとします。

「大人」は一定のルールにしたがって冷静に何が正しくて、何が悪いのかを判断し、この判断にもとづき行動しようとする部分です。これが出ている時は感情が抑えられ、規範にそった行動がとられます。

「親」は母親が子供をかわいく思い、守ってあげようとする部分です。人に同情したり、動物をかわいがったりする時もこの部分が出てきます。

幼児は基本的には「子供」の部分しか持っていませんから、子供はみな天真爛漫です。幼児向けの番組の歌のおねえさん、おにいさんなどもこの子供の部分が前面に出ています。そうでなければ子供に好かれないでしょう。

姪御さんが、おしゃべりだった時もおそらくこの子供の部分が出ていたのだと思います。 しかし、子供は成長する過程でいろいろなことを習います。

特に母親の影響は絶大です。親は「あれをしてはいけない、こうしなければいけない」と規範を教えていくわけです。こうして幼児の中にも「大人」の部分がだんだん形成されてきます。

親が幼児の言うことを、「うんうんそうだね」「ひろちゃん、すごいね」などと幼児の子供の部分を受け入れていくタイプだと、幼児の「子供」の部分は広がり、天真爛漫な性格になりやすいです。

反面、接し方が子供の言うことにあまり興味を示さず、逆に「そんなことしちゃダメでしょう」と言うようなことが多いと幼児の「子供」の部分は減退し内気な、あまり発言しない性格になる傾向があると思います。

Q.私ははじめて中学校の英語の授業を受けた日のことが忘れられません。

教科書の英語の復誦の際に、私がテープの通りに、なるべく正確に言おうとすると、それを聞いていた他の生徒が笑うんです。でもそれって違うと思うと言ったら、今度は担当の教師に笑われました。すごくショックでした。めちゃくちゃ疎外感感じました。(号泣) なぜなら、私が小学校時代行っていた英語塾ではキャネイディアン(と当時の私には聞こえた)の神父さまが自分の国籍は「カナディアン」でないと言い張り、どの子供も完璧に彼の国籍が言えるようになるまでくりかえし練習させたからです。

A.他の生徒が笑うのは許せるとしても、その先生はひどいですね。本当は正しい発音だといってほめてあげなければいけないのにね。

最初に習う英語の先生が発音がダメだと、生徒はあとあと本当に苦労します。発音がよくわからないうちは、必ず正しい発音のテープやCDの後について練習するようにしましょう。

これは「犬が寝るから『ケンネル』ではダメ」のところで説明しました。 とにかく素直になって正しい英語の音に耳をかたむけて、同じように発音できるように練習するのが一番です。

ちなみにCanadaの発音は「キャナダ」ですが、Canadianの発音は「カネイディアン」となります。

AA.慰めて下さってありがとうございます。 たぶん私があんまりムキになって言ってるのがおかしかったんだろうなと今では思います。(^^;) でも不思議ですね、人間の耳って。

英語再入門中の今になって、あのころクラスの他の生徒には、テープの音が本当に「ペンシル」って聞こえていたのかもしれないなと思うようになりました。私にはいいとこ「ペンソー」でしたが、他の国の人にはもっと違って聞こえることでしょう。

私も「キャナダ」は言えても「カネイディアン」が言えなくて神父さまを困らせてました。きっと、Canada+~anという変な知識があって、すなおに音を聞き取ることを邪魔したのでしょう。小学生の私には本当に「キャネイディアン」としか聞こえなかったんです。これが特殊な例だと知ったのは高校生になってからでした。 まず聞いて、それを自分の口で再現するそれだけなんですが、難しいですよね。

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リスニングにしてもリーディングにしても、「自分にとって馴染みのあるトピックや内容は、馴染みのないものよりもはるかに理解しやすい」ということを裏付けた理論に「スキーマ理論」というのがあります。

この理論はもともと、ネイティブスピーカー用の読解のプロセス研究として始まったものですが、近年は第2言語習得にも応用されるようになってきました。 ここでは「英語教育現代キーワード事典」(安藤昭一編、増進堂)からスキーマ理論の項目の説明を引用してみたいと思います。

スキーマ理論

リーディング・コンプリヘンションは、読み手がテクスト(text)の活字から受動的に意味を汲み取る行為ではなく、スキーマ(Schema)と呼ばれる読み手の持つ先行知識(prior knowledge)とテクストの間の相互作用によって内容を再構築するプロセスとみる理論。

各個人の雑多な知識や経験はスキーマと呼ばれる数多くの構造的知識として認識されており、スキーマは記憶の呼び出し、判断、理解等あらゆる認知活動にも関与する。

スキーマ理論からみる読解は次のようなプロセスであると考えられる。 読み手はテクストに含まれる何らかの鍵(cue)を基に、自分のスキーマから最も適切なものを呼び出し、テクストの内容を再構築(reconstruction)する。

