133)33. 英語第二公用化についての最近のブログ記事

日本の構想報告書

I さんの問題提起

 皆さんご承知のように、1月20日に総理官邸から『21世紀日本の構想報告書』が発表され、そのなかに、「長期的には英語を第二公用語とすることの国民的論議が必要。」との一文が盛り込まれましたjことは新聞などご存知だろうと思います。

その詳細は http://www.kantei.go.jp/jp/21century/index.html でネット化されておりますが、このトピを盛り上げるためにも、一応、この報告書の内容を採録させていただき、議論のネタにしていただきたいと思います。

報告書では、まず、「Ⅱ.変革強いる世界の潮流」という項目のなかで、グローバル・リテラシー(国際対話能力)の確立が不可欠であるとの状況認識を示し、具体的には『情報を自在に入手し、理解し、意思を明確に表明できる「世界へアクセスする能力」「世界と対話できる能力」が不可欠。

基本は、コンピュータやインターネットといった情報技術と、国際共通語としての英語を使いこなせること。』としております。 で、具体的提言である「Ⅳ. 21世紀日本のフロンティア」のなかで英語教育に関する言及はつぎのようなものです。

【グローバル・リテラシー(国際対話能力)を確立する】

 ★社会人になるまでに日本人全員が実用英語を使いこなせるようにするという具体的目標を設定し、修得レベル別のクラス編成、教員の客観的な評価や研修の充実、外国人教員の拡充、英語授業の外国語学校への委託などが必要。また、国、地方自治体などの公的機関の刊行物やホームページなどは和英両語での作成を義務付ける。

★長期的には英語を第二公用語とすることの国民的論議が必要。

★また、21世紀の世界に生きるための国内基盤としても、グローバリゼーションへの対応すべく、英語やインターネットを日常的に使用し、優れた外国人を多く日本に迎え、国内多様性を形成すべきである。

このような提言を作成するまでの議論においては、第1分科会「世界に生きる日本」第2回会合議において、“今日、世界の趨勢は「言語が一つになりつつある。」という状況認識が出席者から述べられ、”グローバリゼーションを今後の世界の基調と捉え、その中での日本を考えていく上において、今後の日本外交の足腰ともいうべき、情報の発信・収集能力が話題となり、特に外国語教育の在り方について議論がなされた”そうです。

【状況認識】

21世紀の世界におけるコミュニケーションの手段は、確実に英語になりつつある。デ・ファクトで英語が世界語になりつつある。すでに世界の子供の三分の二は何らかの形でバイリンガル環境に育っており、21世紀のいずれかの時点では、英語が半永久的なグローバル言語となる可能性が非常に高い。

インターネットの普及によって、「聞く話す」能力のみならず、もう一度「読み書き能力」をつける必要も出てきている。日本が今後どう対処していくかは非常に重要な問題である。

【討議内容】

 (1) アジア各国で大変な勢いで英語教育が普及しつつある、日本政府の政策としてバイリンガル教育を考えるべきである。
(2) 1億2千万の人口がおり日本の中だけで相当程度やりとりが完結しうる、また、日本語は外来語も簡単に導入できる便利な言葉である、といった要素を考えると、国民全体の英語能力の向上はなかなか難しい面もある。
(3) 日本語能力の向上も同時に重要である。
(4) バブル時代に蓄えた資産は大きく、帰国子女も以前に比べると大変多い。こうした資産を活用すべく、うまくシステム化することが必要である。
(5) 国会議員の中にも英語の上手な人が増えており、また、和合調整型の政治家を尊しとするという政治風土も変わりつつある。状況は着実に変わっていっているのではないか。
(6) 英語教育以外の外国語教育として、人口比から考えても、アジアでは中国語も重要である。

以上の報告書の内容をふまえて英語公用語化することについての私の意見を展開します。

Pさんの質問

英語の必要性が確かに高まっていますし、phnxさんは英語学校にお勤めですから、英語を推奨なさるのは当然のことと思います。ただ、そのお立場があるにしても、公用語にしたり、英語資料の作成を各機関に強制したりするのをどうお考えですか。

また、日本語はどのような位置を占めるようになればいいとお考えでしょうか。EUで英語偏重でないことはどう見ておられますか。

私の意見

私は国家が国民に言語を強制することには基本的に反対です。戦前には日本は朝鮮(韓国)の人達に日本語を強制した経緯がありますが、自国民であろうと他国民であろうと言語を強制することはやってはならないと私は考えます。

日本には日本語というりっぱな公用語があるのですから英語を公用語にする必要など全くありません。「余計なお世話だ。なんで使う言葉まで国家に強制されなければいけないのか」と思います。

