2.総合英文読解ゼミ (山口俊治著 語学春秋社  1400円+税)

この本は大学入試用の読解用参考書ですが、英語のあらゆる構文をきちんとマスターするためには最もよくできた本だと思うので推薦します。昔は「全解英語構文」の名前で売られていましたが、コンパクト版になって名前が変わりました。

英語の入試の読解問題は今だにかなりの割合で下線部訳の問題が出ます。英検1級は下線部訳の問題は廃止されましたが、通訳ガイド試験にはまだ出ます。こうした下線部訳の問題は複雑な構文をきちんと理解し訳せるかどうかを見る問題です。構文が複雑で、訳しにくいところに下線を引き、そこを正しく訳せるかどうかで構文を理解しているかどうかを見るのです。

私はこうした問題は時代後れの問題だと思います。現代英語はできるだけわかりやすい構文で読みやすい英語で書くのが良いと考えられてきているので、こうした複雑な構文の英語にはあまりお目にかからなくなってきたからです。しかし、昔の文献を読んだり、TIMEなどの少し気取った文体のものの場合には難しい構文が使われることもあります。したがって一度はあらゆる英語の構文をきちんと勉強しておくことは必要だと思うのです。

こうした構文研究で有名なのは駿台の伊藤和夫先生ですが、私は山口俊治先生の本の方がわかりやすくで好きです。山口先生は他に有名な「山口英文法講義の実況中継(語学春秋社)」という本を出されていますが、誰でもわかるようにスッキリと説明することがとてもうまい先生だと思います。

この総合英文読解ゼミも学習者の立場にたってとてもわかりやすく書かれています。 この本では英語の構文をカテゴリーに別けながら、全部で200の構文に分類しています。そしてこれだけをマスターすれば、どんな英語の構文も理解できるように作られています。

まず構文を紹介する例文が囲みの中で紹介され、くわしい説明がされた後、その構文が入っている文章が練習問題としてのせられています。 ただ私はこの本の使い方について大学受験生がやるような英文を日本語に訳すという方法で勉強するのは良くないと思います。英語の勉強は英語を覚えることが勉強であって日本語に訳しただけでは勉強になっていないからです。

私は以下の方法をすすめます。 まず囲みの中の例文をその後に続く説明を読んで理解します。そしてその例文を本を見ないで言えるようになるまで覚えます。その後の練習問題は日本語と比べ英文の内容を理解しながらどんどん読んでいきます。英文を訳して自分の訳をノートに書いて解答と比べて直したりするのは無駄ですからやりません。ただ語彙を増やすことは必要ですから練習問題の中で知らない語彙がでてきたらその部分にあたる英語と日本語の部分をマーカーで印をつけておきます。 この方法で最初から最後まで最低2回この本をやってこの本をきっちりマスターすればどんな構文でも読みこなせるという自信がつくこと請け合いです。

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