mrphnx: 2007年9月アーカイブ

この本は日米の文化の違いについて書いたやさしい読み物です。初級者から中級者用のリーディング用の教材としても使えます。

Polite Fictions というのは 「見せかけの礼儀」と訳せますが、この本はある場面においてそれぞれの文化で「礼儀正しい」とされている行為が違うためにそれが異文化コミュニケーションを引き起こすという説明をしています。そしていろいろなエピソードを読みながら楽しく文化の違いを勉強できるようになっています。

 たとえば最初の話では、著者は彼女が日本に来たばかりの時に日本人の男性の友人から電話をもらってディナーに誘われるのですがその時に I just got married, and my wife and I would like you to come to our house for dinner next Saturday. She's not beautiful, and she can't cook very well. But I hope you'll come. と言われこの人は結婚したばかりの奥さんがもういやになってしまったのかと思ってビックリし、実際に奥さんに会ってみて彼女がとびきりの美人で料理もうまいことにこれまたビックリします。そして初めて友人の男性の言ったことはPolite Fictionsであり、彼は謙遜してそう言っただけだということに気づいたというエピソードです。

アメリカ人だったらこういう場合簡単に She wants to meet you というか、もしも妻のことを説明するなら She loves to cook and is planning to fix something special for you. とか She has a wonderful sense of humor; I'm sure you 'll like her. のように何か良いことを言うのが普通だからです。

このような Polite Fictions について彼女は You and I are Equals. You and I are Close Friends. You and I are Relaxed. You and I are Independent People as Individuals. Being Original などの項目をあげて日米の文化の違いを説明しています。

内容についての簡単なQ&AやTrue or Falseなどの問題もついていますからリーディングコンプリヘンションの教材として使えますし、内容についてディスカッションをしてもいいでしょう。

この教材はニックネームとしてSOSの愛称がついていますが、このニックネームの意味する通りアメリカで生活する上で必要な英語を教える為に作られた教材です。

レッスンの構成は状況ごとに作られており、病院、歯医者、銀行、郵便局などで使う英語、火事や犯罪への対処、仕事の見つけ方、住む場所の見つけ方などのテーマごとにサバイバル英語が学べるようになっています。

レッスンは絵で必要な単語を入れてから、ダイアローグを覚え、次にその応用練習、最後に文化背景についての読み物の内容理解とオーソドックスな会話教材の構成で作られています。 この教材のよい点は絵が豊富で視覚に直感的にとらえることができるところです。

わたしはドラマ手法を駆使して、体を実際に動かしながら単語を覚えさせたり、ダイアローグを演じさせたりしています。 これからアメリカで生活される予定の方は一度やっておくと良い教材だと思います。

私がまだ東京松本英語専門学校の生徒だったころ1年目の生徒全員にこのケネディ大統領の就任演説を覚えることが課題としてだされており、私もこのスピーチを最初から終わりまで全部覚えました。全部で約12分ほどかかるスピーチです。

このスピーチは若き大統領が大統領就任にあたって、自分の決意を表明し、アメリカ国民に自分達でアメリカを作っていこうと呼びかけた、とても勢いのあるスピーチです。 スピーチ後半に出てくる And so, my fellow Americans. . .ask not what your country can do for you. . .ask what you can do for your country. My fellow citizens of the world. . .ask not what America will do for you, but what together we can do for the Freedom of Man. はとても有名な部分です。

 フィニックスではこのスピーチを使ってスピーチのデリバリーの練習をさせて、年に2回レシテーションコンテストを行っています。また1日体験コースでは I do not shrink from this responsibility, I welcome it. の部分を覚えてみんなの前で発表してもらっています。 こうした英語演説を覚えることは、スピーチの練習になるだけでなく、語彙を増やすことにも役にたちます。

私がこのスピーチを覚えた時はまだ大学受験生でしたから、このスピーチのおかげで相当単語を覚えることができました。 野口悠紀雄氏も「超勉強法」の中で「ケネディの演説を覚えよう」と書かれていますが、丸暗記法が受験勉強に役に立つことは本当です。

私は浪人中、予備校の授業に1回も出席せず、「松本」で出された教材をひたすら暗記したいただけでしたがそれでも英語の成績は上がり、翌年無事に一橋に合格できました。

下にこのスピーチへのリンクを入れておきましたので、みなさんもためしにやってみてください。松本亨著「英語演説」(英友社)の中にも収録されています。またケネディ大統領の演説集のテープは南雲堂というところから出ています。値段はわかりません。

JFK's Inaugural Address   

フィニックスの島村先生が使っている教材です。この教材は英語のストレスのとり方をJAZZの調子に合わせて練習する教材で、ニューヨーク大学のグラハムが開発しました。

英語はストレスがある(強く発音される)ところとストレスがないところ(弱く発音される)ところがはっきりしている言語です。日本語にはこうした特徴がないため日本人が英語を発音するとどうしても平板な調子になりやすいのです。そこでこのストレスをちょっとおおげさに強調してJAZZの調子にのって練習することによって英語らしい調子で話せるようにさせようというのがこの教材の趣旨です。

例えば THIS is the STORY of the THREE little PIG. という文では大文字のところにストレスがあります。そして大文字のところが同じ間隔で来るように強調して発音し、その他の小文字の部分はその間につけたしのようにして速く弱く発音します。

英語を発音する時は自然にストレスがあるところを強調して話せるようにならなくてはいけません。そのためにはこのJAZZ CHANTSは役にたつ教材です。 JAZZ CHANTSには大人用、子供用、small talk, おとぎ話を使ったもの、マザーグースを使ったもの、などいろいろなバージョンがあります。自分の気に入ったものを選べば良いでしょう。

