113)13. 英文読解・リーディング上達法: 2007年6月アーカイブ

最近速読速解の方法で英語を返し読みしないで頭から日本語に訳していく方法がもてはやされています。

たとえば The girl said something, / but they couldn't understand / what she said. を「その少女は何か言った|しかし彼女たちは理解できなかった│少女が何を言ったのかを」 のように返し読みせずに語順の通り日本語に訳していく方法です。

日本語と英語では語順が違うので、日本語として通じるように訳すと返し読みをしなければならないのですが、この方法は英語を部分に区切ってその部分を順に訳していくことにより意味をとっていこういというものです。同時通訳はこの方法を使うので「同時通訳方式」などとも呼ばれています。

しかし私はこの方法は邪道だと思います。語順の通り訳したって、英語を日本語に訳して理解していることには違いはありません。そんなことをしなくたって正しい方法で英語を勉強していけば英語のまま理解できるようになると思います。

「英語で考える」学習法の目標はあくまで「英語のまま理解する」ことです。日本語に訳さないと理解できない、納得できないのはやはり今までの訳して理解していく方法の習慣にとらわれてしまっているからだと思います。

 

昨日のメールマガジンでPENGUIN READERSの紹介をしましたので、小説・戯曲などを読む時のアドバイスをしたいと思います。

小説・戯曲などを読む上で大切なのは状況(Situation)を把握するということです。状況がわからなくなると話がわからなくなり、混乱し読みつづけるのがいやになってしまいます。 状況は登場人物、場所、時間、それぞれの人物が何をやろうとしているかなどで構成されます。

小説・戯曲では最初に状況の説明があることが普通です。ここはあまりおもしろくないところですが、時間をかけてゆっくり読んでください。わからないところがあったら読み返すくらいでいいと思いいます。状況把握ができないまま読み進んでも後で混乱しますから念入りにすることが必要です。

それから登場人物の名前とお互いの関係をしっかり理解します。登場人物はファーストネーム、ラストネーム、ニックネームといろいろな形で呼ばれますから登場人物の名前はしっかり覚えておかないと誰が誰だったかわからなくなります。

私は本のしおり用に小さな紙をはさんでおいて新しい登場人物が出てくるたびに、その名前とバックグラウンドをその紙にメモしてます。こうしておけば読み進んでいるうちにこの名前の登場人物が誰だったかわからなくなってもこの紙を見ればすぐわかります。これは特に登場人物が多い場合にとても役に立ちます。

 関連項目 「21.脚本の書き方」をご覧下さい。

Q.最近、吉本ばななの「アムリタ」(日本語)を、趣味の一貫として(つまり、英語どうこう関係なく)読みました。で、その後、書店で洋書コーナーをうろついていると、偶然にもあったのです。Banana Yoshimoto の"Amrita"(英語版)が。初めの方だけ(立ち読み)読んだのですが、英語に訳された「英語版」に、「日本語版」と較べて、全く違和感がないのにびっくり。全く同じストーリーが、頭の中に入ってきました。

当たり前かもしれないけど、ここまで厳密に翻訳する人も凄いと思います。日本語の方を英語に逐語訳しても、逆に英語を日本語にしても、それぞれ、全く違う文章になってしまうのに。まぁ、翻訳は我々の仕事ではないし、それについて、問い詰めはしないつもりですが。

A.私は効率良く英語を学ぶ方法として日本ものを使った英語学習をすすめています。詳しくは国際英語の学び方の章の「日本もの」を使った英語学習をご覧下さい。

小説を読む場合英米の文学作品を読むと英語がわからないのと文化的背景がわからないのとの2重の負担をかけます。その点、日本文学の英語版は文化的な背景は日本ですから、ずっと理解しやすく読みやすいのです。

また日本語の表現を英語ではどのように言うのかという観点からいろいろな表現を見ることができますから英語が効率良く吸収できます。

日本語でよんだことがある小説を英語で読みなおしたり、まず日本語で読んでから英語で読むと話を知っていますからスラスラ速く読めます。英米の文学作品を苦労しながら少し読むのと、日本文学の英語文学を同じ時間をかけて大量に読むのでは後者の方が圧倒的に英語は上達します。

Q. 松本先生は著書の中で、「とにかくたくさん英語を読まなければいけません」とおっしゃっておられましたが、基礎の段階から読めそうなもの、例えば、ladderシリーズとか、やさしくrewriteした小説などを読んでおいたほうがいいのでしょうか?

