108)8-02. 「語核」と内容語・機能語
「語核」を分析する上で有効でと思われる言語学的概念として、内容語と機能語があります。
内容語とはfather, good, run, oftenなどのように事物の名称,性質、動作、状況などを表現する語のことをさし、名詞、形容詞、動詞、副詞などにあたります。
これに対し、機能語とはon, to, and, the, canなど主として文中における文法構造上の関係を表すために働く語であり、前置詞、接続詞、冠詞、助動詞などに当たります。
「語核」にあたる語というのは、たまに機能語のこともありますが、内容語のことがほとんどです。そして日本語と英語では内容語と機能語の話され方に差があるのです。
日本語の場合は内容語も機能語もそれほど区別せずに、同じような強さ、速度で話されます。しかし、英語の場合は内容語の方は強く、はっきり発音するのに、機能語は弱く、速く発音される習性があるのです。
内容語のうち、その状況で特に話者が強調したい内容を持つ単語(すなわち「語核」)は他の単語よりもさらに誇張されて強く、長く発音されます。
この英語の習性がわかると、英語はずっと楽に聞き取れるようになりますし、同時に英語らしい強弱の入った調子で英語を話せるようになります。
関連記事
- 108)8-11. 表意文字である漢字が理解を助ける
- さらに、日本語の場合は内容語を表記する、漢字が表意文字だということが、理解を助...
- 108)8-10 日本語の内容語は漢字で強調される
- 英語は内容語が機能語よりも強調されて話される言語だということはお話しましたが、...
- 108)8-09. 自分が話す番をキープする為の言葉
- 会話をスムーズに運ぶためには「幕間つなぎみたいな役割をするフレーズ」はとても大...
- 108)8-08. Focused Repetitonという手法もあります
- 相手の言っていることがわからない時に使うものとして「わからない単語を上がり調子...
- 108)8-07. フィードバックが大切
- 私はアメリカ人との会話においては、自分が相手に言っていることをどのように理解し...
- 108)8-06. 「語核」を使って会話をコントロールする法
- 聞き取りに関しては内容語、特に語核の部分に注目して聞けば、相手の言いたい内容は...
- 108)8-05. 音の連結、脱落に慣れることも大切
- 英語は「強く、はっきり話される部分」と「弱く、速く話される部分」があることは述...
- 108)8-04. 英語らしい調子で話すコツ
- 「語核」のところで、英語には「強く、ゆっくり発音される部分」と「弱く、速く発音...
- 108)8-03. 「語核」を強調した感情の入った英語を話そう
- 英語を話す時も語核(自分が最も言いたい単語)を強調すると、自分が言いたいことが...
- 108)8-02. 「語核」と内容語・機能語
- 「語核」を分析する上で有効でと思われる言語学的概念として、内容語と機能語があり...
コメントする