この本は日本人が不得意とする英語発音の弱点ばかりを集めた本です。

 全体は4つの章にわかれており、それぞれの章でいくつもの発音のポイントが簡潔に述べられています。

 1章は個々の音で聞く時、話す時に区別が難しいものを組み合わせて練習します。例えば[ f ] と [ h ] の違い、[ r ] と [ l ] の違いといったものです。

2章は音と音との結びつき、特に子音結合の問題をあつかっています。たとえば [ t ] は普通は舌先を歯茎から話して発音しますが、mountain, cotton などのように[ t ] と [ n ] の子音が連続する場合は[ t ]は舌先を歯茎につけたままで、鼻の中で「クン」と発音し、そのまま息を鼻に抜いて[ n ]の音を発音するといった具合です。

3章はリズムの問題を扱いっています。例えば come in の in のような副詞は強く発音するが、I live in Tokyo. の in のような前置詞は弱く発音されるといったようなことです。

4章はイントネーションで気持ちがどんな風に変わるかを説明しています。例えば Thank you を最後を軽く上げて言えば、「どうも」くらいの意味になり、最後を下げて、やや低めに言えば「ありがとうございます」とお礼を言っていることになるというような例です。

本の他に著者が吹きこんだテープもついていますから、後について言ってみて、ついでに自分の声も吹きこんで比べてみると発音矯正が効率よくできます。

この本は私が発音と音声学の勉強のために使用した古典的名著です。五十嵐新次郎先生は松本亨先生と同じころに活躍された早稲田の先生で、現在早稲田で教えている諸先生方(東後勝明先生、田辺洋二先生、松阪ヒロシ先生、石原 明先生など)の先生にあたる方です。

現在はこれら五十嵐先生のお弟子さんにあたる先生方によって改訂された改訂版が出版されています。 この本は音声学の授業で使われる教科書ですが英語の発音の仕方が日本語の発音と比較されながら相当詳しく説明されています。もちろん発音の仕方を知っていたとしてもそれだけで正しい発音ができるわけではありません。正しい英語の発音ができるようになるためには実際に唇や舌を使って声を出して練習しなければいけません。しかし、どういう風にやれば英語の発音に近づけていけるのかという理屈を知っていることも大切なことです。

五十嵐先生の本は単なる音声学についての知識を学ぶための教科書でなく、どうやったら実際に正しい英語の音声が発音できるかということを具体的に明らかにしている点で優れていると思います。

この本にはカセットテープがついており母音、子音の発音の仕方の説明の後、実際にテープの後について声を出して練習できるようになっています。また第4章単語編では日本人にとって難しい子音結合や、子音の並列と同化、リズムやストレスについての練習もたくさんのっています。 英語の発音をきちんと勉強されたい方には、是非おすすめしたい教材です。私が購入したころは2000円(カセットテープは別売)でした。

ドラマの教材というと脚本やロールプレイの教材を思い浮かべる方が多いですが、ドラマの教材としてもう一つ大切な分野が俳優達が演技の前にリラックスするために使ういろいろなエクササイズや、イギリスのドラマ教育の中で五感の働きを鋭敏にしたり、創造力を高めたりするために使われるゲームなどです。

 こうしたエクササイズやゲームを集めたアイディア集として、ドラマを教える先生方に是非おすすめしたいのがケンブリッジから出版されているDrama Techniques in Language Learning という本です。これは生徒が使うテキストではなく英語教師が参考に使うリソースブックです。初心者用から上級者用まで使えるドラマ的手法を用いたさまざまのエクササイズがたくさんのっていて重宝します。こうしたエクササイズを授業の導入として使用すると生徒をリラックスさせるとともに集中力を高めることができとても効果的です。

ここではこの本の中からchildhood memoryというゲームを例としてあげてみたいと思います。 Childhood memories

What to do

Each person writes down a single word which represents a childhood memory. It is necessary for the students to be reminded that this word need be meaningful only to themselves personally. It might be a color (e.g. brown, violet); it might be a smell (e.g. cabbage, floor-polish); it might be the name of a place, a person, or a song; it might be an object (e.g. ashtray, vase); it might be a date, even a day, Abstract words, such as happiness, hope, courage, should be avoided.

The slips of paper are then collected and redistributed at random. Each person now tries to find who wrote the word on his or her slip or paper. (he or she should say the word aloud, not show the slop of paper) When the right person is found, he or she should explain what memory was associated with the word. In return, the other person should say what word he or she had written down and what memory it was associated with. Remarks

Level: elementary to intermediate upwards

If a class is going to work together regularly, it is important that the members should see each other as people, not just members of a class. This does not mean that we want to hear their life story or to learn their personal secrets. Nobody should be expected to reveal what he or she does not want. Childhood memories, of course, are often painful. This is why we ask the students to write down the word on paper. If they have memories they prefer to suppress, they will not write down anything that might recall them. Also, the act of writing down the word gives added precision to the memory. For each memory will involve many different facets, and the writing will help to make clear which of these is the most important. It is best to use this activity only after the class has been working together for some time.