A. 松本先生はご自分で英語の小説を書かれるくらいの方ですから、読書量はものすごい量だったと聞いています。私はとても松本先生ほど本は読めません。でも読んだ方がいいのはもちろんです。

松本先生がおっしゃっていたのは英語を話すことばかりやっていてもダメで英語を読んだり聞いて英語を吸収することが重要だということだと思うのです。

最近は学習者用にやさしく書きなおした小説もたくさんでていますから、興味のあるものを手当りしだいによんでみたらどうでしょう。

小説類は少しづつ読んでいくより一気に読んだほうがいいと思います。本を手に1時間とか2時間とかかけて50ページよむとか100ページ読むとか決めて集中して読みます。

あまり難しいものより、1ページにわからない単語が2、3個のものを多読したほうがいいと思います。

最初は薄いものから、1冊づつ征服していくようなつもりで読んでいくとよいでしょう。そのうちだんだん読む速さも速くなってきます。  

おもしろい作品をやさしい英語で書き直したものにペンギンリーダーズがあります。私のおすすめです。以下のサイトで紹介していますから読んでください。

ペーパーバックを読めるようになるためのお薦めの教材 

 

Q. いつも暖かいアドバイスをいただき、本当に感謝しております。アドバイスいただいた3つのポイントは、まさにそのとおりだと思います。

私のケースでは、 ①興味があるもの ②背景をしっているもの ・・・という観点からは、BUSINESS WEEKがBESTとなります。 ただ、③難易度が自分にあっているものを選ぶ ・・・という観点から選択いたしますと、矛盾が生じてしまいます。

先のアドバイスでは、今の私のレベルTOEIC550(L 235 R 315)では、BWは、レベルが高すぎとのことでした。 無理してでも、BWに挑戦した方がよいのでしょうか。それとも、簡単に読めるものを多読した方が、良いのでしょうか。

稲垣先生のおっしゃった「英語を英語で理解する、日本語に翻訳せずに」を意識するとどうしてもBWだと無理があるような気がします。 今日の昼休みも、本屋にいって、さまざまな洋書をいろいろみましたが、長所、短所さまざまあり、とてもなやんでしまいます。

何度も、お聞きして申し訳ございませんが、先生が私の立場でしたら、どんな選択をなさいますか。一言で結構ですので、教えてください。 よろしく御願いいたします。


A.英語学習は場所によって一番やりやすい勉強を選ぶ方がいいと思います。 たとえばディクテーションや辞書をひいての精読は電車のなかでは難しい勉強です。 BUSINESSWEEKが難易度からいって電車の中で読み飛ばすのは難しいということになると机に向かって辞書をひきながら読むということになります。 その為には家で30分なり1時間なり家で時間をとってじっくり読まなけらばなりません。

この場合私がおすすめするのはコンピューターで読むべき記事を開けてバビロンというコンピューター上の辞書を使って読むという方法です。 バビロンはご存知ですか?知らない単語にきたら右クリックをしてやるとその単語の意味を表示してくれる辞書です。

英和版と英英版がありますが 英英版の方をおすすめします。(英英でわからなければクリックするだけで英和版にきりかえることもできます) 頻繁に辞書をひくと読むことをさまたげてしまいますが、バビロンを使うとすばやく意味を知ることができますから読む流れをさまたげません。

この辞書は無料でバビロンのサイトからダウンロードできます。(有料になってしまったようです。残念) バビロンのサイトのURLを入れておきますので、ここからダウンロードしてください。

http://www.babylon.com/jpn/

BUSINESSWEEKのサイトのURLも入れておきます。

http://www.businessweek.com/ebiz/

英字新聞やTIMEやNEWSWEEK、CNNの原稿などもホームページがありますからそこで読むものができます。購読しなくてもよめるわけですね。

これらのサイトのリンクは私のHPの英語学習に役立つサイトへのリンク集に入っていますから利用してください。

電車の中でおすすめする勉強としては英語の暗記をおすすめします。英会話入門でもいいですし、DUOみたいな語彙の勉強でもいいですから、 英語を毎日覚えることをおすすめします。これはテキスト一冊あればすむことですから、電車の中でも十分できます。

MDプレーヤーやiPodを使えばどこでも英語を聞くことができますから通勤中のながら勉強などにはもってこいです。

本屋に足を運んで自分にあった教材をあれこれ考えてみるのは大切なことだと思います。

そして選んだ教材は徹底してやります。 わたしのおすすめの英語教材でもいろいろなものを紹介していきますので、参考にしてください。

Q. 先日は、お忙しい中、親身になったアドバイスをいただきましてまことにありがとうございます。リスリングに関しましては、早速〝英会話入門〟のテキストとテープを購入し、ディクテーションのトレーニングを開始しました。

リーディングに関しましては、教材選択に悩んでおります。 〝Mini World〟を購入して読みましたが、かなり簡単な感じがします。また、ご指導していただきました〝Japan Times〟では、毎日毎日、少しずつしか読めず、とてももったいない感じがしてなりません。

以前の質問で私の英語力(TOEIC 550:L235 R 315)では、難しいとされているとされている英語雑誌についてその難易度や内容、TOEICのレベルの違い等について教えて下さい。

