135)35. リピーティングの効果の最近のブログ記事
35-01. 音読とリピーティングの違い 以前このホームページで「音読の効果」を考えてみましたので、今回は音読とよく似たリピーティングの効果について考えてみたいと思います。
ここで言うリピーティングとは相手が話す英語、またはテープやCDなどを音声教材をよく聞いて何も見ないでそれと同じように口に出して言ってみる勉強方法を言います。
今日はまず音読とリピーティングを比較して同じところを違うところを考えてみたいと思います。
音読とリピーティングが似ている点は共に「発声器官を使って声を出すところ」と「日本語に訳すひまがない」ところです。したがってこうした点においては音読と同じような効果を上げることができます。これらについては「音読の効果」の章をご覧下さい。
違うところは音読は活字を見て頭の中に記憶されているその音声を再現するのに対し、リピーティングの場合は耳から聞いた音を直接再現するところです。 こうした違いはどのような学習効果をもたらすのでしょうか?
音読の場合は発音を間違って覚えていても気がつかないことがありますが、リピーティングの場合は必ずネイティブスピーカーの発音の通りにくりかえしますから発音を正確に覚えられます。
例えば音読している時にbomber(爆撃機)という単語がでてくると、うっかりすると「ボンバー」と発音してしまいますが、リピーティングの場合は発音された通りに繰り返すので「ボマー」とbは発音しないことはすぐにわかります。
発音を正確に覚えるためには音読よりリピーティングの方がすぐれていると言えるでしょう。
聞いた英語が聞き取れていないと、普通はリピートできませんから、リピーティングをやるとどこが聞き取れていないかすぐわかります。
似た練習にデクテーションがありますが、ディクテーションの場合は聞き取れていてもスペリングがわからなければ書けないので、聞き取れること+スペリングを知っていることが要求されます。
またリピーティングの方がディクテーションより書かない分だけ時間もとられませんから速くできます。それにウオークマンなどを使えばどこでもできますから、机や筆記用具が必要なディクテーションより気楽にできるのも良いところです。
リピーティングをすることにより、英語のリダクション(音声の連結、脱落)に慣れることができます。
英語は個々の単語を発音するときと、文の中で発音する時では発音の仕方が違う場合があります。これをリダクション(音声の連結、脱落)といいます。例えば I am going to が I'm gonna になるような現象です。
活字を見て発音するとどうしてももとの個々の単語の発音にとらわれてしまいますが、リピーティングは耳で聞いた音をそのまま再生しますから、リダクションを正確に覚えることができ、これがリスニング力の向上や、よりネイティブスピーカーに近い発音で英語を話すことに役にたつのです。
Yさんの質問
いつも有意義なメールマガジンありがとうございます。質問があります。「リスニングセクションPART1のテクニック」というコーナーで紹介されていたリピーティングですが、これは短い長さの英文を一度全部聞いたあとに、同じ文章をリピートするという勉強法ですか?シャドウイングとは異なるのですよね?
私の回答
そうです。シャドウイングは英語を聞きながら、聞き終わる前に話し始め、話しながら、次の英語を理解する方法ですが、私の言っているのは短い文を全部聞いて、その後リピートする方法です。
Yさんの質問
私はNHKの「やさしいビジネス会話」(主に最初に単独で読まれる5つの文章)をリピーティングしたことがあるのですが、ナチュラルスピードの上私のレベル(TOEIC L330位)ではちょっと長いらしく満足にできたことがありません。
私の回答
「やさいいビジネス英語」の文はリピートするには長すぎて難しいと思います。リピートするにはその瞬間は文全体を覚えていなければなりません。長すぎる文では覚えきれないと思うのです。聞き取れていなくてリピートできないのか覚えきれないのでリピートできないかわからないのではリスニングの練習としてはあまり効率がよくないと思います。 TOEICのPart1の文は短いですから、覚えきれないということはないでしょう。
Yさんの質問
無理に続けたらできるようになってくるでしょうか?それとももっと短い(単文)文章に変えた方がいいでしょうか?アドバイスお願いします。
私の回答
通訳になるのであれば、聞いた英文を覚えておく力(リテンション)は大切ですが、そうでなければ短い文で練習すればいいと思います。短い文がリピートできるようになってきたら、だんだん文の長さを長いものにして練習して、リテンションの力をつけていったらいいと思います。