115)15. 英語発音上達法の最近のブログ記事

Q.私ははじめて中学校の英語の授業を受けた日のことが忘れられません。

教科書の英語の復誦の際に、私がテープの通りに、なるべく正確に言おうとすると、それを聞いていた他の生徒が笑うんです。でもそれって違うと思うと言ったら、今度は担当の教師に笑われました。すごくショックでした。めちゃくちゃ疎外感感じました。(号泣) なぜなら、私が小学校時代行っていた英語塾ではキャネイディアン(と当時の私には聞こえた)の神父さまが自分の国籍は「カナディアン」でないと言い張り、どの子供も完璧に彼の国籍が言えるようになるまでくりかえし練習させたからです。

A.他の生徒が笑うのは許せるとしても、その先生はひどいですね。本当は正しい発音だといってほめてあげなければいけないのにね。

最初に習う英語の先生が発音がダメだと、生徒はあとあと本当に苦労します。発音がよくわからないうちは、必ず正しい発音のテープやCDの後について練習するようにしましょう。

これは「犬が寝るから『ケンネル』ではダメ」のところで説明しました。 とにかく素直になって正しい英語の音に耳をかたむけて、同じように発音できるように練習するのが一番です。

ちなみにCanadaの発音は「キャナダ」ですが、Canadianの発音は「カネイディアン」となります。

AA.慰めて下さってありがとうございます。 たぶん私があんまりムキになって言ってるのがおかしかったんだろうなと今では思います。(^^;) でも不思議ですね、人間の耳って。

英語再入門中の今になって、あのころクラスの他の生徒には、テープの音が本当に「ペンシル」って聞こえていたのかもしれないなと思うようになりました。私にはいいとこ「ペンソー」でしたが、他の国の人にはもっと違って聞こえることでしょう。

私も「キャナダ」は言えても「カネイディアン」が言えなくて神父さまを困らせてました。きっと、Canada+~anという変な知識があって、すなおに音を聞き取ることを邪魔したのでしょう。小学生の私には本当に「キャネイディアン」としか聞こえなかったんです。これが特殊な例だと知ったのは高校生になってからでした。 まず聞いて、それを自分の口で再現するそれだけなんですが、難しいですよね。

Q.ジャーナリストをしていた韓国人の知り合いに聞いた話しですが、日本語や朝鮮語は英語と比べて言語として使われている音が非常に少ないのだそうです。(例:BとVやLとRの使い分け、舌をはさむTHなどが無い)。

その方の話しだと、朝鮮語も音が少ないが、日本語はさらに少なくて、英語の約半分くらいの音しかないそうです(この辺り、聞き語りですので誤りがあれば詳しい方、修正お願いします)。これにはかなり驚きました。

彼女は、母国語の音の少なさにより、英語の音を瞬間的に正しくキャッチして追いかけられないのが、両国民の英会話が苦手な理由だ、と考えているようでしたが、説得力があったので、今でも覚えています。

 

A.おっしゃる通り、日本語は「言語として使われる音」が少ない言語です。言語学ではこの「言語として使われる音」のことを音韻(phoneme)と呼んでいます。 たとえば日本人は英語のLとRの区別が苦手ですが、それは日本人はこの2つの音を同じ音韻ととらえているからです。つまり日本人の頭はこの2つの音が同じ音に聞こえるわけです。

またご指摘のように、”th”のような音はないですから、発音するのは苦労します。また日本語にない音なので、日本語にもある”s”の音で代用しがちです。

子供はまだ日本語の音韻が確立していないので、英語の音韻を聞くとそのまま素直に吸収します。子供のうちはちゃんとLとRは違った音に聞こえるのです。ところが、大人になってから英語の発音を習うと、日本語の音韻が確立してしまっているので、どうしても英語の音をそれに近い日本語の音で代用しがちなのです。

 子供の時に、正しい英語の音を聞いて英語を吸収していると、ネイティブスイーカーに近い発音になれるのに、大人の英語はなかなか日本人的な発音がとれないのはそのためです。

今、ジョーダン女史のSpoken Japaneseを読み始めているのですが、ローマ字による発音表記法、特に高低アクセントの表記法がたいへんおもしろいと思います。

日本語には高低の2つのアクセントがあり、単語やセンテンスレベルでどのようにこれが変化するのかを覚える必要があります。 東京では箸のことをHA-shi、橋のことをha-SHIと大文字の所を高く、小文字のところを低く発音します。