[日本版は実例現代英語用法辞典(金子 実他訳 桐原書店)]

 ライティングに関してはやはり英文法というものをさけては通れないでしょう。そこで英文法を実際に英語を書くという見地から勉強するために是非一読をおすすめするのがこのPractical English Usageという本です。

この本は英語学習者が間違えやすい文法や語法を455のカテゴリーに分けて説明した本で、学習者が迷うポイントを数多くの例文を通して的確に指導してくれます。

例えば最初のテーマは a book about Africa と a book on Africa はどこが違うかというもので、on は本や記事、講義など堅い内容のもので、学問的であり、専門家向きであることを示唆しているのに対し、about は内容が一般向きである場合、あるいは書き方は話し方がもっとくだけている場合に用いられると説明されています。

この後比較にために以下のような例が続いています。 a textbook on African history. a book for children about Africa and its peoples. a lecture on economics a conversation about money an article on British industrial problems an argument about strikes

説明を読んで納得した後にこうした例文を覚えていけばより正確な英語が書けるようになります。

この本はかなり厚いものですから、通読しようとすると辛いかもしれません。最初は辞書のように必要な時に調べるという使い方でもよいでしょう。

「英作文とは単語を英文法を使って組み立てながら日本語を英語に訳していくこと(Translate)である」というのが一般に信じられていることです。しかし「これは間違った方法である」というのが松本亨先生の考えです。松本亨先生は「英語はまず正しい英語を覚えておいて、日本文の意味を解釈(interpret)し、それに相当する英語を書かなければいけない」とおっしゃっています。

つまり "Do not translate: Interpret accurately"ということです。 この考えを証明するために書かれたのがこの英作全集というシリーズです。この本は松本亨先生がまず生徒に英語になおす日本文を提示し、これを生徒が英語に直し、それに松本亨先生がコメントをつけ、次に正しい英文を示すという方法で構成されています。 いくつか例をあげます.

 1.梅雨明けはセミの第一声から始まる

生徒の作文  The sign of closing wet season starts with singing of cicada.

松本亨先生の英文  The rainy season comes to an end when you hear the first cicada.

 2.生きていることは誰かの役に立っていることだ。

生徒の作文  To go on living is useful for someone.

松本亨先生の英文  The fact that I go on living must be useful for someone.  

3.彼はよく長崎をテーマに絵を描く。

生徒の作文  Sometimes he paints a theme in Nagasaki.

松本亨先生の作文  He often paints Nagasaki.  

4.昨日は気温が最高だった。

生徒の作文  Yesterday was the highest temperature.

松本亨先生の作文  Yesterday's temperature was the highest this year.  

この本をやっていくといかに直訳というのが危険かということがよくわかります。かなり英語のできる方でも勉強になることが多いと思います。 私はこの本の使い方としては説明を読んだあと答えをそのまま覚えてしまう方法をすすめます。英語があまり頭にたまっていない時に日本語から英語への作文をやっても間違えてしまうことが多く、やっても有益とは思えません。それよりもちょっと考えてわからなければ答えを見て、それを覚えてしまった方が早いと思います。 私は2巻やったところで挫折しましたが、10巻全部を制覇すればほとんどのことは書いたり、話したりできるようになると思います。がんばってチャレンジしてみてください。  

関連質問 Q. おすすめ教材にある松本亨全集の1・2巻を買った者です。日本語と英語の違いがよくわかり大変いいものを手に入れたと感謝しています。ところで、稲垣先生は3巻以降は難しいとおっしゃっていますが、準1級の私にはむりでしょうか?よかったらお返事ください

A.英作全集はどの巻も難易度は変わりません。3巻以降私がやれなかったのは根気がなかっただけにすぎません。3巻以降もがんばってやってください。 この教材の問題は改訂されていないので例文が古いところです。改訂して例文を入れ替えれば良いのですが、私達のところには版権がないので残念ながらできません。

3.PENGUIN READERS  (LONGMAN)

「英語のペーパーバックが読めるようになりたい。でも語彙が難しすぎて内容がよくわからない。本が厚すぎて途中で挫折してしまう」という方に速読・多読用の教材として是非おすすめしたいのがこのPENGUIN READERS というシリーズです。

この本は現代、過去のベストセラー、名作をやさしい英語で書きなおしたもので、200 Words レベルから 3000 Words レベルまで自分の英語力に合わせた本を選ぶことができます。 私がこのシリーズをすすめるのは、内容がとてもおもしろくて楽しく読めるからです。

ジエラシックパーク・失われた楽園、逃亡者、クライエント、フルモンティーなど数年前にヒットした映画などもたくさんふくまれています。またビルゲイツの著書、俳優デカプリオの伝記などもあります。他にもやさしい英語で書かれているペーパーバックのシリーズもありますが、このペンギンリーダーズが一番読んでみたいというタイトルがそろっていると思います。

また本が薄いので、あまり苦労せずに始めから終わりまでを読み通すことができて、読破した冊数が増えるにしたがって、本を読み上げたという充実感を得ることができるのも良い点です。 内容理解を確かめるためのQuestionも巻末についているので、クラスで教材として使う時にも便利でしょう。

値段は600円から800円くらい。紀伊国屋など洋書をあつかっている本屋で手に入れることができます。

この本は大学入試用の読解用参考書ですが、英語のあらゆる構文をきちんとマスターするためには最もよくできた本だと思うので推薦します。昔は「全解英語構文」の名前で売られていましたが、コンパクト版になって名前が変わりました。

英語の入試の読解問題は今だにかなりの割合で下線部訳の問題が出ます。英検1級は下線部訳の問題は廃止されましたが、通訳ガイド試験にはまだ出ます。こうした下線部訳の問題は複雑な構文をきちんと理解し訳せるかどうかを見る問題です。構文が複雑で、訳しにくいところに下線を引き、そこを正しく訳せるかどうかで構文を理解しているかどうかを見るのです。

私はこうした問題は時代後れの問題だと思います。現代英語はできるだけわかりやすい構文で読みやすい英語で書くのが良いと考えられてきているので、こうした複雑な構文の英語にはあまりお目にかからなくなってきたからです。しかし、昔の文献を読んだり、TIMEなどの少し気取った文体のものの場合には難しい構文が使われることもあります。したがって一度はあらゆる英語の構文をきちんと勉強しておくことは必要だと思うのです。

こうした構文研究で有名なのは駿台の伊藤和夫先生ですが、私は山口俊治先生の本の方がわかりやすくで好きです。山口先生は他に有名な「山口英文法講義の実況中継(語学春秋社)」という本を出されていますが、誰でもわかるようにスッキリと説明することがとてもうまい先生だと思います。

