「稲垣さんはどんな教材を使って勉強したのですか?」という質問をいろいろな方がらよく受けます。そこで私がこれまでどんなものを教材に使って英語の勉強をしてきたかということを紹介してみたいと思います。

私の教えた学校では教師が自分のクラスで教える教材を自分で選べました。ですから、私はおもしろそうな教材があるとすぐにクラスの教材として採用します。そしてクラスを教えながら生徒といっしょにその教材で勉強します。結果として私はいろいろな教材を使う機会が一般の方よりも多かったのではないかと思います。こうした経験が自分で英語の勉強をされている皆さんにお役にたてるのではないかと思いこのページを作ってみました。

会話用の教材から大学受験用の教材まで、なるべく広い範囲ものを載せていきたいと思います。

教材にはそれぞれ特徴がありますからその特徴を生かすように利用することが大切です。良い教材でも使い方を間違えると効果がありません。

教材のレベルも大切です。あまり難しいものではイヤ気がさしてしまうでしょうし、やさしすぎると力がつきません。

そして何よりも重要なことは教材を使ってきちんと勉強することです。教材を買っても本棚に並べておくだけでは英語の力はつきません。

いろいろな教材を中途半端に手をつけるよりも私は同じ教材をくりかえし徹底してやることをお勧めします。1回くらいやったくらいではなかなか定着しないものです。

最近更新されたページ

ラジオ英会話レッツプラクティス(10/30)
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NHKラジオ英会話入門(10/24)
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この教材はニックネームとしてSOSの愛称がついていますが、このニックネームの意...
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3.JAZZ CHANTS (OXFORD)
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英語教材のおすすめ
Dictation by nyorozomamaさん

<Opening>

K: It's time to practice. Let's build up your English muscles. Ready?
G: Take a deep breath and let's dive in.
J: All right. I'm all ready, Kei.
K: OK, here we go.


<Ending>

K: あなたの考えを行動に移しましょう。
Put your ideas into action.
G: Visualize what you want.
J: The possibilities are endless.

NHKラジオ英会話入門(10/24)

Dictation: アラレさん

[The Task]

1.
Ke: Jerry, can you give us the answers?
J: Sure. For sweet corn you should blanch it five or six
minutes. And then you should chill it in ice water
five or six minutes.
Ke: For the second one I think Martha was saying something
like you chilled sweet corn in ice water for the same
amount of time. Was it what she was saying?
J: You mean for the sweet corn?
Ke: Yes.
J: Correct.

Ke: Green beans, Jerry.
J: All right. Well, for green beans she said you should
blanch them for three minutes and you should chill
them in ice water for three minutes.


[True False Questions]

1.
Ke: Katie.
Ka: Right. No.1 is ...

Ke: Jerry, can you help us here?
J: I think I can.
Ke: OK.
J: Well, this one is "T" or true.
Ke: It is?
J: Right. Because Martha was asked if watermelon can be
frozen ...
Ke: Uh-huh.
J: And she said and I quote, "I wouldn't recommend freezing
any fruit or vegetable with a high water content."

2.
Ke: What about No.2, Katie?
Ka: Right, Ken. No.2 is ...

Ke: Jerry, true or false?
J: This one is "F", false.
Ke: It is?
J: Yes. Martha did give Rick some carrots and sweet corn,
but not beans.

この本は日米の文化の違いについて書いたやさしい読み物です。初級者から中級者用のリーディング用の教材としても使えます。

Polite Fictions というのは 「見せかけの礼儀」と訳せますが、この本はある場面においてそれぞれの文化で「礼儀正しい」とされている行為が違うためにそれが異文化コミュニケーションを引き起こすという説明をしています。そしていろいろなエピソードを読みながら楽しく文化の違いを勉強できるようになっています。

 たとえば最初の話では、著者は彼女が日本に来たばかりの時に日本人の男性の友人から電話をもらってディナーに誘われるのですがその時に I just got married, and my wife and I would like you to come to our house for dinner next Saturday. She's not beautiful, and she can't cook very well. But I hope you'll come. と言われこの人は結婚したばかりの奥さんがもういやになってしまったのかと思ってビックリし、実際に奥さんに会ってみて彼女がとびきりの美人で料理もうまいことにこれまたビックリします。そして初めて友人の男性の言ったことはPolite Fictionsであり、彼は謙遜してそう言っただけだということに気づいたというエピソードです。

アメリカ人だったらこういう場合簡単に She wants to meet you というか、もしも妻のことを説明するなら She loves to cook and is planning to fix something special for you. とか She has a wonderful sense of humor; I'm sure you 'll like her. のように何か良いことを言うのが普通だからです。

このような Polite Fictions について彼女は You and I are Equals. You and I are Close Friends. You and I are Relaxed. You and I are Independent People as Individuals. Being Original などの項目をあげて日米の文化の違いを説明しています。

内容についての簡単なQ&AやTrue or Falseなどの問題もついていますからリーディングコンプリヘンションの教材として使えますし、内容についてディスカッションをしてもいいでしょう。

