1.松本亨 訪問者 The Visitor

私が東京松本英語専門学校の生徒だった時に最初に覚えさせられた教材です。私にとって英語を覚えるということを初めてやった教材で1つの話からできています。当時の松本の生徒にとっては大変愛着のある教材で、私はこの教材は最初から最後まで覚えました。量的には50分くらい連続して英語を話していられるくらいの量があります。

松本亨先生はNHKラジオ英会話を担当されていた先生ですが、ご自分でも「私は英語学者ではなく英語作家である」と言っていたくらいおもしろいストーリーを書かれる方でした。単なる英会話の教材ではなく、話がおもしろいのです。このThe Visitorもそうですが、松本亨先生の放送を聞いていた方の話によると、松本先生のラジオ講座はまるで連続テレビ小説を見ているような楽しさがあったそうです。次にどんなことがおきるのか、ハラハラ、ドキドキ、自分が登場人物になってしまうのです。これは松本亨先生の後に放送を継いだどの講師の先生にもできなかったことです。

ストーリーはアメリカのカリフォルニアのバーバラ斎藤という日系3世の女の子の家で始まります。彼女のバックグラウンドはストーリーが展開していくにしたがってだんだんわかってくるのですが、彼女のお父さんはこれも日系人の吉田さんというところで庭師として働いています。斎藤さんも吉田さんも戦前から優秀な庭師で広い土地を持っていたのですが、第2次戦争中に土地が日系人の土地が没収されるのを防ぐためにアメリカ人の友人に土地の名義を肩代わりしてもらいます。吉田さんが預けたアメリカ人やよかったのですが、斎藤さんの預けた相手は土地を売り飛ばしてしまい斎藤さんはすべての土地を失います。

吉田さんにはフランクというバーバラと同じ位の年齢の息子がいて、バーバラとフランクはつきあっています。バーバラの母親はバーバラがフランクと結婚することを望んでいますが、バーバラはフランクが自分のことを所有物のようにあつかうことに強い不満を持っています。

そんな時にバーバラの家にやってくるのが、母親の昔の友人の息子、島健二です。彼はグランドキャニアオンにいる友人に会いにく途中で一泊させてもらうためにバーバラの家に来ます。健二は比較宗教学を学ぶ大変まじめな学生で、バーバラは健二の知性と人柄にひかれます。バーバラは健二をUCLAを案内してまわり、食事をして、二人は恋に落ちます。夕暮れのハリウッドボールで二人は口づけをかわすまでになります。

健二は翌日、バスでグランドキャニオンへ向かいますが、バーバラは健二のことが忘れられず、お父さんに相談し、フランクの父親がフランクとバーバラを結婚させたいと申し入れていた事実を知ります。そしてバーバラは家も学校も捨て健二の後を追うのです。

なかなかドラマチックでしょう?恋のシーンあり、ケンカのシーンありバラエティに富んだ会話が展開します。次のバーバラのセリフなど普通の英会話の教材ではお目にかかれないと思います。

Barbara: Kiss me, Kenji. Real hard. Our last kiss.

カセットテープつきの本一冊のコンパクトな教材で、定価は3900円です。現在残念ながら絶版ですが、希望者の方にはコピーを2000円(送料別)でさしあげます。

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