140)40-04. 日本語で考えたものを英語に訳すのと直接英語で表現する方法の違い
I さんの質問
Misterは、「英語を書くほうが話すことよりやさしいと思っている人は英文法を使って日本語から英語に訳して話したり、書いたりしている人です。訳すと時間がかかるので、考える時間がとれる「書く」の方がとっさに話さなければならない「話す」よりも楽に感じるのです。」「これは間違った方法です。その都度日本語で考えて作って英語を話したり書いたりしているのでは時間がかかりすぎますし、変な英語になってしまう可能性があります。英語は正しい表現を覚えておいてそれを応用しながら話したり、書いたりしなければいけません。その方が安全だし、確実だからです。」と仰っています。
更に、「私のおすすめの英語教材」の中の「2.必ずものになる話すための英文法」のところで、 「決して日本語から英語に訳すのではありません。日本語を見たらそれに対応する英語がすぐにスラスラ言えるようになるまで完全に覚えます。」と仰っています。
しかし、この「日本語を見たらそれに対応する英語がすぐにスラスラ言える」ということと、「その都度日本語で考えて作って英語を話す」ということの区別がつかないのです。 私は、「日本語を見たらそれに対応する英語がすぐにスラスラ言える」というのも、結局は、「その都度日本語で考えて作って英語を話す」ということを高速に行っているだけのような気がするのです。これらはどのように違うのですか。もう少し、詳しく説明して頂けないでしょうか。
私の回答
「日本語で考えて英語で話す」ということは 発想や概念==日本語→(翻訳)→英語 と考え翻訳の部分を練習するということです。発想==日本語の部分はもうできていますから、翻訳の部分を練習しましょうという方法です。
これに対して「英語で直接発想する」ということは 発想や概念==英語 をダイレクトに結びつけることです。発想や概念と英語は結びつきがないか、結びつきが弱いですから、何度も英語をくりかえして覚えてその結びつきを強いものにしてやる必要があります。
方法としては発想や概念が明確になものを英語でどういうかを何度も声を出してくりかえして覚えるということです。 私は発想自体は日本語でも英語でもなくイメージのようなものでやっていると思います。違いはそれを言葉で表現しようとしたときに一度日本語にして英語に訳して表現するかそれとも英語でどう言うかをすでに知っていてそのまま表現するかの違いです。
話すための英文法を勉強する時に大切なのは「英文の例文を覚える」というところです。本当は日本語の部分はなくてもよいのです。ただ英語と結びつける概念が不明確だと「発想や概念==英語」の結びつきが弱まりますから、いちおう英文の意味は大体こういうことだということをわかっておくために日本語の助けを借りるにすぎません。
ですから概念がはっきりしているものに関しては日本語は必要ありません。本当は日本語を一切はさまずに概念自体を英語で理解できたほうがのぞましいのです。英英辞典を使いなさいということはそういう意味です。
日本語から英語に訳す方法と英語で直接発想する方法のもうひとつの違いは日本語から英語に訳すという方法は「単語を文法で組み立てて英語にするという方法」をとりますが、英語で直接発想する方法は「例文をたくさん覚えておいてその一部のみを入れ替えたり、多少変化させて英語を話したり書いたりする」ということです。
翻訳法はバラバラの単語を覚えそれを文法の知識で組み合わせて文を作るのに対し、英語で直接発想する方法はまるごと英語をセットで大量に覚えてそれを多少変化させて表現します。
このセットでというのが大切です。単語レベルのものを文法でいちいち作っていくのでは作業が複雑になり時間がかかりますが、ある程度の長さのものをセットで覚えておけば英文を作る作業はずっと簡単になります。したがって「速く処理ができる=とっさに話せる」し、使われている表現をそのまま覚えていますから間違いもずっと少なくなるのです。
理解のために文法を理解したり、日本語での意味を知っておくことは概念を理解するために有効ですが、それだけで満足しては英語はいつまでたっても上達しません。理解したあとに英語をしっかり覚える(発想や概念と英語を結びつける)努力をしないと英語のまま理解できるようにもならないし、英語で直接言いたいことを表現できるようにもなりません。
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