この総合英文読解ゼミも学習者の立場にたってとてもわかりやすく書かれています。 この本では英語の構文をカテゴリーに別けながら、全部で200の構文に分類しています。そしてこれだけをマスターすれば、どんな英語の構文も理解できるように作られています。

まず構文を紹介する例文が囲みの中で紹介され、くわしい説明がされた後、その構文が入っている文章が練習問題としてのせられています。 ただ私はこの本の使い方について大学受験生がやるような英文を日本語に訳すという方法で勉強するのは良くないと思います。英語の勉強は英語を覚えることが勉強であって日本語に訳しただけでは勉強になっていないからです。

私は以下の方法をすすめます。 まず囲みの中の例文をその後に続く説明を読んで理解します。そしてその例文を本を見ないで言えるようになるまで覚えます。その後の練習問題は日本語と比べ英文の内容を理解しながらどんどん読んでいきます。英文を訳して自分の訳をノートに書いて解答と比べて直したりするのは無駄ですからやりません。ただ語彙を増やすことは必要ですから練習問題の中で知らない語彙がでてきたらその部分にあたる英語と日本語の部分をマーカーで印をつけておきます。 この方法で最初から最後まで最低2回この本をやってこの本をきっちりマスターすればどんな構文でも読みこなせるという自信がつくこと請け合いです。

英語を読む教材としてよくあげられるのがTIMEや、NEWSWEEKなどの外国の雑誌、英語の小説やスクリーンプレイなどです。これらのものも悪くはありませんが、英語学習者が読む教材として本当に適切なのだろうか?と私は疑問に思います。

 国際英語の学び方の章でも述べましたがこれら「外国もの」は学習者に「英語がわからないこと」と「書かれている内容の背景がわからないこと」の二重の負担をかけます。「英語学習には英語以外の部分の負担がなるべく少ないものを使うのが効率が良い」というのが私の持論です。

そこで私は「日本もの」を使った英語学習を推奨しているのですが、「日本もの」の他に私がおすすめするのが「万国共通もの」を使った英語学習です。 「万国共通もの」とは各国の文化にかかわりなく、どこの国でも同じように教えられる客観的な知識のことをいいます。

具体的にはみなさんが小学校、中学校、高等学校などで習ってきた、社会や理科の内容です。 私達は社会や理科の授業でいろいろなことを学びます。世界の地理や歴史、政治や経済の基礎的知識、物理、化学、生物、地学などの自然化学の考え方などが例としてあげられます。これらは人類共通の財産であり、日本の子供も外国の子供も同じように学ぶ大切な知識です。 これらの知識は私達は日本語ではもう知っていますから、これをもう一度英語で学びなおすことはそんなに難しいことではありません。

特に文化的な背景知識も必要ありませんし、内容も興味が持てますからどんどん読めます。わけのわからない「外国もの」を読むより、ずっと楽に早く大量のものが読めます。そしてイメージもはっきりわきますから、語彙もどんどん増えます。 こうした「万国共通もの」を使って英語を勉強するのに私がおすすめするのがGROLIER Multimedia Encyclopediaです。

これはアメリカの小学校中学年から中学生が使う子供用の百科事典です。昔はThe New Book of Knowledgeというタイトルでしたが、今ではinteractiveなCD-ROMとして生まれ変わりました。

内容は百科事典ですから自然科学、社会科学、人文科学のいろいろな記事がAからZまでアルファベット順に並んでいます。その中で自分が興味を持った記事を読んでいけばいいのです。 子供用ですから語彙はやさしいものを使っていますし、大変わかりやすく説明されています、しかし内容は相当高度のものが含まれており私でも勉強になることがたくさんあります。

私はこの教材をTOEFLの語彙増強のクラスで使っています。TOEFLには大学で学ぶ一般教養科目の基礎的な知識を見る問題がでますから、この教材はTOEFL準備にも最適です。 GroliaのホームページにThe New Book of KnowledgeのDemo版がありますから、是非ご覧下さい。

http://www.grolier.com/

最新版のCD-ROMは50ドルで注文することができます。(送料別)

フィニックスの中島先生の使っている教材です。アメリカントップ40という全米最新ヒット曲を紹介する番組の中の、思い出のリクエスト曲コーナー”LONG DISTANCE DEDICATION"を書きとっていくことでリスニング力をつける方法です。

アメリカントップ40はかつてはFEN(現AFN)で放送されていましたが、現在はFM横浜で平日5時から5時55分に放送されています。この番組はアマリカで人気の歌トップ40を紹介する番組ですが、その中にLONG DISTANCE DEDICATIONというコーナーがあります。

このコーナーは、遠く離れた大切な家族や友人や特別な人へあてたメッセージレターを番組のDJのケーシーが読み上げその後にリクエスト曲を流すというものです。この読み上げられるメッセージレターを書きとっていくというのがやり方です。

英語はやさしく内容は感動的なものが多いので、楽しく聞き取りの練習ができます。私のホームページ制作のクラスで大本君(Ted)が彼が自分で書きとったものをWeekly Messages From Phoenix Studentsのページに載せていますのでお読みください。

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/4461/Ted.htm

 またリクエスト曲の内容はレターの内容と関連していますから歌詞をいっしょに読むとおもしろさが倍増します。洋楽が好きな方には是非おすすめしたい教材です。

フィニックスの中島先生の使っている教材です。アメリカントップ40という全米最新ヒット曲を紹介する番組の中の、思い出のリクエスト曲コーナー”LONG DISTANCE DEDICATION"を書きとっていくことでリスニング力をつける方法です。

アメリカントップ40はかつてはFEN(現AFN)で放送されていましたが、現在はFM横浜で平日5時から5時55分に放送されています。この番組はアマリカで人気の歌トップ40を紹介する番組ですが、その中にLONG DISTANCE DEDICATIONというコーナーがあります。

