201)頂いたお便りの紹介の最近のブログ記事

稲垣様

 初めてメールを差し上げます。小生、現在、オーストラリアで日本語教育にたずさわっているものですが、もともと、故松本亨先生のNHK英会話の放送がきっかけで、英語に興味を持つようになり、地球の果てオーストラリアにまできてしまいました。松本亨先生のご著書の主なものは、今でも、ときどき読み返し、また、新鮮な気持ちで外国語としての日本語教育を見直したり、英語の勉強を怠けている自分にハッパをかけたりしています。

最近、ふと、松本先生の書かれたものが、まだ、販売されているのだろうかと、インターネットでさがしていたのですが、偶然、フィニックス英語学院のホームページが見つかり、その前身が松本亨英語学校であることを知りました。松本先生の英語習得の哲学がそのまま受け継がれ、実行されているのを知り、ぜひ、メールを差し上げたく思った次第です。

小生が英会話放送を聞き始めたころは、まだ、テープレコーダーには、手の届かないころで、録音しておいて、あとで繰り返し、というわけにはいかない昔のことです。それでも、(そのおかげでと言った方があたっているかもしれませんが)、必死になって勉強したことを覚えています。あのころの熱情を持って、英語の勉強を続けていたら、今ごろは、すごい英語力が身についているのにと後悔するのですが、そこは、人間の弱さ、あるところまで、達してしまうと、手を抜いてしまうのが常のようです。

それでも、大学の英米学科に入り、その後、アメリカの大学院に入学、そして、オーストラリアの大学で、23年間、すべて、松本亨先生のおかげだと思っています。もし、先生の放送を聞いていなかったら、今ごろは、日本国内で技術関係の仕事をしているのではないか、と想像したりしています。(大学受験準備の途中で、専攻予定を精密工学から英語に変えてしまったのも、先生の放送の「おかげ」だと思っています。)

こちらに来てから、数年後に、日本からの留学生から松本先生が亡くなられたことを聞いて、驚きました。これから、さらにご活躍されることを当たり前のように考えていたので、ショックでした。しかし、先生の英語習得の哲学は先生のご著書を通し、また、フィニックス英語学院のようにそれを実行される方々によって、末永く、若い英語学習者たちに影響を与え続けていくものと思います。

小生の日本語教授法にも、松本先生のお考えが、無意識に、また、意図的に、少なからず取り入れられています。

三、四年前に、日本からある女子留学生が、相談に私のところにまいりました。彼女の英語を聞いて、私は、てっきり、日本国内のインターナショナルスクールかなにかの卒業生だと思い込んでいたのですが、あとで、松本亨英語学校の卒業生だと聞いてびっくりしました。

日本の英語教育は、学習教材から言っても、教授法の点でも、小生が日本にいたころに比べると、段違いに向上しているものとは思いますが、小生の大学に留学してくる日本人学生を見ている限り、まだ、もう一歩という感じを持ちます。その中で彼女の英語を聞いて、松本亨英語学校の威力に感心したものです。

フィニックス英語学院も、松本先生のお考えを踏襲されているので、大変効果的な英語教育をされているものと思います。

大学に勤めていて、こんなことを言うと、大学の偉い先生方にお叱りを受けるかもしれませんが、大学の外国語授業は、一般の外国語学校のように授業の方法や内容に柔軟性を持たせることが非常にむずかしく、稲垣先生もご存知のように、大学の英米学科、英文科を出ても、自由に英語を話したり、読んだりできないのが普通のように考えられています。

小生は、時々、気のあった同僚には、大学で本当に効果的な外国語教育は無理だよ、と率直に話します。これは、日本でも、外国でも同じだと思います。予算の関係から最近では、会話の時間に20人以上も詰め込むことがあり、いくらがんばっても、本当の意味でのコミュニケーションというものは成立しがたいのではないかと思います。

もちろん、いろいろ工夫し、学生中心の学習に持っていく努力はしていますが、どうしても大きな制約にぶつかります。その点、フィニックスのような制度が取れるところでは、効果的な学習環境を整えることが可能なような気がします。

 今後も稲垣先生の教え子たちが、すばらしい英語を駆使して、国内外で活躍されるものと信じております。また、フィニックス英語学院の今後のますますのご発展を願っております。

加藤英司

私の先輩にあたるような方にはげましのお便りをいただいて感激しております。松本亨先生の意思を継いだ良い英語教育のためにがんばりたいと思います。これからもよろしくお願いいたします。

