139)39-06.「単語の意味が直接英語でわかる」には何が必要か?
「単語の意味が直接英語でわかる」ということは割に単純です。イメージできるものはそのイメージと英語が結びついていれば理解できます。例えばsunriseという単語を聞いたり見たりしたら日の出の風景が思い浮かべられるようになっていればいいのです。
抽象的な概念はイメージがすぐ思い浮かびません。その場合でも日本語では理解していますから、最初はまず英語―日本語―概念と日本語を通して英語と概念を結びつけてもいいと思います。例えばdemocracy=民主主義という具合にです。
しかし、一旦democracy と概念を結びつけることができたら日本語の方は忘れるようにします。この日本語を忘れるというために役にたつのが英英辞典の英語の定義を覚えるという方法です。これについては「英英辞典で表現をつける方法」の章でくわしく説明してうます。
認知心理学によるとこれらイメージや概念と結びついた語彙は脳の中ではバラバラに記憶されているのではなくスキーマというカテゴリーごとに整理されて蓄積されているといわれています。例えば家族というスキーマには、mother, father, brother, sister, son, daughter, などの一連の語彙が入っています。
また接尾辞や接尾語などで整理される場合や、同意語などで整理されている場合もあります。これらスキーマは英語を理解し、表現するためにはとても重要な役割を果たします。したがって単語はバラバラに覚えるのではなくスキーマという引きだしの中にきちんとしまっておくことが理解のためにも表現のためにも必要です。
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