121)21-04. シノプシス(全体のあらすじ)を考える

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さて実際に脚本を書く場合にどのような順序で書いていくのが良いのでしょうか?最初からセリフやト書きを書いていく人もいますが、あまり得策とは言えません。

私は脚本をよく木にたとえますが、まず幹の部分から書くのがいいと思います。幹の部分にあたるのはシノプシス(全体のあらすじ)です。

日本語では「箱書き」などといいますが、ストーリーの中でどんなことがおきるのか全体の流れをフローチャートのように書いていきます。

最初の部分はストーリーの背景を見ている人にわかってもらう部分です。日本で言う「起承転結」の「起」の部分です。この部分がいいかげんだと話が何が何だかわからなくなります。

それからいろいろな事件がおきます。ここが「承」の部分です。英語ではconflictといいますが、いろいろな葛藤が起きて、だんだんテンションが高まっていく部分です。テンションはストーリーの後ろに行くにしたがって高まっていくように書かなければなりません。「承」の部分はストーリー全体の80%をしめます。

そしてテンションが最高に高まるのが「転」の部分すなわちclimaxです。このクライマックスのテンションを最高に高めるように書くのがコツです。

最後に「結」の部分が来て、ストーリーは終結します。クライマックスからエンディングまではなるべく早く終わらなくてはなりません。グズグズしているとせっかく高まったテンションが台無しになってしまいます。

テンションを高めるコツとしては、登場人物(特にメインの役)にいろいろな問題を与えます。そして苦労してこの問題を解決していく過程を見せることによってテンションを高めるのです。

問題は登場人物の外にある場合も中にある場合もありますが、いずれにしてもその問題を解決していくことによって登場人物が成長しなければなりません。「劇の最初と最後で登場人物がどう成長したか」これがわかるようにシノプシスを書いていくのです。

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