この再構築した内容とテクストの与える情報が合致すれば理解(comprehension)の状態に達したことになる。 しかし読み手にテクスト理解に必要なスキーマが無かったり、間違ったスキーマを呼び出すと、理解できなかったり、書き手の意図とは違った解釈をすることになる。

スキーマは一部修正したり、古いスキーマを基に新しいスキーマを創り出したりして増殖していく。

スキーマの範疇は、一般的に社会的、文化的題材に関する内容スキーマ(content schema)と、テクストの構成や言語的なことに関する形式スキーマ(formal schema)の2つに分けられる。

スキーマ理論を利用した最も効果的なリーディングの指導法はアメリカの小学校で行われているDRTA(The Directed Reading-Thinking Activities)であろう。 この活動は教師の指示によって生徒が〔ストーリーの予測〕〔黙読〕〔予測を証明する〕という一連の読書活動である。この一連の指導において教師は生徒に"What do you think will happen?" "Why do you think so?" "How can you prove it?" などの質問を与え、読書の方向付けをさせる。

このような読み方をすることによって

① 受動的は読みではなく、自分のスキーマを基に予測を中心とした能動的な読み方をする。

② ストーリー全体の流れに焦点を当てた読み方をする。

③ 予測を証明するためにテクストの構成について、分析、総合的な読み方をする。

④ ストーリーの重要事項が長期記憶事項として読者の記憶に残る。 等の効果が期待できる。

スキーマ理論は今後英語の読解指導のみならず、聴解指導、国語の読解指導等、外国語、母国語を問わず、内容理解を中心とした言語活動に応用できると考えられる。

私が主催しているフィニックス英語学院ではプロジェクトワークという英語でグループ活動をするクラスがあってその中でディベートをやっています。

実際には2種類のディベートがあり、一つはロジカルプレゼンテーション、もう一つがドラマティックディベートといいます。(それぞれのディベートについてはまた別の項目で説明します)

ディベートの良いところは

1.英語の論理(ロジック)を学ぶのに役立つ

英語で何かを説明するときには英語のやり方があって、これを英語の論理(ロジック)といいます。どんな順番で説明するかとか、どんなスタイルで説明するかが英語の場合はっきりきまっていてその通り説明しないと英語の論理になれている人には説明している内容がなかなか理解してもらえません。

この英語の論理(ロジック)はビジネスで何かを説明するときや、大学などで学術的な論文や発表をするときにも使われるのでこれに慣れておくことは非常に重要です。

ディベートをやると理論でこの英語の論理をきちんと勉強しますから、英語で何かを説明する時にとても役立つのです。

2. 即興制が要求される

ディベートではあらかじめ用意されたスピーチだけでなく、相手かの質問に答えたり、相手の意見に反論しなければなりません。

相手は何を言うかはわからないのですから、即興的に相手に言っていることに反応し英語で説明しなければなりません。

これは英語を自由に使えるようになるためにはとても良い訓練になります。内容も政治、経済、社会問題などですから知的レベルの高い会話が自由にできるようになるのです。

◆ このページでは「耳からはじめる英会話」(吉田正幸、エリック・タカバヤシ共著、中経出版社)という本の中に出てくる語核の概念についての意見を展開します。

◆ はじめに

紹介していただいた「耳からはじめる英会話入門」という本をさっそく読ませていただきました。とてもおもしろい本だと思いました。英語そのものを教える為の教材は多いのですが、英語で会話する時のコツを教える本は数少なく、その中でも初心者にもわかるようにやさしく書かれている貴重な本だと思います。

 「使える英語の量を増やしていくこと」はもちろん大切なのですが、「現在の限られた英語力でいかにうまくコミュニケーションをとっていくか」というのも同じくらい大切だと思います。

そこでこの本に書かれている内容について、私の感想と意見を以下の点について順番に述べさせていただきたいと思います。

1.英語学習における「語核」の重要性

2.会話をコントロールする技術

3.語核と内容語、機能語

4.語核と感情

5.語核以外の部分におこりやすいリダクション

◆ このページでは、世界ではいろいろな英語が使われていることを前提に「国際英語を学ぶべきだ」との私の主張を述べ、その後,国際英語を学ぶ為に「日本もの」を使った勉強をすすめています。

アメリカの大学院生とイギリスのSecondary Schoolで教育実習をした時のこのです。イギリス人の生徒がアメリカ標準英語を話す教育実習生の英語がおかしいといって笑うのです.おそらくイギリス人にとってアメリカ英語は変に聞こえるのでしょう。大人はそうは思っても言いませんが教えた生徒が子供だから正直に言ったのではないでしょうか?

