07)4-7. 生徒主導型を使う時の注意点
「生徒主導型」は、たくさんのアウトプットを確保できのは良いのですが、間違った英語を直す機会が「教師主導型」より少ない点が弱点です。その為「生徒主導型」を使う時は以下の点に注意する必要があります。
1.十分な英語のインプットの量を確保すること。
十分なインプットがないのに「生徒主導型」を使うと、生徒は自分で英語を作って話すようになります。これは間違った英語をはびこらせるもとになります。これを防ぐためには、アウトプットの傍ら、常に大量の英語をインプットしていくことを怠ってはなりません。
このインプットを確保する為に、私達の学校では、生徒さんに大量の英語を正しい発音で覚えさせています。これを続けていくと、頭の中に正しい英語がたまってきて、だんだん話せる表現が増えてきます。それにともない言えないことが少なくなり、英語で直接言いたい事を正しい表現で思いついてそのまま話せるようになるのです。
また正しい発音で英語をインプットしていきますから、今までのカタカナ発音が、正しい英語の発音に修正されて、発音も向上していきます。
2.よくある間違いを修正する。
生徒が話す英語を聞いていると、よくある間違いに気付きます。私達の学校では、こうした表現を書き出して。生徒がみんな読めるところに掲示してあります。
たとえば生徒は遅刻する時は、学校に電話をかけてその理由を英語で説明しなければいけないのですが、残業しなければならない時に I have to overwork. という生徒が非常に多いのです。このような場合はoverworkは「働きすぎる」という意味で、「残業する」のは I have to work overtime. と言うのだと指摘するわけです。
このように生徒の使う英語に教師が注意を払い、間違いを含んだ表現を指摘して修正しているので、英語が崩れていかないのです。
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