英語資料の作成を義務付けることに関しては、外国人の増加という現状をふまえてサービスの一貫として行政機関が実施するのはいいと思います。しかし民間にまでそれを押し付けるのはやりすぎです。

EUはもともと米国に対して経済的、軍事的に対抗するための勢力を作るために作られたものですし、英語嫌い(?)で有名なフランスのような国を含んでいるのですから英語偏重でないのはいわば当然と言えると思います。

日本語に関してはもっと世界の人に日本語を学んでもらいたいと思います。その為の努力を私達はするべきです。

日本語は中国語、英語、ロシア語、ヒンズー語、スペイン語の次に世界で6番目に話者の多い言語です。フランス語や、ドイツ語より多くの人が使っているのです。私達はもっと日本語を誇るべきだと思います。

私は日本全体で英語を公用語化することは無理だしその必要もないと思いますが、会社内、学校内で英語を公用語化することは十分可能だし効果があると考えています。

実際、多国籍企業では英語を公用語にして、会議は全部英語でやっているところもあるようです。

また学校で英語を公用語にして英語を教えるというのは非常に効果があります。実際、私の教えている学校では英語が公用語です。生徒は校内では日本語は使えません。(間違えて日本語を話すとその都度1000円罰金を徴収しています)

日本で英語を学ぶ上で一番問題なのは英語を使う機会がないことなので、会社や学校内など一定の場所では英語しか使えないようにしてしまうのは英語上達法としてはとても良い方法だと思います。

現実に学校における英語の公用語化として一番可能性があるのは大学レベルではないかと思います。以下のような案はどうでしょう。

まず大学の入学試験にTOEFLを採用し合格点を500点に設定します。最初の2年間は英語を読む、書く、話す、聞くことを徹底的に訓練します。学校内での日本語の使用は禁止しクラブ活動も含め、学生同士のコミュニケーションもすべて英語のみで行わせます。

次の2年間は一般教養科目や専門科目を英語で教え、卒論も英語で書かせます。卒業はTOEFLで600点がとれることを条件にします。

 ICUや上智の国際学部ではこれにかなり近い形のカリキュラムが組まれていると思います。

I さんの意見

 現在、東京大学工学系大学院の授業は、半数以上の大学院生が留学生であることもあって、大半の授業が英語で行われています。

ひとつの案として、日本の大学を一定以上の割合で留学生を受け入れる国際型大学とそうでない日本型大学とに分け、国際型大学では phnx さんのおっしゃられるシステムをとるとしたらどうでしょう。日本の各大学は、受験者数の低減とそれにともなう学生の質低下に悩んでいますが、その問題を解決するためには、留学生が学びやすい環境を作り、留学生を増やさざるを得ないと思っていますが、その方向とも合致しますね。

このような国際型大学に入るために何年も浪人する人が出てきたり、留年生が増加するかもしれませんが、それは仕方がないでしょうね。国際型大学では、外国人も教授になりやすくなるので、日本人学者も頑張らなければならない。大学教授受難の時代ですねぇ~(笑い)

Sさんの意見

日本語だけで高等教育を受けることができるというのは、日本の大いに誇るべきことであり、日本の強みでもあります。 英語で講義の効率が低下するぐらいなら、日本語で高度な教育を受ける方がはるかに意義があります。

「大学では英語」という国もありますが、その国の言葉で書かれた教科書を出版することに文部省などは補助金を出していると聞いています。やはり、母国語で学べるなら、それにこしたことはないからで、その方がレベルアップにつながるわけです。

将来、研究者として英語で論文を書くことになるとしても、まずは発表すべき内容がなければなりません。外国語の修得に比重を置きすぎることは本末転倒ではないでしょうか。(分野にもよりますけど)

 私の意見

私は高度な教育を受けるためにも英語は必要だと思います。自然科学であろうと、社会科学であろうと学問はどんどん進歩しています。世界各国で各分野の学者が次々と最新の理論を発表しています。そして論文のほとんどは英語で発表されるのです。 つまり学問の世界では英語が共通語だということです。

こうした論文を読みこなし、自分でも英語で発表できなければどんどん時代の波に取り残されてしまいます。日本人の書いた日本語の論文だけ研究しているのでは「井の中の蛙」になってしまうと思います。

カテゴリ

このサイトを購読する

月別アーカイブ

2008年3月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

RSS登録

  • My Yahoo!に追加
  • Add to Googleに登録
  • はてなRSSに登録
  • ivedoorリーダーに登録
  • エキサイトリーダーに登録

タグクラウド