Q.いきなりメールを出して申し訳ございません。私は、奈良女子大学で教育を専攻している者です。

もうすぐ卒論を執筆しなければいけない時期に来ていまして、インターネットでいろいろ検索していましたら、このホームページをたまたま見つけ、もしかしたらご相談にのっていただけるかと思い、メールしました。

  私は卒論のテーマを、一応、H.E.パーマーを考察する方向で考えていまして、いろいろ本を読んでみると、彼が語学教育研究所の初代所長をされていたということを知り、語学教育研究所の方に連絡を取れば、何か資料を貸していただけるのではと考えていました。 もしよろしければ、どうやって語学教育研究所に連絡を取ればよいか、教えていただけないでしょうか。

また、パーマーについて詳しく書いてあるような文献がなかなか見つからないのですが、何か良い文献があれば教えていただけませんでしょうか。

  私は、将来英語教師になろうと思っているのですが、教員採用の試験を受けるたびに、自分の英語力のなさに驚かされています。先生のホームページに書いてある学習方法は、非常に分かりやすく、がんばって英語を勉強しようという気になりました。これからも英語を少しでも自分の身につけられるように努力したいと思います。  お返事よろしくお願いいたします。 

A.私は語研に所属していますが、時間がなくてほとんど語研の活動には参加していませんので、あまりお役にたてません。

 語研の連絡先は 財団法人語学教育研究所

〒113-0033 東京都文京区本郷1-35-28 メゾンドール本郷901号室 TEL03-3818-9648 FAX03-3818-9885 です。

パーマーの著書で私のリストにのっているものをいくつかあげます。

Palmer.H.E

(1917)
The Scientific Study and Taching of Languages, London: George G.Harrap.

(1924)
Memorandum on Problems of English Teaching in the Light of a New Theory, Tokyo: IRET, Kaitakusha. (語学教育研究所編、1924、『英語教授法事典』開拓社)

A Grammar of Spolen English, Cambridge: W.Heffer

(1925)
English through Actions, Tokyo: IRET, Kaitakusha

(1933)
Second Interim Report on English Collocations. (Reprinted, 1966, Tokyo: Kaitakusha)

(1938)
A Grammar of English Words, London: Longmans.

 (1939) A Grammar of Spoken English, Cambridge: W.Heffer & Sons

Q.はじめまして。 いつもHPを拝見させて頂いております。 半年ほど前に、突然、フェニックスをたずね、 案内書を頂いた者です。

実は、私は通訳者になりたくて、英語を勉強 しようかと思っております。 と申しましても、現在31歳という年齢で、「いったい何年勉強すれば通訳者として仕事ができるように なるのだろうか?それが達成できないのであれば、学校に通うのは無駄なのでは?」 と考えてしまい、なかなか第一歩が踏み出せません。 もし、学校に通うとしても、週2日が限界なのですが、 実際に、初心者からはじめて、何年くらいで通訳者並みの英語力が身につくものなのでしょうか? 

本人の努力次第であることは解っているのですが、平均的にみて、どの程度の時間が必要なのかを知りたいと思い、メールさせて頂きました。 非常にくだらなく、英語学習には関係のない質問で申し訳ありませんが、ご指導のほど、宜しくお願い申し上げます。

 

A.通訳になる為にはどのくらいの英語力が必要かという質問だと思います。ここで言う通訳というのは、いわゆる逐語通訳や同時通訳のことだと考えます。(通訳ガイドというのはまた別の仕事です)

私は通訳ではありませんから、お金の取れる通訳をやれと言われてもできません。しかし、通訳になる為の訓練を受けたことがありますから通訳になるためにはどの程度の英語力が必要かということは想像できます。

英語の資格試験で言えば最低英検1級、TOEICは900点以上、TOEFLは600点以上は確実に必要だと思います。このくらいの英語力があって初めて通訳になるためのスタートラインに立てると考えていただいて結構です。

さらにその上で通訳になる為の特殊な訓練が必要です。逐次通訳の場合にはメモのとり方が大切です。通訳はとにかくお客さんの話していることを一語一句正確に訳さなければならないのですから大変です。

お客さんの話していることを全部を書き取るなどということは時間が足りなくてとてもできませんから自分なりに工夫した記号や略字を使うのですが、それでも数字や固有名詞は書き取らなくてはなりません。私の先生はメモをとる練習のしすぎで腱鞘炎になったと言っていました。

自然科学、社会科学、医学、コンピューターなどの各分野を勉強し、かなり細かいところまで専門的な知識を持ち、これを英語と日本語できちんと説明できなくてはいけません。普通の日本人が持っている程度の知識では全然足りません。

