124)24. 英語スピーチ(英語演説): 2007年7月アーカイブ

Introduction(導入部)はスピーチの最初のところです。ここで最も大切なのは聴衆の心をつかみ「おもしろそうなスピーチだな」と思わせることです。どのスピーカーもIntroductionには特別な気をつかいます。

聴衆の心をつかむにはどんな方法があるのでしょう?いくつか例をあげてみます。

1. 聴衆に質問をなげかける

スピーチを聴衆に対する質問ではじめるのはよい方法です。

例えば「皆さんは世界で最も自殺者が多いのはどこの国だと思いますか?」のように質問を投げかけ、その答えを考えさせることによってスピーチに興味をわかせる手法です。

質問をすると聴衆は質問について考えるし、答えを知りたいと思うのでスピーチにうまく引き込むことができます。

2. 自分の体験談からはじめる

人が実際にした体験談というのは聴衆は結構興味を持つものです。

「先月、ラスベガスに行ってきたのですが実はこんなことがありました。」のように自分の体験を披露します。

楽しかったこと、悲しかったこと、恥ずかしかったこと、ショックだったことなどみなさんの人生にもいろいろなことがあったと思います。こうしたことをスピーチのテーマにあわせてうまく利用します。

自分の体験談がない場合は人から聞いた話や本や新聞などで読んだ話でもかまいません。日ごろからあちこちにアンテナをはってスピーチで使えそうな話を仕入れておきましょう。

3. 会話ではじめる

上の体験談とも関係しますがスピーチを突如会話ではじめると聴衆は「はっと」しますから興味をひくことができます。

例えばこういうのはどうでしょう。

「すいません。ちょっとお聞きしていいですか?」振り向くとそこにはかわいらしい20歳くらいの女性が困ったような顔をして立っていました。

情景が目に浮かびませんか?会話を使うと聞いている人の頭にその場面を映すことができますから普通にスピーチを始めるよりも興味を持たせることができます。落語や一人芝居のように声色を変えたり、ジェスチャーをつけたりして臨場感を出すとさらにいいです。


4.ジョークではじめる

ジョークや冗談で人を笑わせてスピーチを始めるのも一つの手です。

聞いている人が3人しかいないのに「今日はこんなに大勢の方の前でスピーチできるとは思っていませんでした」なんているのが一つの例です。

ジョークや冗談にはセンスがあって得意な人とそうでない人がいます。パッとその場を笑わせるジョークが思いつけるの方もいますが一般にはそう簡単にはいきません。でも考えれば人を笑わせるジョークの一つや二つは思いつくと思います。そんなに数はなくてもいいのです。過去に使ってみて「受けた」ものは他の場面でも使いまわしてください。

英語のスピーチはIntroduction, Body, Conclusionでの3つの部分から構成されるのが一般です。

 Introducitonの部分はスピーチの始め1割から2割くらいの部分で、聴衆にどんなことを話すのかをわからせ、興味を持たせることがポイントになります。

Bodyの部分はスピーチのメインな部分で全体の6割から8割をしめます。いかに聴衆をあきさせず、スピーチの内容に引き込んでいくかが大切です。

Conclusionの部分は全体の1割くらいで、それまで話していたことをまとめ、聴衆に強い印象を残しておくことがポイントになります。 それぞれの部分で使えるテクニックを考えてみたいと思います。

私はよくスピーチを料理に例えます。おいしい料理を作るためにはよい素材を使って、いろいろな調味料や料理法を使って工夫しなければなりません。スピーチも同じです。「聴衆がスピーチを聞くことによって学ぶ内容がある」ということが素材です。そしてそれを聴衆が興味がわくように工夫するのが料理法の部分です。

素材と料理法ではどちらが大切でしょう。もちろん両方とも大切ですが、私は料理法の方が大切だと思います。なぜなら料理法を間違うとどんな良い素材を使ったとしてもまずい料理になってしまうからです。逆に素材がありふれたものであったとしても、料理法を工夫すれば結構食べられるものにすることができます。

スピーチも同じです。良い素材を探すことも大切ですが、限界があります。なぜなら私達、平凡な生活をしている人間にとって他の人が聞いて学べる内容のある素材を見つけることはなかなか難しいからです。すばらしい素材はそんなに簡単には見つからないのです。(もちろん常にアンテナを張って、スピーチの素材はないか、探しておくことは必要です)

私はスピーチの素材に関してはありふれたもので十分だと思います。要は「どうそれを味付けして聞いておもしろいスピーチにすることができるか?」ということだと思うのです。その為にはいろいろ工夫しなければなりません。適当に料理するのではおいしいスピーチはできません。やはり味付けや火加減、盛り合わせに最大限の工夫をするべきです。スピーチの書き方を学ぶということは限られた材料でおいしく食べられる料理法を学ぶことと同じなのです。

準備の時間が十分取れる時は、なるべく工夫して、おいしく料理したスピーチを出すべきです。prepared speechの場合は言葉の一つ一つを吟味して選び、deliveryも何度もリハーサルして望みます。

でも即席で短い時間でスピーチを作らなければならないこともあるかもしれません。そんな時でも手際よくサッと料理して、そこそこのスピーチができなければなりません。

ここのところが難しいのです。でも慣れによってだんだんそのコツはつかめてきます。ちょっと工夫するだけで、平凡な料理も結構おいしく食べられるものです。

スピーチをして、これを人に聞いてもらうということは聴衆の時間をもらうということです。それもたくさんの人の時間を一度にもらうわけですから、聞いてもらう時間を意味のあるものにするよう最大限の努力をしなければなりません。

聴衆のことを考えずに自己満足のスピーチを長々する人がいますが、こういう人は自分は聴衆の時間を盗んでいるんだと思ったほうが良いと思います。

自分のスピーチはテレビの番組と考えていただければ結構です。テレビはつまらなければすぐスイッチを切ったり、チャンネルを変えることができます。自分のスピーチはチャンネルを切られないかと常に考えながらスピーチをするのです。

スピーチは目の前にスピーカーがいますからよほどのことがないと退席するようなことはないと思います。でも本当は聴衆はあなたのスピーチにうんざりして席を立ちたいと思っているのを我慢しているのかもしれません。

そういう意味でスピーチをしている間にも常に聴衆の反応を見て、自分のスピーチがあきられていないか確かめ、スイッチを切られそうになったら軌道修正できるようにしていなければなりません。

私は聴衆にとって意味のあるスピーチとは少なくとも以下のどちらかの要素がなければいけないと思います。

1.聴衆がスピーチを聞くことによって学べる内容がある

2.聴衆がスピーチを聞くことを楽しめる

どうしたら聴衆にとって意味のあるスピーチができるかこの2つの点から考えてみたいと思います

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