1.松本亨英作全集 (1巻~10巻)(英友社)

「英作文とは単語を英文法を使って組み立てながら日本語を英語に訳していくこと(Translate)である」というのが一般に信じられていることです。しかし「これは間違った方法である」というのが松本亨先生の考えです。松本亨先生は「英語はまず正しい英語を覚えておいて、日本文の意味を解釈(interpret)し、それに相当する英語を書かなければいけない」とおっしゃっています。

つまり "Do not translate: Interpret accurately"ということです。 この考えを証明するために書かれたのがこの英作全集というシリーズです。この本は松本亨先生がまず生徒に英語になおす日本文を提示し、これを生徒が英語に直し、それに松本亨先生がコメントをつけ、次に正しい英文を示すという方法で構成されています。 いくつか例をあげます.

 1.梅雨明けはセミの第一声から始まる

生徒の作文  The sign of closing wet season starts with singing of cicada.

松本亨先生の英文  The rainy season comes to an end when you hear the first cicada.

 2.生きていることは誰かの役に立っていることだ。

生徒の作文  To go on living is useful for someone.

松本亨先生の英文  The fact that I go on living must be useful for someone.  

3.彼はよく長崎をテーマに絵を描く。

生徒の作文  Sometimes he paints a theme in Nagasaki.

松本亨先生の作文  He often paints Nagasaki.  

4.昨日は気温が最高だった。

生徒の作文  Yesterday was the highest temperature.

松本亨先生の作文  Yesterday's temperature was the highest this year.  

この本をやっていくといかに直訳というのが危険かということがよくわかります。かなり英語のできる方でも勉強になることが多いと思います。 私はこの本の使い方としては説明を読んだあと答えをそのまま覚えてしまう方法をすすめます。英語があまり頭にたまっていない時に日本語から英語への作文をやっても間違えてしまうことが多く、やっても有益とは思えません。それよりもちょっと考えてわからなければ答えを見て、それを覚えてしまった方が早いと思います。 私は2巻やったところで挫折しましたが、10巻全部を制覇すればほとんどのことは書いたり、話したりできるようになると思います。がんばってチャレンジしてみてください。  

関連質問 Q. おすすめ教材にある松本亨全集の1・2巻を買った者です。日本語と英語の違いがよくわかり大変いいものを手に入れたと感謝しています。ところで、稲垣先生は3巻以降は難しいとおっしゃっていますが、準1級の私にはむりでしょうか?よかったらお返事ください

A.英作全集はどの巻も難易度は変わりません。3巻以降私がやれなかったのは根気がなかっただけにすぎません。3巻以降もがんばってやってください。 この教材の問題は改訂されていないので例文が古いところです。改訂して例文を入れ替えれば良いのですが、私達のところには版権がないので残念ながらできません。

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