この教材はニックネームとしてSOSの愛称がついていますが、このニックネームの意味する通りアメリカで生活する上で必要な英語を教える為に作られた教材です。

レッスンの構成は状況ごとに作られており、病院、歯医者、銀行、郵便局などで使う英語、火事や犯罪への対処、仕事の見つけ方、住む場所の見つけ方などのテーマごとにサバイバル英語が学べるようになっています。

レッスンは絵で必要な単語を入れてから、ダイアローグを覚え、次にその応用練習、最後に文化背景についての読み物の内容理解とオーソドックスな会話教材の構成で作られています。 この教材のよい点は絵が豊富で視覚に直感的にとらえることができるところです。

わたしはドラマ手法を駆使して、体を実際に動かしながら単語を覚えさせたり、ダイアローグを演じさせたりしています。 これからアメリカで生活される予定の方は一度やっておくと良い教材だと思います。

私がまだ東京松本英語専門学校の生徒だったころ1年目の生徒全員にこのケネディ大統領の就任演説を覚えることが課題としてだされており、私もこのスピーチを最初から終わりまで全部覚えました。全部で約12分ほどかかるスピーチです。

このスピーチは若き大統領が大統領就任にあたって、自分の決意を表明し、アメリカ国民に自分達でアメリカを作っていこうと呼びかけた、とても勢いのあるスピーチです。 スピーチ後半に出てくる And so, my fellow Americans. . .ask not what your country can do for you. . .ask what you can do for your country. My fellow citizens of the world. . .ask not what America will do for you, but what together we can do for the Freedom of Man. はとても有名な部分です。

 フィニックスではこのスピーチを使ってスピーチのデリバリーの練習をさせて、年に2回レシテーションコンテストを行っています。また1日体験コースでは I do not shrink from this responsibility, I welcome it. の部分を覚えてみんなの前で発表してもらっています。 こうした英語演説を覚えることは、スピーチの練習になるだけでなく、語彙を増やすことにも役にたちます。

私がこのスピーチを覚えた時はまだ大学受験生でしたから、このスピーチのおかげで相当単語を覚えることができました。 野口悠紀雄氏も「超勉強法」の中で「ケネディの演説を覚えよう」と書かれていますが、丸暗記法が受験勉強に役に立つことは本当です。

私は浪人中、予備校の授業に1回も出席せず、「松本」で出された教材をひたすら暗記したいただけでしたがそれでも英語の成績は上がり、翌年無事に一橋に合格できました。

下にこのスピーチへのリンクを入れておきましたので、みなさんもためしにやってみてください。松本亨著「英語演説」(英友社)の中にも収録されています。またケネディ大統領の演説集のテープは南雲堂というところから出ています。値段はわかりません。

JFK's Inaugural Address   

フィニックスの島村先生が使っている教材です。この教材は英語のストレスのとり方をJAZZの調子に合わせて練習する教材で、ニューヨーク大学のグラハムが開発しました。

英語はストレスがある(強く発音される)ところとストレスがないところ(弱く発音される)ところがはっきりしている言語です。日本語にはこうした特徴がないため日本人が英語を発音するとどうしても平板な調子になりやすいのです。そこでこのストレスをちょっとおおげさに強調してJAZZの調子にのって練習することによって英語らしい調子で話せるようにさせようというのがこの教材の趣旨です。

例えば THIS is the STORY of the THREE little PIG. という文では大文字のところにストレスがあります。そして大文字のところが同じ間隔で来るように強調して発音し、その他の小文字の部分はその間につけたしのようにして速く弱く発音します。

英語を発音する時は自然にストレスがあるところを強調して話せるようにならなくてはいけません。そのためにはこのJAZZ CHANTSは役にたつ教材です。 JAZZ CHANTSには大人用、子供用、small talk, おとぎ話を使ったもの、マザーグースを使ったもの、などいろいろなバージョンがあります。自分の気に入ったものを選べば良いでしょう。

この本は日本人が不得意とする英語発音の弱点ばかりを集めた本です。

 全体は4つの章にわかれており、それぞれの章でいくつもの発音のポイントが簡潔に述べられています。

 1章は個々の音で聞く時、話す時に区別が難しいものを組み合わせて練習します。例えば[ f ] と [ h ] の違い、[ r ] と [ l ] の違いといったものです。

2章は音と音との結びつき、特に子音結合の問題をあつかっています。たとえば [ t ] は普通は舌先を歯茎から話して発音しますが、mountain, cotton などのように[ t ] と [ n ] の子音が連続する場合は[ t ]は舌先を歯茎につけたままで、鼻の中で「クン」と発音し、そのまま息を鼻に抜いて[ n ]の音を発音するといった具合です。

3章はリズムの問題を扱いっています。例えば come in の in のような副詞は強く発音するが、I live in Tokyo. の in のような前置詞は弱く発音されるといったようなことです。

4章はイントネーションで気持ちがどんな風に変わるかを説明しています。例えば Thank you を最後を軽く上げて言えば、「どうも」くらいの意味になり、最後を下げて、やや低めに言えば「ありがとうございます」とお礼を言っていることになるというような例です。

