13) 5-13. 文法の練習になるドラマ用の教材
Q. 突然で申し訳ありませんが,一つお願いがあるのです。 この4月から高校3年生の選択授業で「OCC」(Oral Communication C)という授業を担当することになりスピーチやドラマなどを手探りでやっているのですが失敗の連続です。そこで,色々参考になる書籍を探してみるのですが見つかりません。もし,何か良い本がありましたら教えていただけませんでしょうか。
A. 教え方については次の回に説明するとしてとりあえず使える教材を紹介します。 4,5人のグループで10分前後でできるドラマが載っている「台本集」をお探しのようなので私が使ったことのあるものをあげておきます。
横浜国立大学の「英語授業にドラマ的手法を」(大修館書店)という本をご存知でしょうか? この本には佐野先生が書かれた、文法事項を練習するための3、4人のスキットがたくさんのっています。
どの話もユーモアあふれた楽しいものですし、それぞれのスキットである特定の文法事項を練習できるようになっていてとてもよくできています。 このスキットを毎回練習していけば生徒は文法事項を知識としてでなく実際の状況の中で使えるようになります。
次の例は関係代名詞 who, which, what を練習するための The boy our daughter loves というスキットの出だしの部分です。
Characters : Father, Daughter, Mother , Man (居間で父親と母親が娘に見合い写真を見せながら説得している)
Father:How about this boy? He is a young man who works in my office. He is a hard worker.
Daughter:I don't like a man who works hard
Mother:I don't understand what you say. A man who works hard is a good worker. A man who doesn't earn money can't make you happy.
Daughter:Well, anyway, I don't like men who are not interesting. My husband must have a hobby which I can enjoy with him. I want marry a man who is handsome and can dance well.
Father:Then, how about this man? He is the man who got the first prize in a dancing competition last year. I saw the trophy which he got then.
Daughter:Can he speak English well?
Father:No, he can't. English isn't what he is good at. But he is handsome and can dance very well.
Daughter:Father, he isn't for me. I don't want to marry a dancer. I want to marry a man who is intelligent and can speak good English. What a man thinks is more important than what he does for living.
Mother:What you said is very true. I know a man who is very intelligent and can speak good English. What a man thinks is more important than what he does.
この後母親が別のintelligentな男を紹介し、娘が拒否した後、娘がハンサムでもなく背も低く、脚も短い自分の恋人を紹介して終わります。 関係代名詞が何度も自然に使われているのがおわかりいただけると思います。
次回はこのスキットをどう練習していくかについて説明します。
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