このコーナーは、遠く離れた大切な家族や友人や特別な人へあてたメッセージレターを番組のDJのケーシーが読み上げその後にリクエスト曲を流すというものです。この読み上げられるメッセージレターを書きとっていくというのがやり方です。

英語はやさしく内容は感動的なものが多いので、楽しく聞き取りの練習ができます。私のホームページ制作のクラスで大本君(Ted)が彼が自分で書きとったものをWeekly Messages From Phoenix Studentsのページに載せていますのでお読みください。

http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/4461/Ted.htm

 またリクエスト曲の内容はレターの内容と関連していますから歌詞をいっしょに読むとおもしろさが倍増します。洋楽が好きな方には是非おすすめしたい教材です。

リスニングの教材としては音声とともに画像があるとそれが助けになって聞きとりを助けますから映像のついた教材を選びたいものです。そうした教材としてみなさんにおすすめしたいものに朝日出版から発行されているENGLISH EXPRESSという雑誌があります。この教材はそのほとんどがCNNのトランスクリプションでできています。そしてすばらしいのはこの雑誌にのっているニュースがビデオ版として安価な値段で発売されていることです。

これまでトランスクリプションとともにカセットがついている教材はアルクのEgnlsih Journalや時事英語研究などいろいろあったのですが、映像付きのビデオがついている教材はほとんどありませんでした。そしてこのビデオは50分で2000円という安さです。カセットも1890円で発売されているのですが、同じ買うなら絶対ビデオ版がおすすめです。 やりかたとしては何度もビデオを見て、内容を聞き取ろうとします、そしてわからないところを雑誌でチェックして知らなかった単語やイディオムに印をつけたり、書き出したりして覚えていくという方法をおすすめします。

CNNのトランスクリプションはCNN.COMのサイトからも無料で手に入るのですが、このビデオを買えばCNNを見られない人や、インターネットを使えない人も勉強できます。雑誌とビデオで2800円で相当な量が勉強できますから、教材としてはこれで十分だと思います。 リスニングはとにかく量が大切です、内容を聞き取ろうとして何度もよく聞くことをくりかえすことによって脳が英語をキャッチできるようになるのです。毎日このビデオを見つづけ、理解できる英語の量をふやしていけばいつしか英語のニュースを自然に理解している自分に気づくことでしょう。

CNN ENGLISH EXPRESSのホームページもご覧下さい。  http://fmv.asahipress.com/asahi/ee/index.html

 

英語のリスニングができるためには、単語(音韻)レベル、文レベル、文章レベルのそれぞれに関して違ったリスニングの練習をする必要があります。まずは、単語(音韻)レベルのリスニングを上達させるための教材を紹介します。

単語(音韻)レベルのリスニングで大切な事は、似た発音の聞き分けができることです。それぞれの言語には音韻というのがあり、私達の耳は音韻ごとに音声を区別して認識します。たとえば英語のネイティブスピーカーは/l/と/r/の音声はそれぞれ違った音韻として認識しますが、日本語のネイティブスピーカーはこの2つの音声を区別せずに、ともにラ行の音韻として認識します。だから日本語の音韻が確立してしまった人は/l/と/r/の音を区別するのが非常に難しいのです。

もちろん実際の会話では前後の関係で/l/と/r/が区別できなくても意味はわかります。He is reading a newspaper.と聞けば、誰もHe is leading a newspaper.とは考えないでしょう。だからあまり問題にはならないという人もいます。しかしこうした細かな部分までの聞き分けがきちんとできるということは、より正確な内容の聞き取りを可能にします。またこれができると自分で発音する時も正確に発音することができるようになります。聞き取りがいいかげんな人の発音はやはりいいかげんになってしまうのです。

こうした似た発音の聞き分けの練習に効果があるのがミニマルペア(MInimal Pair)を使った練習です。ミニマルペアとは他の部分はすべて同じで、ある部分だけの音声が違っているペアの単語でこれを聞き分けることで英語の音韻を区別できる耳を作るのです。 例えば/l/と/r/ののミニマルペアはlightとrightのようなものです。live とleaveは/i/と/i:/のミニマルペアです。lightと聞いたときこれが即座にlightでrightではないと判断できれば、/l/と/r/の区別ができていることになり、liveを聞いてこれがliveでleaveでないとわかれば/i/と/i:/の区別かできていることになります。

この方法で音韻レベルの聞き取り練習用に作られた教材として英語リスニング科学的上達法という教材があります。これはコンピューターを使ってミニマルペアの聞き取り練習をするCDーROMの自習用の教材です。男女4人のネイティブスピーカーが何百通りものミニマルペアを発音し、これをマウスでクリックして答えていきます。正解だとベルがなり、不正解だとブザーが鳴ります。間違えたものは後で教えてくれますから、自分のウイークポイントを何度も練習することができます。毎日15分から20分くらい継続して練習していくとだんだん音の聞きわけができるようになります。

この教材の詳しい理論については、ブルーバックスから同じタイトルの本が出ていますから、これもお読みください。ブルーバックスにもこの教材の簡易版のミニCDがついていますから、これで体験することもできます。 詳しくはATR人間情報通信研究所のホームページをご覧下さい。

イディオムに関してもうひとつ考えておかなければいけないのはスラングの扱いです。スラングは流行り廃りが激しいし、ノンネイティブスピーカーがよくわからないで使うと誤解をまねくことが多いので、スラングは学習者に教えるべきではないという考えもあります。しかし、映画の英語などではスラングは頻繁に使われこの理解なしには聞き取りは難しいのも事実です。やはりよく使われるスラングに関してはある程度おさえておくことも必要なのではないかと私は思います。