「こんにちは」をこの方法で書くと、日本人はko-N-NI-CHI-WAと話すのに、英米人はko-n-NI-chi-waと話しがちだということになります。

日本での日本語教育ではアクセントの表記法はひらがなにいろいろな記号をつけて表記することが多いのですが、ジョーダン女史の方式は英語圏の人にはとてもわかりやすいだろうと思います。

また日本人が同じ音だと思いながら、気がつかないで違うように発音している場合まで細かく説明されていて、これならば自然な日本語らしい発音ができるようになるだろうと思いました。

日本語の場合は「ひらがな」がほぼ発音と一致しますが、英語の場合はスペリングと発音が全然違うので問題です。そこで英語の発音を表記する為に発音記号が使われるのですが、日本人でこれをまともに発音できる人が非常に少ないのです。これは本当に問題だと思います。

単語のスペリングを書くことはできるのに、その発音を発音記号で表記することができない人が多いのは、いかに発音がないがしろにされているかの証明だと思います。

単語を発音記号で書けないというのは、漢字にひらがなで「ふりがな」がふれないのと同じことです。 結局、英語に近い日本語の音を代用して、英語をカタカナ読みしているので、話しても通じない、聞いてもわからない変な英語を覚えてしまうことになってしまいます。

やはりジョーダン女史のように、たとえ多少大変でも、学習を始めてなるべく早いうちに、個々の発音記号を発音でき、かつ聞き分けられるような訓練をするべきだと思います。私たちの学校では「発音」のクラスでこれを徹底的にやっています。

115)15-04 語尾の子音

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Q.私を悩ませているのは、単語末の子音の発音です。

どこかで、日本人は単語末の子音を強く発音するべき、と聞いたことがあります。例えば日本人の英語の発音は、"shop"が「ショ」、"blain"が「ブレイ」に聞こえがちなのだそうです。それで、頑張って子音を強く発音しようとすると、[p]が[pu]になったり、[g]や[ng]が[gu]や[ngu]になったりしてしまいます。

また、[m]や[n]のような鼻音が単語末に来るとかなり厄介。例えば、"sum"、"sun"と"sung"の3つが、口の形は区別できても、音声として区別できません。

 

A.語尾の子音は弱く発音されます。もちろんアナウンサーや俳優のようにきちんと英語を発音しなければいけない職業の人は訓練を受けていますから語尾の子音まで正確にきちんと発音します。

しかし一般の人の場合はネイティブスピーカーでも語尾の子音はかなり弱く発音されます。日本人だけが語尾の子音を弱く発音するというのは誤解です。

逆に日本人が語尾の子音を強く発音しようとすると、その後に不必要な母音をつけやすく、これが誤解のもとになります。shop は「ショッ」batは「バッ」と聞こえるくらい語尾の子音を弱く発音したほうが「ショップ」「バット」とカタカナ的に発音するよりずっと英語に近い音になります。

語尾の子音が弱く発音され聞き取れない時、ネイティブスピーカーはどうやってその違いを認識しているのでしょうか?

例えば bat と bad は語尾の子音が弱く発音されると t と d はほとんど聞き取れません。それでもこの2つの単語は明確に区別できるのです。 それは t と d の前の a の音が違った発音をされるからです。 

a の音は日本語のエとアの間のような音で発音記号で書けば同じですが、t のような無声音の前では短く d のような有声音の前では長く発音されます。 bat の場合はつまったような短い音、bad の場合はすこし長く伸ばしたような音で発音されるのです。

このように英語の発音は前後にある発音によっていろいろな影響を受け、同じ発音記号の中でも変化しますから、個々の発音記号を単発で練習するのではなくて、単語や文の中でネイティブスピーカーがどう発音しているのかをよく聞いて同じように発音できるように真似しながら練習していかなければなりません

Q.日本のラ行の子音"r"の発音って、[r]というよりか、[l]ですよね? 舌を歯茎に付けるとこからして(厳密には違うと思う)。

 中学生の時、日本に来てまだ間もない外人の英語の先生が、日本の"r"の発音をそのまま[r]で発音しているのを聞いて、結構不自然だったのを覚えています。

私には、E-mailで日本語を教えている外人のペンパルがいるのですが、このような個人的な意見なのですが、その人たちには、「日本の"r"はなぜだか[l]と発音するんだよ。」と教えています。

