1.英語リスニング科学的上達法(ATR人間情報通信研究所 講談社)

英語のリスニングができるためには、単語(音韻)レベル、文レベル、文章レベルのそれぞれに関して違ったリスニングの練習をする必要があります。まずは、単語(音韻)レベルのリスニングを上達させるための教材を紹介します。

単語(音韻)レベルのリスニングで大切な事は、似た発音の聞き分けができることです。それぞれの言語には音韻というのがあり、私達の耳は音韻ごとに音声を区別して認識します。たとえば英語のネイティブスピーカーは/l/と/r/の音声はそれぞれ違った音韻として認識しますが、日本語のネイティブスピーカーはこの2つの音声を区別せずに、ともにラ行の音韻として認識します。だから日本語の音韻が確立してしまった人は/l/と/r/の音を区別するのが非常に難しいのです。

もちろん実際の会話では前後の関係で/l/と/r/が区別できなくても意味はわかります。He is reading a newspaper.と聞けば、誰もHe is leading a newspaper.とは考えないでしょう。だからあまり問題にはならないという人もいます。しかしこうした細かな部分までの聞き分けがきちんとできるということは、より正確な内容の聞き取りを可能にします。またこれができると自分で発音する時も正確に発音することができるようになります。聞き取りがいいかげんな人の発音はやはりいいかげんになってしまうのです。

こうした似た発音の聞き分けの練習に効果があるのがミニマルペア(MInimal Pair)を使った練習です。ミニマルペアとは他の部分はすべて同じで、ある部分だけの音声が違っているペアの単語でこれを聞き分けることで英語の音韻を区別できる耳を作るのです。 例えば/l/と/r/ののミニマルペアはlightとrightのようなものです。live とleaveは/i/と/i:/のミニマルペアです。lightと聞いたときこれが即座にlightでrightではないと判断できれば、/l/と/r/の区別ができていることになり、liveを聞いてこれがliveでleaveでないとわかれば/i/と/i:/の区別かできていることになります。

この方法で音韻レベルの聞き取り練習用に作られた教材として英語リスニング科学的上達法という教材があります。これはコンピューターを使ってミニマルペアの聞き取り練習をするCDーROMの自習用の教材です。男女4人のネイティブスピーカーが何百通りものミニマルペアを発音し、これをマウスでクリックして答えていきます。正解だとベルがなり、不正解だとブザーが鳴ります。間違えたものは後で教えてくれますから、自分のウイークポイントを何度も練習することができます。毎日15分から20分くらい継続して練習していくとだんだん音の聞きわけができるようになります。

この教材の詳しい理論については、ブルーバックスから同じタイトルの本が出ていますから、これもお読みください。ブルーバックスにもこの教材の簡易版のミニCDがついていますから、これで体験することもできます。 詳しくはATR人間情報通信研究所のホームページをご覧下さい。

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