そこで私がスラングの学習用におすすめするのがSTREET TALKという教材です。副題にHow to speak & understand American Slangとあるようにスラングのみを扱った数少ない教材の一つです。 この教材の面白いのは単にスラングを覚えるための教材ではなく、Colloquialismsという音の連結や脱落という現象も扱っている点です。

たとえばこの本の例文にあがっている例をあげると "I am going to get upset if he does not quit what he is doing stop bothering me!" という文は実際の会話では "I'm gonna ged upsed if'e duz'n quit what 'e's doin' 'b stop botherin' me! と発音されます。これをスラングを使って言うと I am going to freak out if he does not knock it off and stop bagging me!" ということができ、この文は実際には I'm gonna freak oud if 'e duz'n knock id off 'n stop buggin' me! と発音されると説明されています。

ネイティブスピーカーの話す英語が聞き取れないという理由はこのColloquialismsとSlangがわからないことから来ることが多いので、映画の聞き取りができるようになるためにはこの本をやっておくといいでしょう。

テキストの他にカセットテープも発売されていますから、実際にネイティブスピーカーがどう発音するかを聞きながら楽しく学ぶことができます。

語彙をふやす為の教材のところで、接頭辞や接尾辞で意味を覚えていく方法を説明しましたが、これと同じことを熟語でしていく方法に前置詞の意味によってイディオムの意味を理解していく方法があります。イディオムのほとんどは前置詞と動詞、形容詞、名詞などが組み合わさってできており、前置詞の意味を理解することによってイディオムを分解して理解することができます。

この前置詞の意味ごとに熟語を説明していくという方法をとった教材として「奇跡の英熟語」という本があります。この本は長崎玄弥先生の出しておられる「奇跡の英語シリーズ」の中の一冊ですがシリーズの中で私が最もおすすめしたい本です。

最近はアルク社からもこのタイプの教材がでているようですが、「奇跡の英熟語」は熟語を分析した草分け的な存在の本です。 この本に出てくるイディオムはかなり難しいものも含まれており、大学受験生程度ではマスターしきれないでしょうし、またすべてを完全にやる必要もないと思います。ある程度勉強がすすんできてから、今まで知っているイディオムを整理したり、それに関連づけて他のイディオムを覚えるために使うと良いと思います。

この前置詞の意味で熟語を説明していく方法はイディオムを理詰めで理解していく方法で、これをやったからといってイディオムが使えるようになるわけではありません。イディオムが使えるようになるためにはやはり、会話や文脈の中でイディオムを覚えていかないといけません。しかし、単語の時と同じようにイディオムの意味を忘れない、または意味を印象強く覚えるという点ではこの方法は効果があります。そういう意味で熟語というものを分析しこれを理論的に理解しておくというのも一度やっておくと良いでしょう。

英頻の愛称で呼ばれる大学受験生なら誰でも知っている有名な英文法の問題集です。私は受験生の時に英文法に関してはほぼこれ一冊しかやりませんでした。この本は英文法の問題集ですが、イディオムや動詞と前置詞が組み合わさったできた動詞句の問題も豊富でイディオムの問題集としても必要十分な問題がのせられています。

イディオムは最終的には会話や、作文の中で自由に使えるようにならなければならないのですが、入試や英検の対策としてはとりあえず読んだり、聞いたりした時に意味がわかり、また空所補充や選択問題で正しい答えを選べればなんとかなります。受験勉強のためにはあまりたくさんの問題集に手を出さずこれ一冊仕上げるというつもりでやれば十分だと思うのです。

この問題集は左側のページに問題、右側のページに答えと解説がのっていますから、昔の問題集の様に問題集と解答をいちいち見比べる手間がはぶけます。(最近は左ページに問題、右ページに解答という形式の問題集が増えましたが、英頻が出たころはこうしたものはほとんどなく画期的なものでした)。

1回目はとにかく左側の問題を頭から順番に答えていきます。できた問題には○、できなかった問題は×、曖昧な問題には△をつけて最初から最後までとにかくやります。英文法やイディオムなどの問題は最初は知らなければわからないのがあたりまえなのですから、あまり考えずにどんどん答えを見てそんなものかと考えながらやっていけばいいのです。あまり考えても意味はありません。 2回目は×と△のついた問題だけをやってきます。今度もまた○、×、△をつけていき、これを3回目、4回目と繰り返していき、全部の問題に○がつくまで繰り返します。

イディオムは理屈ではなくとにかく慣れですから、何度も接しているうちに自然に覚えてしまうものです。この問題集を終えてしまえば大学入試や英検2級程度のイディオムはほぼ学んだことになります。

語源で英語を覚えるすぐれた教材として三修社から出ている「赤単・青単・黒単」の3冊を推薦いたします。この本は以前は「連鎖式英単語事典」というタイトルで1冊で売られていたものでしたが、最近3冊に分冊され、「赤単・青単・黒単」の名前に変わりました。以前からよくできた本だと思っていましたが、とても厚く重くまさに事典という体裁で勉強しにくかったのですが、3冊に分冊されてから持ち歩くこともできるようになってずっと使い良くなったと思います。

私が語源で単語を覚える本としてはこの本は現在のところもっともよくできていると思います。この本は他の本にない2つの長所があります。

1.単なる単語だけを並べた単語集ではなく、話しかける調子でやさしく説明してあって読み物として楽しく読める。

語源を扱った単語集は単語がただ並んでいるものだけのものが多いのですが、この本は読み物として読めるようになっていてその中に語源の意味や単語の説明がされています。こうした手法は「奇跡の英熟語」の長崎玄弥先生も使われていますが、無味乾燥になりがちな単語の勉強を楽しくする良い方法だと思います。説明も実際に講義を受けるような話し調子でとてもわかりやすく書かれていると思います。