もし可能ならば、下記のなかから挑戦してみたいと思っております。 毎週、購入すると単価が高くなってしまいますので、定期購読を考えています。

自分自身では、金融関係の仕事に就いている関係上、BUSINESS WEEKの記事などは、興味があります。(全体的には難しいが中にはスラスラ読めるものもあります。)

下記の全てについて購入し、実際読んだ経験があります。(電車の中が主な場所) ①NEWSWEEK ②TIME ③BUSINESS WEEK ④The Economist ⑤NEWYARKER ⑥その他(ご推薦があれば) 上記のなかでもしなければ、先生のご指導にしただって勉強していきたいと思います。


 A. どんなリーティングの教材を選んだらいいかということは人によって違います。そこでリーディング教材を選ぶ上での基準を説明したいと思います。

1.興味のあるものを選ぶこと

Sさんの興味があることと私が興味があることは違います。たとえば私はSさんがあげられた雑誌のうち、NEWSWEEKとTIMEは読んだことがありますが、私は他の雑誌は読んだことがありません。それは私はビジネスマンではありませんから、経済問題にそれほど興味がないからです。そのかわり、私はドラマが専攻でしたから、英語の脚本とかスクリーンプレイはよく読みます。

Sさんは金融関係のお仕事についていらっしゃいますから、経済問題に興味があるのだと思います。だから経済雑誌に興味があるわけですね。この興味があるということはとても大切なことです。興味のあること、読むことが必要だと思うことは一生懸命に読みますし楽しく読めるからです。

興味のないものを無理やり読もうとしてもイヤになってしまいます。だからSさんがBUSINESS WEEKの記事にに興味があれば、それはSさんにとって良い教材だと思います。

2.背景を知っているものを選ぶ

興味のあるものを選ぶことと関係しますが、自分の知らない言語で何かを読む場合は最初はできるだけ内容の背景がわかっているものを読むべきだと思います。

私がCNNやTIMEよりJapan Timesの方をすすめるのはニュースの内容が日本のことですから背景がわかっているだけわかりやすいからです。

Sさんは経済の知識も豊富でしょうから、経済雑誌は読みやすいのだと思います。スラスラ読めるものは英語が多少わからなくても概念を知っているから想像しやすいからだと思います。だからBUSINESS WEEKはあっているのでしょう。

3.難易度が自分にあっているものを選ぶ

あまり難しいものは辞書なしで読むのは辛いと思います。たとえば私はNEWSWEEKを購読していますが1ページで知らない単語はだいたい2~3個くらいです。これくらいでしたら、辞書をひかなくても前後関係から意味が推測できますから、多読の教材として適切です。しかし、もし1ページでわからない単語が10も20もあったら辞書なしで読むのは難しいと思います。

もちろん辞書(英英辞典を使って下さい)をひきながら時間をかけて精読していけばいいのですが、電車の中で読み飛ばす教材としては難しすぎると思うのです。

多読の教材を選ぶ場合は今の英語力よりも少しだけ難しめのものを選び難しすぎるものは避けるのが良いのです。

ここらへんが難しいところなのですが多くの英語学習者は英語のレベルはアメリカの小学生以下しかないのに、読みたい教材として大学レベルの難易度を選びたがるのでそのギャップに悩んでしまうわけです。

危険なのは難しすぎる教材を選ぶと英語のまま理解できないので、日本語に訳して理解するようになってしまうことです。日本語に訳していくのでは大学受験でやった英文解釈と変わらないことになってしまい、本当の意味で英語や読めるようにはなりません。

以上の3点を考慮しながら、自分にとって何を読むのが最も適切なのかを試行錯誤してやってみてください。

「興味がわいて、背景もよくわかっていて、そしてあまりわからない単語がなく、辞書をひかなくても内容が想像できるもの。」これを本屋に行って立ち読みしながらいろいろ探してみて下さい。

◆ このページでは、スキーマ理論によるトップダウン方式の読解法を説明します。

 「耳から始める英会話入門」を呼んで私がもう1つおもしろいと思った点はこの本が英語を理解する為の背景的知識の重要性を強調していることろです。

リスニングにしてもリーディングにしても、自分にとって馴染みのあるトピックや内容は、馴染みのないものよりもはるかに理解しやすいのは本当の事だと思います。

この本にあるように、日本に関するニュースは外国のニュースより、ずっと理解しやすいです。 それは「英語を理解する」ということは、「聞いたり、読んだりした英語の意味をゼロから理解する」ことではなく、「すでに自分の中にある過去の経験や知識に結びつけて理解する」ことだからだと思います。

だから日本人でもいろいろなことについて知識がある人は、知識のない人よりも、ずっと速く、楽に英語を理解できます。

背景的な知識を持っていれば、英語が多少わからなくても、話し手の言っている内容が大体想像できるからです。 逆に知識のない人は、英語がわかっても内容がさっぱりわからないということになってしまうのです

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