  ヘボン(ヘプバーン)さんには[r]に聞こえたのでしょうか。それともイタリアの"r"の発音が[l]っぽいのでしょうか。はたして私が間違っているのでしょうか。 

A.日本語のラ行を発音する時の音と英語の〔l〕の音は違う音声です。音声記号でも違う記号を使います。

日本語のラ行の音は舌先で歯茎を一回だけたたきながら発音するflapped'r'と呼ばれる音声です。

英語の〔l〕は舌を歯茎に近い上の前歯の裏側に舌先をやわらかくして押し当てその左右から息を通しながら発音する側音というカテゴリーに分類される音声です。

英語の〔l〕には語頭で使われるClear'l'と語末で使われるDark'l'があり基本は同じですが少し発音の仕方が違います。

語頭で使われるClear'l'の場合は日本語のラリルレロと混同しないよう、〔l〕の音を誇張して十分響かせてから次の母音へ移行します。

語末で使われるDark'l'の場合はすぐ前の母音から舌端を心持とゆっくり上の前歯の後ろまで上げながら唇を日本語のオを発音するときの形にしておきます。そうして、しっかり舌端を前歯の裏に押し付けその位置を保ちながら〔l〕を発音します。舌端はすぐに離してはいけません。

理屈はこうですが後は練習です。ためしてみて下さい。

Q.文法同様、発音にも理屈がある。その理屈を知って練習すれば、習得がより早くより正確になる訳です。

音をオーディオ・テープで聞いて練習すると言うのは、勿論重要な事ですが、時に耳は正しく音を聞き分けてくれません。例えばお話の、2種類のL音の問題なんか聞き分ける耳が普通無いと思います。

 

A.おっしゃる通り日本人の耳は英語のL(/l/)とR(/r/)と日本語のラ行で使うflapped'r'を同じ音として認識しこれを聞き分ける事は難しいです。なぜでしょうか?

これを理解するには音声と音韻という概念が役にたちます。 音声学では/r/と/l/とflapped'r'は違う音声としてあつかいます。しかし日本語にはこの3つの区別がありませんから、日本語しか聞いてこなかった人はこの3つの音声を同じ音として認識してしまうのです。

この同じ音として認識してしまう音声のグループのことを「音韻」といいいます。日本語に慣れた脳は/r/と/l/とflappeed'r'は同じ音韻に属すると判断してしまうわけです。

この音韻はだいたい10代前半で確立するといわれています。すなわち子供のころは/l/と/r/とflapped'r'は違う音として認識できるのに、この10代前半の時期を境に区別できなくなってしまうわけです。

脳というコンピューターが日本語の音韻をプログラムに組み込んでしまって、他の言語の音声を聞いても日本語の音韻でもって分類してしまうわけですね。 子供の時期に外国語を習うと発音が良くなるのはこういう理由からです。

大人になってから英語の発音を学ぶということは一旦確立した音韻を英語用にもう一度組みなおすことですから大変です。よほど注意して聞かないと同じ音韻内の音声を区別することは難しくなります。

ちなみに英語の音韻ではflapped'r'は/r/と同じ音韻に属すると判断するようです。日本語のラ行がra,ri,ru,re,roとrをつけて表記するのは英語の話者には日本語のラ行は/r/の音に聞こえるからです。

日本語の音韻と英語の音韻が違う事で起こる問題の例をもう1つあげます。それは日本語の「ん」の音韻です。

「ん」には/m/と/n/と/ng/の3つの音声が含まれますが日本語ではこれを区別せずに同じ音韻として認識します。でも英語ではこの3つはそれぞれ違う音韻として区別します。

散歩の「ん」は 英語では sampo で /m/ の音です。
便利の「ん」は 英語では benri で /n/ の音です。
勉強の「ん」は 英語では bengkyoo で /ng/ の音です。
でも日本語ではみな「ん」として区別しません。
だから日本人はこの語尾の/m//n//ng/の区別が苦手なわけです。

生徒の発音をチェックしていると非常の多くの生徒が one of を「ワンオブ」と発音することに気づきます。しかし「ワンオブ」では「ん」の音は/ng/の音になってしまっています。one の最後の子音は/n/の音ですから、舌は歯茎につけて発音しないといけません。したがってカタカナ表記すれば「ワンノブ」になります。同様に an apple は 「アナプル」 an orange は「アノレンジ」になります。

このように英語の語尾の「ん」に近い音は唇を閉じて発音する/m/, 舌を歯茎につけて発音する/n/,舌の奥の方を持ち上げて発音する/ng/の音を意識して区別して発音しないといけません。

Q.ところで、母音の発音の考え方はかなりバラエティーがあります。それの反映の発音記号も辞書により少しずつ違っていたりしています。

私の辞書は研究社のですが、「エ」の弛緩音である数字の3の逆になったのがありません。「オ」の弛緩音である、Cの逆になったのはりあますが。これは日本の辞書では普通なんですか?どうも不合理に思えてしまうのですが。