2.イラストが豊富で単語の意味をイメージ化しやすい。

単語の意味を理解したり、覚えたりするためにイラストや写真はとても重要です。その単語の意味をイメージとして覚えやすいからです。この本は語源を扱った本としてはイラストなどのビジュアルエイドが豊富でこれが理解や記憶が助けてくれます。 本のサブタイトルの「英単語が頭の中にぐんぐんあふれてくる不思議な本」に恥じない良書だと思いますので、推薦いたします。

新聞・雑誌・日常会話に出てくる現代用語・新語・専門語をジャンルごとにまとめた辞書です。日本語からと英語からと両方からひけるし、特定の分野に関する単語がまとまってのっているので時事英語の語彙力をつけるのに抜群の効果があります。説明も細かいし、囲み記事などもあって注意すべきことなど貴重な情報も得られます。

私が今日の時事英単語で単語を選んだ時に使った種本の1つです。 のっている単語はほとんどが名詞です。名詞の場合、一対一で対応しているものが多いので、特に時事英語系の単語は日本語と英語を組み合わせて覚えてもかまわないと思います。動詞や形容詞は英英辞典で覚えるべきです。

特定のトピックについてディスカッションやディベートをする時に前もってその分野に関する単語を覚える時に便利です。通訳を目指す人はまずこの辞書の単語を覚えましょう。

DUOは1つの文の中にできるだけ覚えるべき単語や熟語を入れ、文全体を暗記することによって語彙を増やしていこうという教材です。 例えば A woman passed by me giving off a subtle scent of perfume. It reminded me of my ex-girlfriend. この文の中で pass by ; give off; subtle: scent; perfume; rimind of; ex- これだけの語彙を増やすことができます。

この本は覚える文をできるだけ少なくすることで学習者の負担を軽くしようという発想は良いのですが最初のDUOが出た時には無理やり作ったのが見え見えという不自然な文がたくさんあったのですが、その後改訂版のDUO2.0になって不自然さが減り、さらにこのDUO3.0になってさらに不自然さがとれおすすめできる教材になりました。

今回の改訂の特徴は口語表現が増えた点です。 全部で560の文に重要単語1600語と熟語1000語がうまく文の中にくみこまれていてこれを全部暗記するば短期間で語彙力を急速にのばすことができます。新聞を読んだり、本を読んで語彙力不足を感じている方はやられたらいいと思います。英検準1級や大学入試レベルではこの本1冊で十分でしょう。

私のクラスでは「話すための英文法」と同じように日本語の文を聞いたらすぐそれにあたる英語の文がスラスラいえるかどうかという方法でチェックしています。 テキストと別売のCDが販売されていますから

森 一郎先生は試験に出る英単語を初めとする試験に出るシリーズの著者として有名な方ですが、この森先生が語源を使って単語を覚えるために出されているのがこの「英単語はこう覚える」という本です。

この本は2部に分かれていて、1部は身の回りのカタカナ英語から正しい英語を覚える方法。2部は接頭辞や接尾辞から英語を覚えていく方法がとられています。 こうした方法で語彙を増やす本はこの他にもたくさん出版さん出版されていますから、この本に限らずどれか一つ自分が気に入ったものを使って勉強すればいいと思います。

 この接頭辞、接尾辞を使う方法はこれによって単語を覚えるというより、覚えた単語を分解して理解することによって、その単語の意味を忘れないために有効です。いままでバラバラに理解していたいろいろな単語が整理され、ひとつの体系として理解できるようになるため、頭の中がきちんと整理されます。 またこうして接頭辞、接尾辞の意味を理解しておくとSATやGREに出題されるようなラテン語を語源とする難しい単語を覚えるときにとても役にたちます。

多少めんどうなところもありますが一度はきちんと接頭辞、接尾辞の意味を理解しておくことは語彙力をつける為にはとても大切なことだと思います。

この本の弱点は例文がのっていないことなので、私は授業ではCD-ROMの英英辞典を使って英語の定義と例文をのせた語彙リストを作って教えていました。

英語をアウトプットする方法の一つにディスカッション用の題材を与えてこれについて意見を述べさせる方法があります。ディスカッション用の題材としてはいろいろなものが考えられますが是非私がおすすめしたいのがこのアンランダースの人生相談という新聞のコラムです。

日本の新聞と同様アメリカの新聞にも人生相談コラムがあります。いろいろな人がこのコラムに自分の人生の問題を相談する投書を寄せ、それにコラミニストが答えます。アンランダースはアメリカの最も有名な女性の人生相談コラミニストの一人です。

このアンランダースの人生相談を読んでいくと、アメリカ人が日常生活の中でどんな悩みや問題を持っているのかよくわかります。夫婦の問題、子供の問題、性の問題、仕事の問題、病気の問題などそのほとんどが私達の生活にも関係する非常に身近な問題です。

アンランダースのおもしろいところはこれらの問題を真面目にかつユーモアを交えて適切なアドバイスをしていくところです。この辺が彼女の人生相談が人気の所以でしょう。

私はまず生徒に相談内容を英語で読ませて、何が問題かをサマリーさせます。難しい語彙やイディオムがある時はその時に説明します。その後、自分だったらどんなアドバイスをするかを一人一人に話させ、グループでディスカッションさせます。最後にアンランダースのアドバイスをみんなで読んで感想を言い合います。 生徒それぞれの人生観や、いろいろな考え方が交換できて毎回とても充実したディスカッションができています。

私はこのアンランダースの人生相談を集めた本をアメリカで買ってきてそこから題材をえらんでいますが、アサヒイブニングニュースやアサヒウイークリーにも連載されているので、これを切りぬいておいて使うこともできます。また下のURLでインターネット上で彼女のコラムも読むことができますから、ここから適当なものを選ぶこともできます。是非ご覧下さい。 http://www.creators.com/lifestyle/landers/lan.asp

