139)39-04. 英語が聞き取れるためには頭の中に正しい英語の音声があることが必要
では次に英語を知的に理解できるとはどういうことかを考えてみたいと思います。
英語を直接理解するということは英語を日本語に訳さずに聞いた瞬間に理解できるということですが、英語を聞いて理解するにはまず英語を聞き取れなければなりません。英語を聞き取れるためにはどんなことが必要なのでしょうか?
まず英語が聞き取れるためには英語を正しい音声で覚えていなければなりません。「英語が聴き取れるということは、頭の中に記憶されている英語の音声と、耳で聞く英語の音声が一致する」ということだからです。 逆に頭に記憶されている音声が英語の正しい音声と違うと、正しい英語の音声を聞いてもわかりません。
正しい英語の音声を覚えていないと聞き取れない例として私の失敗談をひとつお話しましょう。 知人のユダヤ人がイスラエル大使館に行きたいというので、大使館に電話で問い合わせて道順を聞いていた時のことです、相手がしてくれた英語の説明の中に「タヌ」という言葉がでてきたのです。私はその意味がわからなくてWhat does a 「タヌ」mean?と聞きました。相手は「そんなことも知らねーのか」といった口調で説明してくれたのですが、tunnelのことだったんです。私は当時tunnelは「トンネル」だと思っていましたから「タヌ」と聞いても全然わからなかったんです。
「牛乳」のことを「ミルク」と覚えていると、正しい英語の音声で「ミヨコ」と聞くと何のことかわかりません。Do you have a 「ネコ」?と聞かれても何のことかわからない人はnickel(5セント硬貨のこと)を「ニッケル」と覚えている人です。
このように英語はまちがった音声で覚えると、正しい音声の英語を聞いても理解ません。話す時にも正しい音声で話さないと通じません。だから正しい音声で英語を覚えることは英語学習の基本となる最も大切なことなのです。
日本の英語教育はこの正しい音声で英語を覚えるということをないがしろにしています。英語の音声ははカタカナで代用することが多く音声記号がまともに読める人はごく少数です。これでは英語が聞き取れるわけがありません。
読めばわかるけど、聞いてわからないという場合は英語を間違った音声で覚えている場合がほとんどです。
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