本の他に著者が吹きこんだテープもついていますから、後について言ってみて、ついでに自分の声も吹きこんで比べてみると発音矯正が効率よくできます。

この本は私が発音と音声学の勉強のために使用した古典的名著です。五十嵐新次郎先生は松本亨先生と同じころに活躍された早稲田の先生で、現在早稲田で教えている諸先生方(東後勝明先生、田辺洋二先生、松阪ヒロシ先生、石原 明先生など)の先生にあたる方です。

現在はこれら五十嵐先生のお弟子さんにあたる先生方によって改訂された改訂版が出版されています。 この本は音声学の授業で使われる教科書ですが英語の発音の仕方が日本語の発音と比較されながら相当詳しく説明されています。もちろん発音の仕方を知っていたとしてもそれだけで正しい発音ができるわけではありません。正しい英語の発音ができるようになるためには実際に唇や舌を使って声を出して練習しなければいけません。しかし、どういう風にやれば英語の発音に近づけていけるのかという理屈を知っていることも大切なことです。

五十嵐先生の本は単なる音声学についての知識を学ぶための教科書でなく、どうやったら実際に正しい英語の音声が発音できるかということを具体的に明らかにしている点で優れていると思います。

この本にはカセットテープがついており母音、子音の発音の仕方の説明の後、実際にテープの後について声を出して練習できるようになっています。また第4章単語編では日本人にとって難しい子音結合や、子音の並列と同化、リズムやストレスについての練習もたくさんのっています。 英語の発音をきちんと勉強されたい方には、是非おすすめしたい教材です。私が購入したころは2000円(カセットテープは別売)でした。

ドラマの教材というと脚本やロールプレイの教材を思い浮かべる方が多いですが、ドラマの教材としてもう一つ大切な分野が俳優達が演技の前にリラックスするために使ういろいろなエクササイズや、イギリスのドラマ教育の中で五感の働きを鋭敏にしたり、創造力を高めたりするために使われるゲームなどです。

 こうしたエクササイズやゲームを集めたアイディア集として、ドラマを教える先生方に是非おすすめしたいのがケンブリッジから出版されているDrama Techniques in Language Learning という本です。これは生徒が使うテキストではなく英語教師が参考に使うリソースブックです。初心者用から上級者用まで使えるドラマ的手法を用いたさまざまのエクササイズがたくさんのっていて重宝します。こうしたエクササイズを授業の導入として使用すると生徒をリラックスさせるとともに集中力を高めることができとても効果的です。

ここではこの本の中からchildhood memoryというゲームを例としてあげてみたいと思います。 Childhood memories

What to do

Each person writes down a single word which represents a childhood memory. It is necessary for the students to be reminded that this word need be meaningful only to themselves personally. It might be a color (e.g. brown, violet); it might be a smell (e.g. cabbage, floor-polish); it might be the name of a place, a person, or a song; it might be an object (e.g. ashtray, vase); it might be a date, even a day, Abstract words, such as happiness, hope, courage, should be avoided.

The slips of paper are then collected and redistributed at random. Each person now tries to find who wrote the word on his or her slip or paper. (he or she should say the word aloud, not show the slop of paper) When the right person is found, he or she should explain what memory was associated with the word. In return, the other person should say what word he or she had written down and what memory it was associated with. Remarks

Level: elementary to intermediate upwards

If a class is going to work together regularly, it is important that the members should see each other as people, not just members of a class. This does not mean that we want to hear their life story or to learn their personal secrets. Nobody should be expected to reveal what he or she does not want. Childhood memories, of course, are often painful. This is why we ask the students to write down the word on paper. If they have memories they prefer to suppress, they will not write down anything that might recall them. Also, the act of writing down the word gives added precision to the memory. For each memory will involve many different facets, and the writing will help to make clear which of these is the most important. It is best to use this activity only after the class has been working together for some time.

[日本版は実例現代英語用法辞典(金子 実他訳 桐原書店)]

 ライティングに関してはやはり英文法というものをさけては通れないでしょう。そこで英文法を実際に英語を書くという見地から勉強するために是非一読をおすすめするのがこのPractical English Usageという本です。

この本は英語学習者が間違えやすい文法や語法を455のカテゴリーに分けて説明した本で、学習者が迷うポイントを数多くの例文を通して的確に指導してくれます。

例えば最初のテーマは a book about Africa と a book on Africa はどこが違うかというもので、on は本や記事、講義など堅い内容のもので、学問的であり、専門家向きであることを示唆しているのに対し、about は内容が一般向きである場合、あるいは書き方は話し方がもっとくだけている場合に用いられると説明されています。

この後比較にために以下のような例が続いています。 a textbook on African history. a book for children about Africa and its peoples. a lecture on economics a conversation about money an article on British industrial problems an argument about strikes

説明を読んで納得した後にこうした例文を覚えていけばより正確な英語が書けるようになります。

この本はかなり厚いものですから、通読しようとすると辛いかもしれません。最初は辞書のように必要な時に調べるという使い方でもよいでしょう。

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