スピーキングのアウトプット用の教材はほとんどがコミュニカティブアプローチのものですが、唯一つオーディオーリンガルメソッドの教材として根強い人気を保っているのがこのアメリカ口語教本という教材です。

この教材は1959年に出版されてからもう40年間も売れつづけているという英語の教材としては驚異的なロングセラーを誇るテキストです。 オーディオリンガルメソッドは機械的だとか、時代遅れの教授法だという人もいますが、私はオーディオメソッドにはコミュニカティブアプローチとは違った別の良い点があると思います。(オーディオリンガルメソッドとコミュニカティブアプローチの比較についてはアウトプットの方法のページをご覧下さい)

日本でロングセラーになるだけに、日本の学校教育でおこなわれている英語教育のこともよく踏まえた上で、日本人がかゆいところに手がとどくように効率的にスピーキング力をのばせるようにつくられたよくできた教材だと思います。何度も改訂されているので、内容的にも古臭さは感じません。

この本はアウトプット用にもできていますが、インプット用の教材でもあります。テキストの指示にあるように各課のダイアローグの部分はテープやCDを聞いて、ネイティブスピーカーの発音をまねしながら、正確に覚えていかなければなりません。

私はクラスの半分をこのダイアローグの暗記のチェックに使っています。 授業の半分はこのテキストの特徴である数多くのパターンプラクティスを口頭でこなしていきます。

パターンプラクティスはもとの文を指示されている通りに置き換え練習や言い換え練習をするもので、オーディオリンガルメソッドの典型と言える練習です。この本ほど、いろいろな種類のパターンプラクティスの練習がたくさんのっている本はないと思います。

パターンプラクティスは英語をいろいろな形に変えて話す練習ですから、必ず声を出して練習しなければいけません。また瞬間的に口から英語がでてくるように練習しなければなりません。時間をかけて、ゆっくり解答を考えて英文を作っているようではあまり意味はありません。

たとえば、三人称単数が主語の時は動詞に s をつけなければいけないのは皆知っています。でも実際に話す時になると慣れないうちは s を落としてしまうものです。こうしたことをとっさに自然にできるようになるための練習にはパターンプラクティスはとても役に立ちます。

文が長かったり、変形が複雑なものはテキストを見ながらパターンプラクティスをしてもかまいませんが、理想的にはテキストを見ないで先生の発音した文を聞いて理解しそれを指示通りとっさに変えていく練習をするべきでしょう。こうすれば聞き取りの練習にもなります。

この本は入門編、初級編、中級編、上級編と四冊からできているシリーズですが、テキストもテープやCDの音声教材も価格が非常にリーズナブルだし、これ四冊をきちんと勉強すれば、かなり高度なレベルの会話までできるようになります。

はっきり言って、ブリタニカとかリンガフォンとかの何十万の教材よりも、このアメリカ口語教本4冊をしっかり勉強されたほうがずっと良いと私は思います。

英語をアウトプットするための教材の代表的なものはコミュニカティブアプローチを使った教材です。コミュニカティブアプローチとは英語を使ってコミュニケーションする目的を作ってやることによって英語を自然に話させようという方法で、現在ほとんどの英会話学校でこの手法が使われています。

コミュニカティブアプローチのテキストはたくさんあって、Cambridge, Oxford, Longman などたくさんの出版社がこぞってこの教授法を使った教材を出していますが、内容は大同小異で同じようなアクティビティーがどのテキストでも使われています。英会話学校などではこうしたテキストのコピーを使って授業をしているところが多いようです。

私が使っているのは、Longman社のEnglish Firsthandという教材でこれはもとLingual House社が出していたものがLingual HouseがLongmanに吸収されたためLongman社が引き続き出版しているものです。

私はCambridgeのInterchangeやOxfordのEast Westなども使ったことがありますが、こうしたテキストは外国で出版されているため日本人なら誰でも知っている余計な文法の説明や練習が多いような気がします。その点このEnglish Firsthandは日本在住の言語学者が日本の現状に合わせて作ったものだけにあまり無駄な部分がなく使いやすいと思います。

この教材は総合教材であり、聞く、話す、読む、書く、の4つの技能をすべてのばせるように作ってありますが、コミュニカティブアプローチの教材だけに主として話すためのプラクティスが中心です。

テキストの構成は Listening.  Conversation,  Duet,  Language check,  Ensemble,  Solo, そして別冊の Reading の7つの部分からできており、同じテーマをいろいろな手法のプロクティスを通して練習できるようになっています。

Listening はコミュニカティブアプローチの趣旨にそって、できるだけ生の英語に近いナチュラルスピードの会話を聞いて、必要な情報を的確に把握するように作られています。

Conversatonはいわゆるダイアローグですが、会話の中身をいろいろ入れ替えて練習できるようになっています。またドラマメソッドの Talk & Listen などの手法を使って練習するようできています。

Duet はいわゆるインフォメーションギャップを使ったアクティビティーでAとBがそれぞれ違った情報を持ち、それを交換していくことによって英語を話させるものです。

Language Check はその課で確実にしておくべき文法事項や語彙を確認するためのもので、次のEnsembleの準備もここでします。

Ensembleはクラス全体、または4,5人のグループでするアクティビティーで主としていろいろなゲームを通して英語を使わせます。

Soloはライティングのアクティビティーで、私はこの部分は宿題にしています。

この他にEnglish FirsthandにはFirsthand StoriesというReading用の教材がついていて、各課を学んだ後それに関連する文章を読んで内容に英語で答える練習をするようになっています。

またインターネットを通じてこのテキストの各課で使えるいろいろなアクティビティーがhttp://www.efcafe.com/
にのせられていますし、このテキストを使っている世界各国の英語講師の先生と情報交換をすることもできます。