310)発音をよくするための教材の最近のブログ記事

この本は私が発音と音声学の勉強のために使用した古典的名著です。五十嵐新次郎先生は松本亨先生と同じころに活躍された早稲田の先生で、現在早稲田で教えている諸先生方(東後勝明先生、田辺洋二先生、松阪ヒロシ先生、石原 明先生など)の先生にあたる方です。

現在はこれら五十嵐先生のお弟子さんにあたる先生方によって改訂された改訂版が出版されています。 この本は音声学の授業で使われる教科書ですが英語の発音の仕方が日本語の発音と比較されながら相当詳しく説明されています。もちろん発音の仕方を知っていたとしてもそれだけで正しい発音ができるわけではありません。正しい英語の発音ができるようになるためには実際に唇や舌を使って声を出して練習しなければいけません。しかし、どういう風にやれば英語の発音に近づけていけるのかという理屈を知っていることも大切なことです。

五十嵐先生の本は単なる音声学についての知識を学ぶための教科書でなく、どうやったら実際に正しい英語の音声が発音できるかということを具体的に明らかにしている点で優れていると思います。

この本にはカセットテープがついており母音、子音の発音の仕方の説明の後、実際にテープの後について声を出して練習できるようになっています。また第4章単語編では日本人にとって難しい子音結合や、子音の並列と同化、リズムやストレスについての練習もたくさんのっています。 英語の発音をきちんと勉強されたい方には、是非おすすめしたい教材です。私が購入したころは2000円(カセットテープは別売)でした。

この本は日本人が不得意とする英語発音の弱点ばかりを集めた本です。

 全体は4つの章にわかれており、それぞれの章でいくつもの発音のポイントが簡潔に述べられています。

 1章は個々の音で聞く時、話す時に区別が難しいものを組み合わせて練習します。例えば[ f ] と [ h ] の違い、[ r ] と [ l ] の違いといったものです。

2章は音と音との結びつき、特に子音結合の問題をあつかっています。たとえば [ t ] は普通は舌先を歯茎から話して発音しますが、mountain, cotton などのように[ t ] と [ n ] の子音が連続する場合は[ t ]は舌先を歯茎につけたままで、鼻の中で「クン」と発音し、そのまま息を鼻に抜いて[ n ]の音を発音するといった具合です。

3章はリズムの問題を扱いっています。例えば come in の in のような副詞は強く発音するが、I live in Tokyo. の in のような前置詞は弱く発音されるといったようなことです。

4章はイントネーションで気持ちがどんな風に変わるかを説明しています。例えば Thank you を最後を軽く上げて言えば、「どうも」くらいの意味になり、最後を下げて、やや低めに言えば「ありがとうございます」とお礼を言っていることになるというような例です。

本の他に著者が吹きこんだテープもついていますから、後について言ってみて、ついでに自分の声も吹きこんで比べてみると発音矯正が効率よくできます。

フィニックスの島村先生が使っている教材です。この教材は英語のストレスのとり方をJAZZの調子に合わせて練習する教材で、ニューヨーク大学のグラハムが開発しました。

英語はストレスがある(強く発音される)ところとストレスがないところ(弱く発音される)ところがはっきりしている言語です。日本語にはこうした特徴がないため日本人が英語を発音するとどうしても平板な調子になりやすいのです。そこでこのストレスをちょっとおおげさに強調してJAZZの調子にのって練習することによって英語らしい調子で話せるようにさせようというのがこの教材の趣旨です。

例えば THIS is the STORY of the THREE little PIG. という文では大文字のところにストレスがあります。そして大文字のところが同じ間隔で来るように強調して発音し、その他の小文字の部分はその間につけたしのようにして速く弱く発音します。

英語を発音する時は自然にストレスがあるところを強調して話せるようにならなくてはいけません。そのためにはこのJAZZ CHANTSは役にたつ教材です。 JAZZ CHANTSには大人用、子供用、small talk, おとぎ話を使ったもの、マザーグースを使ったもの、などいろいろなバージョンがあります。自分の気に入ったものを選べば良いでしょう。