102)2. 英語漬け教育とは?: 2007年5月アーカイブ

 Q.2 赤ちゃんが言葉を覚える際の順序は聞く→話す→読む→書くの順番で、大人が外国語を学ぶ際もやはりこの順番に行なうのが一番効率的ということはないでしょうか? 日本の英語教育はいきなり第三段階から始めるため、後で僕のような苦労を強いられるような気がします。

A.2 おっしゃっている通り「聞く」「話す」をまずやるべきだという教授法は多数あります。こうした教授法の方が主流といっていいとおもいます。  

例としては日本の英語教授法に大きな影響を与えたパーマーのOral Method。これは私も属している語学教育研究所で多数の大学、高校、中学の英語の先生方によって教育現場への応用が研究されています。私は21世紀の日本の英語教育を変えていくのはこうした真摯な努力をされている先生方だと思います。

それから日本語をいっさい使わせないDirect Method。これはベルリッツで使われているので、ベルリッツメソッドとも呼ばれています。

私が筑波大付属中学の教育実習で使ったAudio Lingual Method, Graded Direct Methodもそうです。私は中学の英語の授業を英語だけで教えました。

Total Physical Responseは幼児が話せるようになる前に母親の指示に的確に反応できることに注目した教授法で学習者に教師の指示にしたがって動作をしていくことにより英語を身につけさせようという手法です。

実際のところ新しい教授法のほとんどは聞く、話すをやってから書く、話すに入ります。それは前にも言ったように「言語の本質は音」だからです。

私個人の意見としては学習の順番として聞けて話せるようになってから初めて書く読むを始める必要はないと思います。読む、書く、聞く、話すは同時に勉強してもかまいません。  しかし強調したいのは言語とはつづりの前に音があって、これこそが大切だということです。

英語を覚えるとは「正しい英語の音を覚える」ということです。最初に覚える時にいいかげんな音で覚えると、正しい音を聞いてもその音に反応できなくなります。すなわち聴き取れないということになります。また間違った音で話すことになりますから相手に通じなくなります。これがいわゆる「ゆがんだ」英語です。 覚える時にはテープまたはCDなどの音の教材を聞いて、それと同じように発音できるように覚えていかなければダメなのです。 「言葉は文字ではなく音が主人公だということ」は語学学習の基本中の基本です。

 Q.1 あなたに影響を与えてきた教授法を紹介してください。

A.1 今までの私に影響を与えてきた教授法をいくつか紹介したいと思います。

 1.松本 亨の「英語で考える」

 私の基盤になっている教授法です。私も含めフィニックスの日本人講師は全員がこの方法で英語をマスターしました。フィニックスはかつて東京松本英語専門学校という名前でした。TIEは「英語で考える」を独自の体系に構築されたボブ西崎先生が作られた学校です。 

 2.Richard Viaのドラマメソッド

Via氏はブロードウエイの俳優、舞台監督、ディレクターをされていた方で奈良橋先生はVia先生の教授法をもとにMLSという英語学校をつくられました。Via先生はNHK英会話入門を担当されている遠山顕先生の先生でもあります。

この2つがメインですが、他に私の通っていた筑波大付属中学で使われていたAudio Lingual Method、最近はやりのCommunicative Approach, ドラマと似たTotal Physical Responseなども使います。 また概念として影響を受けているものにNatural Approach, Total Immersion などやニューヨーク大学で学んだドラマ教育で使われるDrama in Education. Theater in Educationの手法などがあります。

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