10)5-10. ドラマメソッド(7):感情はこめるものではない
よく演技の練習や、英会話の練習で「もっと感情をこめて話しなさい」という指導をする方がいますが、リアリティを持った演技や会話ができるようになる為にはこれは間違っています。
本当の感情は「こめる」ものではありません。「感情は自然に入る」または「自然にやってくるもの」です。 「ここは悲しい場面なんだから、もっと悲しそうに話して」とか「もっと怒って大きな声を出して」という指導をしてできることは、所詮「悲しそうに話す」とか「怒ったふりをする」ということにすぎず「本当に悲しくなる」こととか、「本当に怒りを感じること」とは全く違います。
本当の悲しさや怒りなどというのは、たとえセリフなどなくてもその人が舞台にいるだけでひしひしと伝わってくるものです。
ドラマメソッド(R)が目指しているのは「いろいろな感情を感じているふりをすること」ではなく「本当の感情を感じること」です。ドラマは誰かの真似をしたり、ふりをしたりすることでなく、役の立場で想像上の状況で生き、本当にいろいろな感情を感じることなのです。
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感情を込めてと学習者に言って何が悪い?
This is gonna be... や
That sure will be very bad!
など、基本的な this や that などごく基本語のイメージングには、その状況に適したイメージング、感情を込めるのが必須では?
内容を多読などから自然に理解して、という段階の学習者は少数だ。
ほとんどの学習者は基本的な理解から進めないと、ついて来れないのでは。