英語の勉強だけでなく、日本語での幅広い、かなり細かな専門的な勉強も大切なのです。 訳した日本語や英語は正しくなければなりません。英文和訳の場合は少なくとも訳した日本語が正しいことはわかりますが和文英訳の場合は訳した英語が間違いなく正しいと自信が持てるところまでいくのは相当の量の英語を知っていなければなりません。

英語のネイティブスピーカー、それも専門知識のあるインテリの前で専門用語を駆使して難しい概念を英語で説明しなければならないのですから冷や汗ものです。逐次の場合は聞いている人も英語と日本語の両方を聞きますから、いいかげんなことを言うとすぐバレてしまいます。

同時通訳の場合はさらに別のことを話しながら、次に訳すべきことを聞いて理解しかつそれにあたる他の言語の表現を思いつかなくてはなりません。これには相当な訓練が必要です。この込み入った作業を同時に進行させていくわけですからまさに神業と言っていいと思います。

日本語と英語では語順が違いますからさらにやっかいです。例えば日本語は最後まで聞かないとその文が否定文だということがわかりません。ところが英語は否定の言葉は文頭にきますから日本語で聞いた順番に英語に訳していくと最後まできて全く反対のことを言っていたなどということがおこりうるのです。

英語と日本語のバイリンガルだからといって通訳になれるとは限りません。鋭敏な反射能力がない人は通訳には向かないと思います。通訳は才能があって初めてできる仕事なのです。英語と日本語が両方できてその上で特殊な訓練をし、その中のほんの限られた人のみが通訳になれるというのが現実です。

プロになってからも通訳はものすごい量の勉強をします。現場に出る前は通訳をする分野に関する膨大な文献を読みこなし、特殊な語彙を覚え、何を言われても適切に訳せるよう準備をしなければなりません。

以上から通訳というのがそんなに簡単にはなれない仕事だということがおわかりいただけたかと思います。でもその難しい仕事に挑戦することはすばらしいことだと思います。その為にはまず英語力をしっかりつけなくてはなりません。

気をつけなければいけないのは通訳学校に行けば通訳になれるわけではないということです。通訳学校で学べるのは、通訳技術と先輩から教えてもらうコツのようなものだけです。英語力をつけるのは自分でやらなければならないのです。 英語力をつけるという目的のためだったら通訳学校よりフィニックスの方が良いと思います。フィニックスは英語力をつけるための学校ですから。

そして英語力をつけた上でさらに通訳に必要な特殊な技術を学ぶ為に通訳学校へ行けば良いのです。 週2日学校に通うだけの英語の勉強では20年英語の勉強をしても通訳にはなれないでしょう。

Q.毎日ホームページ拝見させていただいております。 勉強においての暗記がいかに大切かがよくわかりました。 勉強法についての迷いもなくなりました。

現在、話すための英文法を、これだけを徹底的に覚えており、ほぼ9割方覚えられました。 さらにこれを完璧にし、英会話入門の暗記を始めようと思っております。

目標として、タイム、エコノミスト等の雑誌がすらすら読め、英語ですらすら思いど うりに話せるようになりたいと思っております。現在TOEIC740点です。

そこでなんですが、大変情けない話なんですが英会話入門の暗記と英会話、又は、ビ ジネス英語の暗記をしようか、それとも、 英会話入門の暗記と、茅ヶ崎の時事英語教本の応用編(2000語じゃない例文の 載っている方)を丸ごと覚えてしまってジャパンタイムズを読もうかどうか迷っております。

本当は、これくらい全部やるのが、当然なのかもしれませんが。 あまり、いろいろと手を出すよりご指摘のとうり 同じ本を繰り返し何度も暗記したほうが良いと思いますのでどちらか片方ぐらいが自分の限界かと思います。 本当にお忙しい所、大変あつかましいですが アドバイスの方お願いいたします。

 

A.このホームページができてからあまり時間がたっていないのにもう「話すための英文法」をほとんど覚え終わっているということは相当勉強されていると思います。

次に覚えるものは自分が興味を持てるものをやればいいと思いますが、タイムやエコノミストが読めるようになりたいのであれば、茅ヶ崎方式の方をおすすめいたします。 英語を覚えるということは英語の学習の基本になることですから、これからもコツコツと続けていって下さい。

そのほかに英語を読んだり、聞いたり、書いたり、話したりということをいろいろとやってみてください。 要するに脳というコンピューターに英語という言語をいろいろな形で何度も通してやることが大切です。そのうち脳の中の英語の回路がだんだん増えてきます。

資格試験を目標にするのもいいと思います。もしも英検準一級にまだ合格されていないのであればまずこれを目標に勉強すると良いでしょう。またTOEICは800点を皮切りに900点がとれるまでがんばってみてください。

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