ここでいえることは誰もが自分が話す英語が正しく、それと違った英語は変だと感じるものなのではないかということです。自分が慣れ親しんできた英語が標準でそれ以外は偽者だと考えてしまいがちです。

しかし、国際人としてあるべき態度は、いろいろな英語を幅広く認め、尊重していくことではないでしょうか。大切なのは発音や表現方法ではなくその人の話している内容だと思います。

101)3-1.総論

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これまで「英語で考える」為には頭の中に英語をためていかなければならないことは説明してきました。 そこでこれからは「どうやって英語を効率よく吸収していくか」というインプットの方法について説明していきたいと思います。

まず言語を覚えるには2種類の方法があります。 1つは無意識のうちに自然に覚える方法です。これをクラッシェンは「習得」(Acquisition)と呼びました。

もう1つは意識的に覚えようと努力して覚える方法です。これを「学習」(Learning)と呼びます。

これからこの両者についてどうやったら効率的に速く英語が吸収できるかについて説明していきたいと思います。

 Q.1 あなたに影響を与えてきた教授法を紹介してください。

A.1 今までの私に影響を与えてきた教授法をいくつか紹介したいと思います。

 1.松本 亨の「英語で考える」

 私の基盤になっている教授法です。私も含めフィニックスの日本人講師は全員がこの方法で英語をマスターしました。フィニックスはかつて東京松本英語専門学校という名前でした。TIEは「英語で考える」を独自の体系に構築されたボブ西崎先生が作られた学校です。 

 2.Richard Viaのドラマメソッド

Via氏はブロードウエイの俳優、舞台監督、ディレクターをされていた方で奈良橋先生はVia先生の教授法をもとにMLSという英語学校をつくられました。Via先生はNHK英会話入門を担当されている遠山顕先生の先生でもあります。

この2つがメインですが、他に私の通っていた筑波大付属中学で使われていたAudio Lingual Method、最近はやりのCommunicative Approach, ドラマと似たTotal Physical Responseなども使います。 また概念として影響を受けているものにNatural Approach, Total Immersion などやニューヨーク大学で学んだドラマ教育で使われるDrama in Education. Theater in Educationの手法などがあります。

◆ このページでは効率良く英単語を覚える方法を紹介いたします。

Q.外国語(主に英語)の語彙の取得(学習)方法として古くから知られているものとして、「語呂あわせ」があります。これは、外国語の語彙の発音に近い日本語の言葉を含むギャグを用いて、それらの語彙を記憶するものです。

今はあるのかどうかわかりませんが、かつて、大学受験用の英単語集で、この「語呂あわせ」を用いたものがありました。皆様は、語呂あわせによる語彙の学習について、どう思われますか?

A. 英単語を学習していう時に大切なことは、「正しく」覚えるということと、「効率良く」覚えるということです。このページではこの2つの点についていろいろな方法を検討してみたいと思います。

まずはご質問の「語呂あわせ」法について考えてみましょう。 語彙は効率良く、楽しく、楽に、勉強していくのにこしたことはありません。そのために大切なことは、学ぶ単語と自分との間に何らかのかかわりをつくっていくということです。私はこれを「自分の今まで知っていたことにひっかける」とか「記憶の引き出しに整理する」とか言っています。

「語呂あわせ」法は「効率良く」という点では「記憶にひっかける鉤」がありますから、すぐれています。 問題は「正しく」の方です。

「正しく」の意味は2つあって、1つは「発音を正しく」ということで、もう1つは「スペリングを正しく」ということです。

 日本では「スペリング」の方は重視されていますが、「発音」の方がないがしろにされています。

多くの人は英語の「発音」に似たをカタカナの音で代用しています。しかしこれは大変危険なことです。 「発音」を正しく覚えないとどういうことになるかについて、私の失敗談をお話しようと思います。 つづく

皆さんは英英辞典を使ったことがありますか?買ったけど使ったことがない、使ったことがないと答える方が多いのではないでしょうか。英英辞典は英語ができるようになってから使えばいいと思っている方もいらっしゃると思います。

このページはそうした方に今までとは違った方法で英英辞典を使う方法を紹介することによって英英辞典が英語の表現力をつける上で最高の武器になることを知っていただくために書きました。

今までの辞書の使い方は読んだり、聞いたりした文章にわからない単語があった時に辞書をひいてその意味を調べるという方法でした。

これからやる方法はこれとは全く違った英英辞典の使い方です。 それは「すでに日本語で意味を知っている英語の単語をひいてその定義と例文を覚える」というやり方です。

この方法は相当抵抗があるらしくて、紹介してもなかなか実行してもらえません。「知っている単語の意味をわざわざひいて何の意味があるのか」、「そんなことをやるのなら自分の知らない難しい単語の意味を日本語の意味といっしょに覚えたほうがよっぽどいいのではないか?」普通の人ならそう考えるのではないでしょうか? このページはそうした疑問にお答えするページです。

そして私の説明に納得したら是非みなさんにこの知っている単語の意味を英英辞典でひいて定義を覚えるやり方を実行に移していただきたいのです。英語力がある人も英語力がない人も今までの勉強になかった発見や考えもしなかった効果があることにきっと驚かれるでしょう。

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