11)4-11. 英語を読んだり、聞いたりすることはかなりできるのに英語が話すのが苦手な方へ
英語は読んだり、聞けたりするのに、話すことがダメだという方が多いようなのでその原因について考えてみたいと思います。
まず語彙にはpassive vocabulary と active vocabulary があることをご存知でしょうか?
passive vocabularyは、聞いたり、読んだりするとわかる表現のことです。
active vocabularyは、話したり、書いたりする時に使える表現を言います。
passive vocabulary は active vocabulary より多いのが普通です。これは母国語である日本語の場合にもあてはまりますが、外国語の場合はこの差が母国語より開いてしまうことが多いのです。
「英語は聞いたり、読んだりすることはかなりできるようになったのに話したり、書いたりしようと思うとなかなか出てこない。」という方はこの差が大きい方です。
こうした方はかなり上級者の方でもいらっしゃるようです。 そういう方はガイド試験や英検1級の一次試験はパスできるのですが2次の面接試験がどうしても合格できなくて苦労します。 TOEICでは900点とれているのにスピーキングは全然ダメという方もいます。 こうした方はpassive vocabularyは豊富なのにactive vocabulary が少ないのだと思います。
では active vocabulary を増やすためにはどうしたら良いのでしょうか? 私がこうした方にアドバイスしているのは
1.英語をきちんと覚えること
2.英語を使う機会をたくさん持つことです。
英語を大量に聞いたり,読んだりしていくと英語に慣れますからpassive vocabulary を増やすことはできます。しかし、active vocabulary として使えるようになるには、そうしたあいまいなレベルの記憶では十分ではありません。 適切な表現がとっさに口をついて出てくる為には、そのきまり文句を完全に暗記していつでも使えるようになっていなければなりません。私は「石につまづいても出てくる表現」などと言っています。
完全に暗記したってなかなか使えるようになれないのですから、うろ覚えの表現などというのは使えるわけがありません。 英語がなかなかでてこない人はこうした「きちんと英語を覚えていく訓練」が足りないのではないかと思うのです。
それからもう1つ大切なのは英語を使う機会をできるだけ多く持つことです。英語が使えるようになる為には必ずどこかでその表現を使ってみる体験をしなければなりません。覚えるだけでは使えるようになれないのです。
したがってなんとか英語を使う機会を作らなければいけません。英語で日記をつけるとか、英語のチャットに参加するとか、友達と英語で話をするとか、とにかく自分で工夫して、英語をアウトプットする機会を確保しなければいけません。
私達の学校の生徒さんは英語で話すのがあたりまえですから、英語を使うということに関しては慣れています。ですからpassive vocabulary と active vocabularyのギャップが少ないのです。
一度どこかで使ったものは、次の機会にも使えますから、いろいろな英語を使う機会を多くもてばもつほど、使える英語の表現も増えていきます。
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