A.発音表記は辞書によって違うので混乱する場合がありますが、自分の使っている辞書のそれぞれの発音記号がどの音声を表しているかに慣れればそれほど難しくないと思います。

ご指摘の3の逆になった発音記号は以前は/e/の発音記号で表していましたが、二重母音の/ ei /と混同しがちなので使われるようになったのだと思います。

同様に以前は/ i /の発音記号で表していたものも、/ i: /と混同しがちなので、/Ⅰ/で表す辞書が増えています。

もっといろいろな発音記号のバラエティにも触れたいのですが、HTMLで使えるフォントが限られているのでこの辺でやめておきます。

Q.テストとかに、発音問題が、あります。私はいつも、ぜんぜん分からないので、なんとなくか、かんで、解いています。確実にできる方法はないでしょうか。

私は、単語の1つ1つの発音をきっと、覚えられません。何か規則性が、あるんだと思いますが、よく分かりません。だれか、発音問題が、簡単にできる方法を知ってる人は、教えてください。お願いします。


A.発音問題がわからないのは一つ一つの単語の発音を正確に覚えていないからです。英語学習をする上で発音はとても大切です。間違った発音で英語を覚えると英語が聞き取れなくなりますし、自分で話しても通じなくなってしまいます。

ちょっと大変ですがまず発音記号をきちんと自分で発音できるようになってください。カタカナで英語の発音を代用しているのではいつまでたっても通じる英語はマスターできません。 

参照項目  3.発音記号を覚えよう 

英語の発音と文字にはある程度規則性があります。

子音に関してはほぼ発音と文字は一致します。r, l, th, p, b, t, d, s, sh, chなどは見ただけでほぼどんな発音かわかる文字です。

やっかいなのは母音でこれはかなり複雑で同じ文字でもいろいろな発音をします。でもある程度規則性がありますから慣れればどう発音するかは大体わかるようになるはずです。

規則性を利用したフォニックスという指導法もあります。

詳しくは 26. 子供の英語教育   の項目をご覧下さい。

しかし実際に発音問題にでるのはこうした規則性からはずれているものが多いのです。

あげるときりがありませんが、生徒を指導していて皆が発音を間違える例をいくつかあげてみたいと思います。

まず~を許すという意味の allow です。これは多くの生徒は「アロウ」と発音しがちです。しかし正しい発音は「アラウ」です。

それから win の過去形の won。これは「ウオン」と発音しがちですが、「ワン」が近い発音です。won と one は全く同じ発音です。

say は 「セイ」ですが says は「セイズ」ではなくて「セズ」になります。

南という意味の south は 「サウス」ですがその形容詞の southern は「サザン」で「サウザン」ではありません。「サザンオールスターズ」というミュージックグループがあるでしょ。その「サザン」です。

こうした間違えやすい発音は試験でもよく出題されますから要注意です。

Q.最近、発音問題には、規則性があると友達に聞きました。例えば、もっとも強く発音する部分を示しなさい。という問題があります。

例えば、at・ten・tionの単語のような,-tionのつくものは、1つ前の音節に第1アクセントに語尾があります。こんなふうに簡単なルールで強い発音が、わかります。ほかに、このような、簡単に強い発音が、すぐにわかるようなルールを教えてください。お願いします。


A.アクセントも基本はきちんとひとつひとつ覚えていくべきだと思いますが、接尾辞をつけた場合アクセントが移動することで覚えておくと役にたつものがいくつかありますから紹介します。

 -al という接尾辞がついた単語は
(1)この語尾の前に子音字が2つあれば、その直前にアクセントがあります。(accidental, autumnal, triumphal, universal),
(2)この語尾の前に母音、あるいは子音字が1つのときは、その2つ前の音節にアクセントがあります。(例 annual, animal, capital, original)

-ic で終わる語のアクセントは -ic の直前の音節にあります。しかしこれにはわずかの例外があって、よく発音試験に出されます。(例外 Arabic, Catholic, rhetoric, lunatic, arithmetic, heretic, politic は第1音節にアクセントがあります)

動詞に -ee を付けて人を表す場合は -ee にアクセントが来ることが多いです。(例  trustee, employee, interviewee, addressee)

こんなふうに規則性を覚えてもかえって混乱するのではないでしょうか。素直にどう発音するか、どこにアクセントがあるか覚えていったほうがずっと速いし、そうでなければ自分で話す時に正しいアクセントで話せないと思います。

こうした規則が役に立つのは自分が見たことのない単語のアクセントを推測しなければならない時だけです。

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